「割合」の理解度テスト ~「公式病」という病にかかっていませんか?~

■本当に理解しているかを試す方法

「先生、これがよくわからない」

先日、塾生から算数の質問を受けました。毎年この時期になると小5の生徒から割合の質問を受けます。今、小5の算数では割合を習っていて、子どもたちの話からすると、そろそろ単元の終わりに近づいているようです。

そこで、今回は割合を本当に理解できているかどうかのチェックテストをしてみたいと思います。ただ学校のテストでは単純な問題しか出題されないので、「公式病」にかかっているかどうかの判定は困難です。

単純な問題は、考えなくても機械的に数値を当てはめるだけで解くことができるからです。
一方、応用問題は意味を考えなくてはいけませんので、割合の概念を本当に理解しているかどうかがわかります

■割合を本当に理解していますか?

次の問題は小学校のテストでは出題されないやや高いレベルの問題ですので、割合を本当に理解できているかどうかを調べるのにちょうどよい問題です。

割合の問題はだいじょうぶ!というお子さんに仕上げの問題として解いていただきたいと思います。もちろん中高校生や大人でも構いません。紙と鉛筆を用意しましょう。

それでは、問題です!

赤ずきんちゃんはおばあさんのお見舞いに、リンゴとミカンを合わせて21個買いました。リンゴの数はミカンの数の40%でした。
リンゴを何個買いましたか。

この問題文を読んで、式を次のどちらかにしたお子さんは「公式病」にかかっている可能性があります。

 21×0.4
 21÷0.4

なぜこのような式を立てると「公式病」と言えるのか、
この問題はどのように解けばよいのか、
この問題で、もし公式を使うと、式はどうなるのか、

気になった方は、次の動画による解説をご覧ください。

(この動画の補足説明)
後で視聴して気がついたのですが、最後のリンゴの数を求める式を
15×0.4としていましたが、21-15の方がかんたんですね。(^_^;)
別解としては、小6で習う比を使えば、もっとかんたんに解けます(小5の段階では無理ですが)。
「リンゴの数はミカンの数の40%」ということをもとに
線分図を描くとミカンとリンゴの数の比が見えてきます。
あとは、100:40=5:2という比を使って
全体の21個を比例配分する方法もおすすめです。
公式を使わなければ、いろいろな楽な解法が見えてきますね♪

これまでの記事を読み、動画を見て、誤解していただきたくないのですが、なにがなんでも公式がだめと言っているのではないのです。
公式の意味をつかんで正しく公式を使えば問題なしです。しかし、そのような使い方はされていないのが現状です。それならば、公式なしで問題を解いた方がいいのではないかということです。

私自身、割合の問題を解くとき、これは公式を使った方がかんたんだなと思ったら公式を使います。だけど、公式の出番は少ないです。多くの問題は使わないほうが手っ取り早く答が出ます。

割合の公式のしくみについては近々説明しますね。

~次の記事へ続く~
「公式病」という病


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