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嵐のあとに花は咲く

嵐のあとに花は咲く

'Cause after the storm's when the flowers bloom

これは、Kali Uchisの"After The Storm"

という曲の一節だ。

昨晩はずっと雨が降り続け

大きな雷が何度も鳴り響いていた。

今朝、外を見ると強風が吹きつつも

昨晩からは想像しがたい快晴だった。

午前中のうちに野毛にある

図書館へと向かう。

本当に気持ちのよい日和で、

たくさんの人が出歩いている。

閉館まで、研究発表のための文献読みなどしていると

あっという間に17:00になってしまう。

そのあと、伊勢佐木町方面を散策。

ブックバザール。以前三越で開かれたらしい、

「'78現代ソビエト絵画展」のカタログを見つける。

が、面白いと思いつつ

買うほど惹かれはしなかった。

続いて近くに行くといつも立ち寄る

馬燈書房へ。

どこの古書店でも、岩波文庫の棚は必ず見るのだが

長らく探していたプリーモ・レーヴィの『休戦』に

ついに、偶然、出会うことができた。

「出会う」とはもともと偶然的な出来事なので、

「できた」とは相容れない気もするが、

長い時間を伴う思いが、漸く果たされた

という感情がこもっているようにも感じる。

この本はすでに絶版となっているようで、

すでに市場に出回っているものを

探すしかなかったのだが、

Amazonで買うのもなんかなぁ、と気長に

今日のような日を待っていたのだった。

ついていた値札よりも安くなったので、

ついでに『ベンヤミン・アンソロジー』も買った。

風邪も、嵐も、完全に何処かへ行ってしまい

いつの間にか花がぱっとあらわれたような、幸せな日だった。

帰りにスーパーで買い物をしていたとき、

背中に、犬が象られた正方形のパッチワークが二枚、

縫い付けられた羽織を着た婦人が歩いていた。

パッチワークのそばには

otemba animal's club

という文字列。

「おてんば」の語源は

オランダ語のontembaar(=手に負えない、勝気な)

のようだ。

手に負えないからこそ、それは動物であり、生き物だ。

そうした手に負えなさをも愛でること、

偶然性を享楽すること。

岩波書店のHPには、重版中との表記…


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