Michiko / 理湖

2018年よりドイツ北部暮らし。どこかとつながりたくてはじめたnote、子育てや日々の…

Michiko / 理湖

2018年よりドイツ北部暮らし。どこかとつながりたくてはじめたnote、子育てや日々の生活のなかの心に残しておきたいことを気ままに綴っています。ロックダウン中でも唯一開いているスーパーのパンコーナーで買うドーナツが心の支え。

最近の記事

ガラスとびらの向こうへ行こう

「ママはかならず迎えに来る、とわからせることが大事だから」保育園で息子を担当しているカテリーナに何度も言われた。 「2〜3分から始めてみましょう」 今日、初めて家の外で、息子の前から姿を消した。3分くらい。 Eingewöhnung(慣らし保育)が始まって2週め。1週めは毎日1時間、プレイルームの中にいる息子のそばには親が付き添っていた。 「おかあさん、トイレに行ってくるね。すぐに戻ってくるからね」何度もそう言って離れたが、息子に伝わったのかはわからない。 カテリー

    • しんどさ比べをしないと心に決めた

      いまは2021年の4月。ドイツは、昨年11月に始まり延長に次ぐ延長で終わりの見えないロックダウンの真最中で、家と1歳児を連れて公園を往復する日々。せいぜい行動半径300メートルくらいの、代わり映えのない毎日。 そういえば宇多田ヒカルが「代わり映えしない明日をください」とうたっていたな。こちらも一人息子を抱えているが、そんな境地には達してない(あの曲は大好き)。 最後にnoteを書いたのは、2019年の12月。 2019年末は6ヶ月になったばかりの息子を抱えて日本に帰国し

      • 通りすがりの優しいことば

        今日、すごく嬉しいことがあった。 子育ての合間に書くnoteはいつも途切れ途切れになり、日記といえどもその日にポストできたことはないのだけど、今日はあったことそのままに、雑でもいいから、忘れないうちに書き留めたい。 (・・と書いたまま、やはりその日にはポストできず、下書きに保存して2週間ほどが経ってしまった。) ・ ・ ・ 朝早くから電車に乗って子どものフィジオセラピー(赤ちゃんの体のバランスを見たり、寝返りの頻度などで左右の動きにばらつきがあると、均等に筋肉がつくよ

        • 心のすき間に見る空は。

          今週のはじめ、子どもを昼寝に寝かしつけるのに苦戦して、大泣きと格闘し、なんとか寝てくれたあとくたくたになりながら台所に行ったら、虹が見えた。 あーきれいだな。久しぶりに虹をみたなぁ。。と思ったら泣いていた。 きれいなものをみて嬉しいのに、なんだか涙が溢れてしまって、心が揺らいでるなと思った。 夕暮れ時には、虹が見えたのと同じ、台所にある西側の窓から茜色に染まる空が見えた。夕方には4℃ほどまで気温が下がり冷え込むようになってきた北ドイツ、寒いけれどなんとか体中の活力を集め

        ガラスとびらの向こうへ行こう

          優しさを受け取る余裕

          子どもの滞在許可証(ビザ)の手続きにいったときのこと。 事前に、「手続きをするためにここにいってね」という手紙がくるのだけど、なぜか家族内でも都度、プロセスや場所が微妙に違う。本当にややこしい。 今回案内された建物は、よく行く居住エリアのメインの市役所ではなく、施設内に入ってからもどこにいけばいか手間取った。 どうやら1階から手続きを行うフロアにあがるにも整理番号が必要で、警備員のような制服を着た人が、付箋に番号を書いて無造作に配っていた。 「58」を渡されて待合のベ

          優しさを受け取る余裕

          生後82日の息子と一緒にボロボロ泣いた。

          真っ赤な顔をして我が子が泣いている。 朝から何度も、目を閉じて眠ったと思いベッドに寝かせるとぐずる。そのたびに抱き上げ、あやす、の繰り返し。手首は腱鞘炎一歩手前のように痛み、先週から痛みを増した腰は、2ヶ月を過ぎていよいよ重くなってきた子を抱き上げるといまにも砕けそう。9月に入ってからぐっと気温が下がったドイツ、風邪の前兆か疲れが出たのか、鼻炎と喉の痛みがひどい。息苦しい。 思えば満身創痍だった。 子どもは顔をしわくちゃにして泣いている。ずびずび。せき込みしゃくりあげて

          生後82日の息子と一緒にボロボロ泣いた。

          ドイツの産後サポート制度のはなし

          我が子が可愛い。とてもかわいい。かわいいと思える余裕があってよかったと安堵する。 身近に頼る人のいないドイツでの初めての子育て、どれだけ大変か、鬱になってしまわないか、などと産前からかなりビクビクしていた。大泣きされるとあたふたするときもあるけれど、思いのほかなんとかなっていて、子どもの可愛さゆえだなぁとつくづく思う。 生後2ヶ月半、声をかけると目を向けてくれ、笑顔が増え、足の力は強くなり、泣き声も多様になった。新生児のふにゃふにゃした体からだいぶしっかりして、「赤ちゃん

          ドイツの産後サポート制度のはなし

          母であること 私であること

          「あと1ヶ月と少しで母になる」というnoteを書いてからまさに一月後、ドイツで無事に子どもを出産し、50日ほどが過ぎた。出産がすでにはるか昔のことのよう。 新しい家族を迎えての日々は、昼夜関係なしの授乳、オムツ替え、泣いてはあやし、たまる洗濯ものをこなして過ぎていく。曜日の感覚はどんどん薄れ、外の空気を吸いに出ることもあるけれど、寝間着のまま1日を終えることも多い。 分娩した病院でのこと、子育てにあたってのドイツの社会保障制度やそれを説明してくれるFamilieplanu

          母であること 私であること

          いつか、我が子と一緒に日本の夏を。

          ドイツ北部でも30度近くまで気温が上がるようになった。 6月半ば、日の出は5時前、日の入りは21時半頃で、明るい時間が長く、外で飲むビールはとても美味しそうだ。風はカラッとして、早朝のツンとした空気は、まぎれもなく夏の訪れを告げている。 初めて過ごすドイツの夏。湿度は低く、日本の夏より過ごしやすいと思う。 それでも私は、日本の夏が恋しい。 あの照り返しの強い太陽の、うだるような暑さの中で過ごす日々が、離れた今とても恋しい。 蚊帳、蚊取り線香、線香花火、、 踏むとへ

          いつか、我が子と一緒に日本の夏を。

          夫婦で暮らす場所(の決め方)

          正解なんてものはなく、常にふたり、あるいは家族でそのときの最適解を選ぶことしかできないと思うけれど、結婚という形をとったあと、上記のことを心の何処かでずっと考えているような気がする。 どこで、どんなふうに、生きていくのか。 8時間で家族になる夫がドイツのオフィスから面接後に正式なオファーを受けたのは、2018年の年明け。条件を含んだ契約書の草案が送られてきて、返事を催促され、考えた末にOKの返事を送ると、代表からは「いつから来れる?4月?は遅いな。じゃあ3月からね」。

          夫婦で暮らす場所(の決め方)

          ドイツの夏フェスにて

          先週末、住んでいるところの近くで野外音楽フェスがあった。 ELB JAZZ 2019 エルベ川沿いの造船所の跡地や、ハンブルグのシンボルになっているエルプフィルハーモニー(音楽ホール)の近くに複数のステージが建てられ、タイムスケジュールのなかで見たいアーティストを選んで会場に足を運ぶ。 金曜日の午後から土曜日までの2日間の開催で、私は土曜日の1日券を買って参加した。 6月は日の入りが21時半頃と遅くまで明るいドイツ。この週末は北部でも30度ちかくまで気温が上がって気持

          ドイツの夏フェスにて

          一年先に見えるもの

          もうすぐ母になるこの時期に、自分の幼い頃や学生時代、就職して間もない頃のことなど、昔のことををよく思い出す。 なんてことないときに。本当に、突然に。 夢に久しく会っていない友人が出てきて、おかしな設定の中で進んでいくことがある。忘れていた人との会話が、急に脳裏によぎることもある。温度感も一緒に。 そんな折、新卒で入った会社でとても良くしていただいた方の誕生日に、ドイツからおめでとうございますのメールを送った。返事には、ありがとうとともに、 「この秋に◯◯(所属していた

          一年先に見えるもの

          独:Alles gute!or 英:Evening fine!しか言わない先生

          ドイツの婦人科のはなし。 私の経験上日本で掛かった婦人科とは違う印象で、この点はいいなと思うことも、お、おお・・と思うこともあり、その驚きも含めて面白いなと思うので、書き留めておく。 ドイツの妊娠検診は、町の小さな婦人科に通っていて、出産は別に産科のある病院を予約する必要がある(助産院や自宅出産を選ぶ人もいる模様)。周辺の病院をいくつかピックアップし、月に1~2度、平日夕方に開催されている見学説明会(医師や助産師が、病院の設備や体制について話をしてくれる&実際の病棟を見学

          独:Alles gute!or 英:Evening fine!しか言わない先生

          あと1ヶ月と少しで母になる

          あと1ヶ月と少しで母になる。産まれるまでは、そして産まれたあとも何が起こるかわからないけれど。「残りわずかなひとり時間、楽しんでね」と出産した友達に言われるいまの気持ちを、これまでを振り返りつつ、まとまりのないままでも書き留めておこうと思う。 退職、日本での暮らしを一旦閉じてドイツへの移住、夫との新しい環境での生活、全てが1年以内に起きた。ドイツにきて1年足らずで妊娠して出産することになるとは自身でも思いもよらなかった。わかったのは移住して3ヶ月ほど経った昨年の秋で、嬉しさ

          あと1ヶ月と少しで母になる