ヴィパッサナー瞑想センターの10日間コース合宿まとめ

都心から電車で一時間半、JR茂原駅から更にバスで30分ほどの大自然の中にある瞑想センターで定期開催されるヴィパッサナー瞑想の10日間合宿コースに初参加してきた。

有給休暇に家族を残し音信不通の10日間、100時間ひたすら瞑想合宿の体験を経た成果と感想、参加検討する方へのメモをNoteに記す。

ヴィパッサナー瞑想について

「Vipassana」はパーリ語で観察するの意味。具体的にヴィパッサナー瞑想では身体と心の「感覚」を観察し平常心と忍耐力を養う。あらゆる感覚を平常心で観察し続けることで無常・無我・苦をリアルに体感できる。

例えば、かゆいから掻く反応の代わりに観察すると痒みが収まったりする。足の痺れに反応して姿勢を変えることを我慢し観察すると、重みや痛みや開放へ感覚の変化を感じられる。

S. N. ゴエンカ師(Satya Narayan Goenka)がミャンマーからインドに持ち帰って世界に広まり、日本では師のアシスタントティーチャーによる合宿形式の指導が瞑想センター「京都ダンマバーヌ」と「千葉ダンマーディッチャ」と「北海道ニセコ」の3拠点で開催されている。

合宿と費用について

合宿には10〜30日間迄あるが長期合宿は熟練者のみ参加が認められる。ここでは初心者も参加できる10日間コースについて記す。費用は合宿終了後「寄付のみ」で参加費等はない。前日夕方着、最終日明け翌朝に片付け後出発・合計12日現地にいることになる。

参加者は男女30名ずつの計60名。「古い生徒」と呼ばれる経験者と「新しい生徒」の割合は1対1。日本人:外国人は5対1で、全てに日本語と英語が用意されていた。男女はエリア分けされ接触禁止。

生徒同士は言葉・身振り・手振りも含めたコミュニケーションを一切行わない「聖なる沈黙」を求められる他、到着初日にスマホや財布を施設に預け、本・MP3プレイヤーなど一切の情報媒体も持込禁止。

10日間コーススケジュールと修行概要

コースのスケジュールは以下のとおり。

スケジュール
4:00起床
4:30~6:30 瞑想
6:30~8:00 朝食・休憩
8:00~9:00 瞑想(指導・決意の時間)
9:00~11:00 瞑想
11:00~13:00 昼食・休憩
13:00~14:30 瞑想
14:30~15:30 瞑想(指導・決意の時間)
15:30~17:00 瞑想
17:00~18:00 ティータイム
18:00~19:00 瞑想(指導・決意の時間)
19:00~20:30 講話
20:30~21:00 瞑想
21:00~ 就寝

毎日10時間瞑想する他は寝るか散歩くらい。ご飯は菜食で朝・昼のみ。「新しい生徒」はティータイムに果物が食べられるが「古い生徒」はレモン水のみ!と、よりストイック。

初日から3日目まではアーナパーナ瞑想(Anapanasati):自然な呼吸に気づく集中瞑想を行いつつ、身体の一部の観察を行い4日目からの本格的なヴィパッサナー瞑想への準備期間。と言っても約30時間の瞑想となる。

4~9日目まで「指導・決意の時間」=アディッタナー(adhitthana)朝・昼・夕の各1時間・計一日3時間は、瞑想に集中する目的で姿勢も変えない決意が求められ、困難でも最低限、瞑想ホールに留まるよう促される。

最終日は日常生活へのリハビリ期間。「聖なる沈黙」は解かれる。無言の共同生活を経た生徒同士会話も弾み、共通テーマもあるので趣(おもむき)深い。この日に3つ目のメッター・バーバナー瞑想(metta bhavana sati):慈愛の瞑想の指導も行われる。

体験した感想:とても苦しく同時に楽しかった

私自身の感想もここから率直に書く。確かに10日の文字通りの「修行生活」は辛かったが、考えたり妄想したり観察することは山ほどある。10日間はむしろ短い。

毎日座り続けると足も腰も背中も痛くなるが、座り方は自由なので工夫をすれば痛みにくい座り方も見つかった。これが見つからなかった方は最終日に苦痛について切々と語っていた。

菜食の粗食はお腹が空くが慣れる。空腹の感覚を「痩せてる」と解釈すると嬉しくなるし、客観的に観察し続けるとその中には何もなかった!?(だからお腹が空くんだけど・・・)

学びと気づき:パーリ語と智慧・悟り・観察

S.N.ゴエンカ師によるパーリ語と英語の録音指導が要所で効果的に繰り返しでてくる。夢にも出てくる印象的パーリ語もまとめておく。

重要パーリ語 (Pali)一覧
・アニッチャー(Aniccha):無常を意味する。諸行無常。瞑想指導や区切りの要所で度々出てくる為「あにっちゃあにっちゃ」と心で唱えている参加者もきっと少なくない。おそらく。
・サンカーラ(Sankhara):カルマ(業)を意味する。因果応報の種であり果実ともなる。
・ダンマ(Dhanmma):サンスクリットのダルマ・真理や普遍の法の意。普遍的で人類共通のそれであることをとても大事にしている。
・パンニャ(Panna):智慧を意味する。般若(はんにゃ)の語源で同義。お面やゴルフゲームではなかった。
・ババトゥ・サヴァ・マンガラーム(Bhavatu sabba mangalam):「生きとし生けるものが幸せでありますように。」の意。休憩前のタイミングでゴエンカ師が3度唱える。メッター・慈愛を表す象徴的ワード。
・サドゥ・サドゥ・サドゥ(Sadhu Sadhu Sadhu):3度続ける場合にはおっしゃる通り、素晴らしいの意味。象徴的ワードに共感する古い生徒が応じた後、休憩の鐘がなる。

あの仏陀(ブッダ)が悟りを開いた瞑想法であるとされるヴィパッサナー瞑想コース内では、「サンカーラはアニッチャーだというパンニャを自分で経験してダンマを実践する」ように説かれ実践する。

「観察する」最中、観察自体にも変化がおきる過程で、それまでの認識にギャップやズレを体験した事象についても記す。

観察を経て認識が変化した事
1.リアルな感覚と頭のイメージの線引:心と身体のバランス
2.観察と思考・判断の境界:平常心と嫌悪&渇望との境
3.痒いとくすぐったいなど感覚の曖昧な違い、あるいは差異

瞑想合宿100時間の過程で、頭が理解する知識と身体で感じる経験の間にあるギャップに気づいたりズレが起きる。自分自身の観察・実感を経た心身や認識の変化・変容・気付きの機会としても貴重で魅力的だと言える。

コース方式は原始的ヴィパッサナー瞑想に段階的に新技法を追加する。ほぼ毎日瞑想法に発展を加える指導が入る。このため一つの技術のイノベーションも体感でき、指導方法・ファシリテーションの視点でも気づきがある。

効果と変容:仕事や日常生活へのフィードバック

身体へのフィードバック:粗食と菜食の合宿後、体重が3キロ減っていた。食欲も減っているので合宿後さらに1キロほど減っている。ダイエットがうまくいかない。つい食べてしまう癖のリセットにも繋がった。

仕事へのフィードバック:瞑想合宿を経て平常心を養った結果、マネージメントに不可欠な俯瞰視点で見る観察力の向上を実感。忍耐力も付いたので優先タスクの洗い出し・実行も捗り業務推進に不可欠な実行力・リーダシップにも変化が起きる。事実この長文レポートも書けている。

生活へのフィードバック:日常の諸現象にも嫌悪と渇望からの反応より、平静な観察を優先するようになる。元々NVCというコミュニケーション法も取り入れていたが、より本質に近く相手への素直で自然な言葉と行動が出る。

例えば妻が子供に厳しく叱っている場合、妻には休憩を打診し、子供には妻の目的を話しつつ気分転換の外出が自然と誘えるようになる。結果、夫婦仲も良くなり、育児も捗っている。

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メモ:初参加者が事前準備すると良いこと

睡眠対策:寝室がドミトリーとなり同室に約15名が寝起きする。長時間の瞑想の疲れによるイビキや潜在意識との対話による寝言は少なくない。寝付きが悪い方には耳栓が必須。

痛み対策:瞑想マットとクッションはあるが100時間に及ぶ長時間の瞑想となる。体が硬い方や、下半身の関節にトラブルがある方は入念な準備を行っておくと良い。

講話:毎日19時からブッダや悟りやニルヴァーナに関する講話が1時間30分ほどあるので手塚治虫の「ブッダ」を。時間がない方は我王が出てくる「火の鳥 鳳凰編」と「火の鳥 宇宙編」をマンガかアニメでチェックするのがオススメ。苦しみ・無常・無我に関してより深く味わえる。

最後に:10日も時間はない個人・企業に

「マインドフルネス・ヴィパッサナーの観察を仕事に応用したい。」
「悩みと苦悩から抜け出す方法を探している。」
「観察や瞑想は取り入れたいが時間がない。」

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全正徳

中国で五年間働いた後、日本一の「電話相談サービス」の経営を3年した後、相談者が幸せに進める人生相談を。 「行動・言葉」の工夫による変化に着目したワークショップも開催。Noteは「こういう工夫をしたら、どう変化が起きた」と友人に伝えるような内容をためる場として活用中。
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