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リーマンのオアシス@秋田屋(大門)

「ガーーーン」

漫画だったら私の額には斜線がサササーッと何本も引かれているだろう。
はるばるやってきて、お目当ての店がやっていない時のショックはまあまあでかい。

日本を動かしていると勘違いしている似非エリートサラリーマンたちの巣窟、田町浜松町界隈で、今日日私がフラッと立ち寄れる酒場なんてトンと思いつかない。

灯りの消えた赤提灯を前に思考停止している私に耳に神の声が届く。

「あ、秋田屋行ってみる??」

後からならいくらでも調べられる。こういう時にすっと出てくるのが本物の証だ。さすがミスター酒場データベース。下町の酔仙さんの提案に飛びついた。

秋田屋、実はお初である。有名店ゆえ、いつもフルハウス。しかし今日はまだ日が高いせいか、ふた席確保できた。

そこそこ距離を歩いてきたこともあって、喉がカラカラだ。

ビーーール。

このところスタートから焼酎系だったが、久々呑んでみるとやっぱりビールは美味い! でも大瓶を2人でくらいがちょうどいいな。2杯目からはレモンサワーに切り替える。

さて、アテはどうするか。

「くさやいける? ここあるよ」

「おーいきましょう!」

名前からして臭そうだが、私は結構好きだ。

「うんこみたいな臭いが苦手」という声をよく聞くが、本家のうんこの方が遥かに臭い。ぽいだけだ。さすがに、ほぼうんこ臭なら食えないだろ。

しかし、あえなく「あーないよ」と笑顔の店員。

「今週は不漁らしいんだよね」と酔仙さん。なんでそんな漁の情報まで入ってるんだろう。やはりプロの酒呑みは違う。

ってことで、「ひずなます」をいただく。鮭の頭だ。

氷頭(ひず)は鮭の鼻先の軟骨部分を指す。氷のように透き通っているから「氷の頭」。日本語って素敵だよね。

それの酢漬けだ。おせち料理っぽい趣でやってきた。

何にでも酢を入れがちな私としては、かなり好きな味だ。軟骨のコリコリした食感もいい。

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お次は、「特製」の冠が輝く「たたき」(肉だんご)だ。

お一人様一串限りという、イケズなルールを掲げている。

220円と価格も立派だが、お初とあれば食べない手はない。

若干軟骨比率の高いつくねだ。この歯ごたえもたまらない。

この多めにぶっかかった青のりも効いてる。
薄味派の私の場合、この青のりがないとちょっとくどいかもしれない。それなら酒が進むだけなのでまー結局いいのだけど、青のりとタレのバランスが絶妙だよ。

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もちろん、もつ焼きもいただきました。

1本180円。てっぽーは噛み切れない系ですね。

価格に違わぬ美味しさで大満足。

ただ、2本単位の注文となるので、お二人様くらいがよさそうだ。

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こんな店がこんなビジネス街のど真ん中の交差点に面していたら、そりゃ混むわな。

大満足の秋田屋デビューに風向きが変わったようで、諦め切れずにもう一度お目当ての店をチェックしに行ったら、なんと提灯に灯りがーー!

こちらも素晴らしい酒場だったが、その話はまた今度。

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