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グローバル資金調達35億円の裏側と“Asia No.1 Brand Empowerment Company”の実現に向けた戦略【イベントレポート】

こんにちは!Micoworksの採用チームです。
2024年1月16日に以下のイベントを開催し、代表の山田が登壇しました。

グローバル資金調達35億円の裏側と“Asia No.1 Brand Empowerment Company”の実現に向けた戦略

シリーズBラウンドで総額35億円の資金調達を完了したMicoworks。グローバル展開を見据えた戦略や、資金調達の裏側まで、出資いただいたジャフコ グループ株式会社 西日本支社長 パートナー 高原様をお迎えしてオープンに語るイベントとして実施。

本レポートでは、ポイントとなるトークをピックアップし、読むだけで要点をご理解いただける内容にまとめました。

ゲストプロフィール

ジャフコ グループ株式会社 西日本支社長 パートナー 
高原 瑞紀氏

同志社大学法学部卒業後、2010年ジャフコ グループ株式会社に入社。中部支社(現西日本支社)を経て、2018年3月に関西支社長就任。その後2021年9月より西日本支社長(現任)、2022年6月よりパートナー。
入社後一貫して東京以外のスタートアップ投資・成長支援に従事。IPO・M&AでのEXITの実績を持つ他、ファンドレイズ業務の経験も有する。一般社団法人日本スタートアップ支援協会、大阪市スタートアップ企業支援プログラムなど、各地の起業家を支援する活動を幅広く行っている。

シリーズB資金調達の概要

今回の調達では、Vertex Growth(*)をリード投資家として、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタルの新規投資家に加えて、既存投資家であるALL STAR SAAS FUND、Eight Roads Ventures Japanを引受先とした、約35億円の第三者割当増資を実施。これまで約28億円の資金調達を実施しており、この度の調達により累計調達額は約63億円となる。

*テマセク傘下でシンガポール拠点とするクロスボーダーファンド

「アジアNo.1」を必達するための調達

ー まずは、シリーズB資金調達の基本方針について教えてください。

Micoworks 山田(以下、山田):
前回のシリーズAラウンドで18億円を調達後、現在では1,000を越える企業にサービスを利用いただいています。国内マーケットであればNo.1といえるような客観的指標を獲得できたと思っています。

そこで、次のシリーズB資金調達にあたり、今後私たちに必要なことは以下2点だと考えていました。

1. マルチチャネル×生成AIを活用した大きなプロダクトアップデート2. 必達目標であるアジアNo.1を踏まえた支援先の獲得

1つ目は、LINEに限らずにマルチチャネル・クロスチャネル的に、そしてAIを活用した付加価値を提供していくこと。その上で、すべてのお客様とブランドをエンパワーメントできるようになろうというものです。

2つ目は、我々が掲げている“必達”目標である「2030年にアジアNo.1のBrand Empowerment Company」を達成するため、支援をいただけるリードインベスターが必要だと考えたものです。グローバルで勝ち切れる会社になるためのレベルアップと、そのために必要な投資をリードしてくださる会社をイメージしていました。

他に類を見ない急成長が投資判断のキーに

ー 今回のMicoworksの資金調達は、今のトレンドに対してどのような評価ができるでしょうか?

ジャフコ 高原氏(以下、高原):
今日本では、スタートアップに投資されるお金全体は増えています。そんな中、20億円以上の調達になるとお金がパタッと出なくなる傾向が一昨年ほどから強まっています。投資家が対象先を厳選する傾向が強まる環境の中、35億円のまとまった資金を集められたこと自体に価値があります。

実際、2023年はSaaSの会社でMicoworksよりも大きい額を調達した会社は4社程度です。投資家による見極めがかなり進んでいることをあらわしています。

山田:
私はリード候補は海外投資家を中心に会話をしたのですが、ポジティブな反応はもらえるものの、グローバルエクスパンドのファクトが存在しないこと等が影響し、最後の最後でストップするケースがありました。。グッドじゃ出さない、スーパーグレイトまで行かないと出資には至らないのだろうなと感じました。

高原:
ああ、結構タフな戦いでしたね。

ー ジャフコ様はなぜ投資の判断に至ったのでしょうか。

高原:
私は山田さんのことは4年前から存じ上げていました。
当時からアジアNo.1を見据えていることは聞いていたのですが、そこから今回の出資相談に至るまでに、急速にMRR(月次経常収益)を伸ばし、エンタープライズシフトを成功させて大きくなっている。ジャフコの前例の中でもあまり見ない水準の急成長でした。

加えて、リードのVertex Growthさんはクロスボーダーで、投資先を厳選することで有名です。出資先の3割はユニコーン企業として成長していて、実績も確かです。
このような実績をもつVertex Growthさんがリードとして入られるのは予想外でもありましたし、投資判断の決め手にもなりました。

ー ジャフコ社内ではどのような議論が出たのでしょうか。

高原:
数字を見れば伸びていることは分かるので、その先の、何がここまでお客様に評価されているのか、提供価値は何なのか、というのはポイントとして注目しました。

また、5年後はどこまで成長するか、国内の事業余地はどの程度残されているのか。仮に上場した時にマーケットから受ける評価、などは議論に上がりましたね。

山田:
ありがとうございます。昔から知っていただいている高原さんに選んでいただけたのは感慨深いですね。

高原:
正直、当時お会いしたときに想像した以上にスケールされていたのはポジティブサプライズでしたね。

山田:
当時は面白そうな事業ならなんでもやってみる、という感じでしたよね。恐縮です。

高原:
私たちジャフコは本来、そのラウンドで一番多く投資することにこだわっています。いわゆるフォロワー的な立場はスイートスポットではなかったりするので。それでもMicoworksにはぜひ投資をしたいと感じました。それが今回ご相談いただいて抱いた第一印象です。

ー 特に、どんな点が印象に残っていますか?

高原:
事業について深く伺っていくと、いま起きている成長のモメンタムは再現性がすごく高いと感じました。極めて優秀なマネジメント層が揃い、KPIも著しく伸びている。将来のことは分からない前提をもってしても、一時のものではないと強く感じ、出資に至りました。

ー ちなみに、Vertexさんのご出資の決め手はどのような点だったのか、山田さんはお聞きでしょうか?

山田:
背景としてVertexさんは、我々の事業と似た領域の企業2社に投資経験があります。その2社がとても大きな成功を収められていました。
。このことから、一定の経済規模がある日本も成長余地があるのでは、という仮説を持たれていたように感じます。

その中で我々が選ばれたのは、やはりマネジメントチームの安定感が大きいと思います。
TAM(獲得可能性がある最大の市場規模)は十分にあるので、そこでMicoworksが勝ち切れると感じていただいたのだと思います。

グローバル展開の戦略、要はチームづくり

ー 次に、2030年アジアNo.1に向けた、グローバル展開の戦略について聞かせてください。

山田:
まず、アジアで一番ブランドをエンパワーする組織になるにあたって「どうやってグローバル前提でのチームを立ち上げ成長させるのか」が壁となり、同時にKSF(重要成功要因)だと考えています。

加えて、重要な考え方で、「Hardware is global, Software is local.」という言葉があります。つまり、ハードウェアは言語、文化の壁に関係なくグローバル展開しやすいのに対して、ソフトウェアはカルチャーと紐づいてしまい展開しにくい、という意味です。

労務管理システムで例えると、いくら素晴らしいプロダクトでも、日本の法律や規制に基づいて作られている以上、USやタイではそのまま使うことはできません。これは建築、司法、あらゆるジャンルでぶち当たりやすい問題です。

異国の地で第2言語を操りながら大きなもの・組織を作るのが果たして可能なのか?この大きなイシューの解き方は、成立しにくいのではないかとも感じています。

また、いずれにせよ、日本人起点で物事を考え動いてしまう思考から離れることが一丁目一番地だと考えています。
自分たちがつくったチーム・プロダクトで勝ち切るというwillはありつつも、その難易度は相当なものです。優秀で資本豊かな有名スタートアップですら、躓いているとの報道を目にします。
なので、私たちの領域と親和性のある企業を買収しつつ、自分たちのプロダクトも展開し、徐々に大きくしながらさらに別の国に展開していく、というのは現実的に考えるべきアウトラインだと思っています。

ー それに対して、どのようなことが必要になってくると想定されるでしょうか?

高原:
これはアジア展開に限った話ではありませんが、35億円の資金調達をしてできることは増えたとしても、やり切れるかとはまた別の話です。

これからの事業拡大に必要な優秀なメンバーがまだまだ足りません。そしてそれぞれが能力値を120%出せる環境を経営陣を中心に作っていくこと。それが今回の調達の価値を決めることになるのだろうなと思っています。

ー では、今Micoworksでは、どのような人材を求めているのでしょうか。

山田:
私たちは今、世界に対して価値提供していきたいと考え、社内ルールや報酬もグローバル水準に変えていっています。世界に照準を合わせたチームで挑戦したい、成長したいという方と一緒に走りたいですね。

高原
私もさまざまな会社を支援していますが、Micoworksのマネジメント陣は本当に優秀です。社内イベントや経営会議に参加してみて、2030年のビジョン「Asia No.1 Brand Empowerment Company」を真剣に達成しようと取り組んでいるのだと強く感じました。

山田:
また、私たちが一番大事にしているバリューが「WOW THE CUSTOMER」です。お客様に喜んでいただくというのは当たり前として、成果で還元することが重要であり、基本であるという価値観です。この核となる考え方に共感いただける方に、お力添えいただきたいですね。

最近着任した事業責任者はバリュー実現のために、週末はラーメン屋で働いて顧客理解に努めていたりします。やはりいいプロダクトや成果をつくるためには、どこまでN1(特定の顧客1人)を理解しているか、手触り感を持てるかですよね。

高原:
メンバーそれぞれが自分ごととして事業を見ているからそういう行動に繋がるんでしょうね。Micoworksらしいと感じるエピソードです。

Q&A

ー 質疑応答に移ります。まずはこちらのご質問です。

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Q:
シリーズAからシリーズBへのタイミングで、プロダクトのメイン顧客をエンタープライズ企業にシフトされたと思います。成功の理由はなんでしょうか?
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山田:
3点あると思っています。

まずは品質ですね。プロダクトがエンタープライズ企業の求める品質基準にミートしているか、という点です。たとえば、顧客企業の管理する店が1店舗と100店舗だと管理の複雑さが異なり、求められる機能や質もまったく違うものになります。大規模な利用に耐えうるクオリティのプロダクトは意外と希少です。

2点目はそれを売り切れるセールスの力。これも非常に重要です。

3点目は、フォロー体制の有無ですね。我々の領域だとやはり運用フォローを求められますし、我々は再現性の高い運用効果の出し方を知っているためその後の成果を最大化しやすいです。

これら、プロダクト、セールス、フォローすべてが揃わないと継続して数字をつくるのはかなり難易度が高いですね。我々はこの点で優位にあり、継続率99%以上をずっとキープできました。それがファクトとなって安定感を示せることで良い循環が生まれました。継続してやりきるには少々体力が必要ですが。

高原:
エンタープライズ向けになると求められるケイパビリティがまったく違うので、やり切ることがかなり難しくなってきます。ここでは語られなかった失敗を経て勝ちパターンを会得していったのだろうなと推察しています。逆にそういった経験を山田さんから感じて、それが安心材料にもなっていますね。同じ過ちは繰り返さない、堅牢な状態だろうなと。

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Q:
優秀な人材が揃っていることが成長の鍵とのことですが、採用成功のポイントはどんなところでしょうか?
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山田:
正直、分からないところがあるので当人たちの話を聞かないと、という前提はありますが。
ひとつは、グローバルでの価値提供に挑戦する会社であると明言し、組織体制や働く環境含めてさまざまな点を世界水準にしたことで、自分の力を試したいという方に響いたのではと思っています。

加えて今のMicoworksは、メンバーが総出で採用に圧倒的にコミットしています。志あるメンバーが人を呼び寄せ、優秀な方が続々入社してくるサイクルができている状態ですね。

ー 確かにリファラル採用が活発になっていて、2023年3Qは10名弱の方が入社しています。

山田:
優秀なメンバーが優秀な人を連れてきてくれていますね。

ー たっぷりお話をうかがいましたが、最後にひと言いかがでしょうか。

山田:
我々は本当にまだ挑戦を始めたばかりです。

私含め足りないことだらけの状態で、あらゆる方に支えていただきながら成長を目指していきたいと考えていますので、改めてよろしくお願いいたします。

ー 高原さん、いかがでしょうか。

高原:
率直に、Micoworksはものすごく良い会社だと思っています。

ひいき目なしに、キャリアとしての成長機会に溢れた状態です。少しでも関心がある方は、ぜひカジュアルにお話いただける機会をいただけるとありがたいですね。

山田さんの言う通りアジアNo.1への道はまだまだ道半ばです。ここからの航海をご一緒いただける方が1人でも増えると嬉しいです。

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