癒し酒場で同窓会@すみれ(江戸川橋)
「あ、なんか友だちが迷ったみたいで」
テヘペロしながら店を出る私を大将とお母さんが「あらあら」と笑顔で見送ってくれる。
この柔らかさが、巷で「東京三大癒し酒場」などと評される所以だろう。
なんでも最近じゃドラマのロケに使われたとか。
江戸川橋駅を出て、新目白通りを早稲田方面へ歩くこと5分。ファミマ手前を入り、小さな出版印刷関係の会社が並ぶ界隈に『すみれ』はある。
迷わんだろ。
待っている間に、ボトルを呑み始めていた。
麦焼酎玄海1,500円。
と、ようやく友人Aが来た。
土木科卒の銀行マン。
「俺は焼酎だけど、ビールもまあまあ安いぞ」
赤星が確か600円くらいだった気がする。
で、マグロなんかツマんでいたら、友人Bが来た。
経済学部卒。10年前に起業し、綱渡りながらしぶとく生き残抜いている。
ビールからはじめるAとB。
スタート1時間くらいで、ようやく最後の友人Cがやってきた。
ロシア人みたいな顔して40過ぎてもハードに働き続ける電気科卒のSE。
高校のクラスメイトが揃う頃になると、大将の娘さんも買い物から戻り、店も盛り始める。
カウンター周りのテーブル界隈では、お母さんたちと談笑する常連や夕食をとるソロのサラリーマン。ちょっと可愛い女性二人組が気になったり。
我々のいる小上がりでは、3、4人組みが中心。菅野がホームランを打たれ店内が騒然となった頃には、8割方席は埋まっていた。
大衆割烹、ふぐ料理を看板に掲げるだけに魚料理が豊富だ。
イワシの刺身も軍艦巻きみたい。
いくらおろし、鱈子おろし、シラスおろし、ついでに納豆おろしと卸まくり。シラスおろしをいただきました。
もちろん焼き物もあるし、じゃがバターやら、チキンライスまで!
さすがランチ営業しているだけに、酒場としてだけでなく、地域の食堂として不可欠な存在なのだ。
閉店まで呑み続けたので、本来酒場の話題に事欠かないはずなのだが、久々の昔話に夢中になってしまってネタ不足だ。近々再訪しよう。
しかし高校時代の友人はいいものだ。
酒やタバコや博打は中学くらいから興味本位で嗜み始めたりするものだが、本格化するのは高校くらいからだろう。
パチンコにハマったのもこの頃から。ダントツに弱かったが、おかげで浪人してもヤメられなかった。
酒の呑み方もまったく知らないので、焼酎も洋酒も基本ストレートで呑んでいた。んで意図せずぶっ壊れたりするのでエキセントリックなエピソードも頻出だし、男子校ゆえシモ関連も恥じらいがない。
そういえばクーラーのない学校だったので、夏になるとパンツ丸出しで授業を受けていたな。よく真夏を耐え抜けたものだ。今だったら訴訟モンだろう。
妄想ばかりの中学時代もいいが、大人の階段を実践しながら昇る高校時代もまた格別だ。家族には絶対知られたくないエピソードが一番多いのはこの頃だろう。
年収とか借金とかもお構いなしだし、親兄弟の微妙な話なんかもできちゃう。それは禿げ隠しかとか恥部にもガンガン攻め込んで行く。もちろんマウントとってくるクソみたいな奴もいない。偉ぶる奴もいないし、虚勢をはる必要もない。本当に楽だ。
最近心身ともに疲れていたので、気のおけない友人たちとクソの役にも立たない話に救われた気分だった。ビバ青春。
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