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口開けから閉店まで@河本(木場)

16時。無地の暖簾を潜り、店内に入るとすでに3人のお客さんがカウンターに座っていた。口開けのはずだが、みんな別れを惜しんで少しでも長く店にいたいのだろうか。

そんな3人のうちの1人である下町の酒仙Sさんの隣に座り、スタート。

もちろんホッピー。

ここのホッピーは、”冷”したジョッキに、”冷”したキンミヤ焼酎を注ぎ、”冷”した瓶入りホッピーを入れる、いわゆる三冷(さんれい)スタイル。

ナカ(おかわり焼酎)は基本なく、瓶入りホッピーを1本丸ごとジョッキに入れるとちょうど満杯になる。潔くて呑みやすい。

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一応ビールやジンジャーエールなんかもあるが、客の99.9999%がホッピーを頼んでいる模様。

まずや豆腐。やっこだ。

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続いて手羽。角度が奇妙だけど、柔らかくて美味しい。

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んで、さつまあげ。

いずれも100円かな。その他たまごとか柿の種とか。ツマミの種類が厳選されているのも潔くていい。

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東西線木場駅から徒歩5分ほど。

小さな交差点に埋まるように佇む波トタン。

”昭和”というより戦後の雰囲気を維持したままの『河本』は、来月末の27日にその役目を終える。

子供の工作のようなメニューがまたいい味だしている。

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こちらはラップの芯だろうか。ラストに向かって、芯をくるっと回してメニューも厳選。

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店内はカウンターのみ。椅子とともにかなりいい感じ。いつも思うがこういう時間を経ないと醸し出せない雰囲気は貴重だ。

90歳超えの名物女将のますみさんが旅立たれ、しばらくの休店を経て、臨時営業として再開されたが、いよいよカウントダウン。GW明けからは週2回の営業である。常連さんたちが別れを惜しんで、押し寄せている。そんな人たちに混ぜてもらいつつ、カウンターのビワをみんなで分け合ったり。

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あと1回くらい来たいけど無理かなーなんて思いながら呑んでいたら、ホッピーの空き瓶がゴンゴン増えて、いつの間にか店に誰もいなくなっていた。

カッコいい店だったなー

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