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ほんだゆかり「マイクロアートワーケーションの気づき。身近なコト、身近なトコ、いつものヒト」(まとめ)

マイクロアートワーケーションって?

感度の高い友人、Yさんのfacebook投稿に「マイクロアートワーケーション」が紹介されていて、「なに~これ~?おもしろそう!」とコメントしたのがコトのはじまり。Yさん曰く「ほんださん、旅人として応募できるんじゃない?」

え~、自分はディレクターとしてアーティストの人たちと仕事をすることは多いけど、決して「アーティスト」ではない。あえて言うなら、記者業をしていたときに“ネタ”を探してうろうろと歩き回り、「なんだかこっちから匂いがする」と“ネタ”に巡り合うことのできる特技?才能?習性?が、ちょっとだけアーティストっぽいかも。

あるいは、自分の中に取り込んだコト、モノ、トコ、ヒトなどなど、いろんなものをごっちゃに混ぜて、「理解しやすい言葉に変換する」、ことはできるかもしれない。「マイクロアートワーケーション」旅人募集の条件として、「ディレクター」という文字があったことも背中を押してくれて応募してみた。

行き先は静岡県内と決まっていて、自分はこれまで静岡県内を取材して歩く仕事を20年以上やっていたから、正直「どこでもいいよ!」っていう気持ちで、あえて希望は出さなかった。

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館山寺って?

行き先が「館山寺」に決まりホスト企業のRe・lation、中嶋さんと事前の打合せを済ませると実感も湧いてきた。館山寺といえば...いまとなっては廃業しているホテルが、記者たちを招いて新メニューお披露目会を開催したときに、一度だけ行ったことがあったっけ。報道機関に勤務していても、浜松には浜松支局もあるし、日常的にかかわることはない。

館山寺が昔は歓楽街か観光地として栄えていたことは知っているけれど「どんなだっけ?イメージ湧かないな」そんなふうに漠然とした気持ちで、出発日を迎えた。

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Re・lationって?

マイクロアートワーケーションが始まった。

まずは、ホスト団体の(株)Re・lationに集まって、会社概要や企画に参画した経緯などを伺う。不動産を扱う企業として、地域の魅力を高めることで地域の価値を高めたい、そのために企業ではあるけれど「まちづくり」をキーワードとした活動に積極的に取り組んでいるという。

報道をする者として、地域・まちづくり・ひとづくり、過疎、高齢化、空き家、空洞化、いろんな問題点の認識もあるし、現場の人たちに取材したこともある。一時期、こういったソーシャルな課題は「行政やNPOが取り組むべき」風潮があったけれど、継続して取り組むべき問題点は、企業がやるのが適していると思う。利益の出る構造を作っていかなければ、やっていけないからだ。

浜松市・館山寺という地域で、Re・lationのような活動をしている企業があることを、これまでは知らなかった。今回の旅で、こういう会社の存在を知ることができたのが、一番の収穫ではないだろうか。

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オイスカって?

今回のワーケーション活動の目玉のひとつとして、オイスカ高校・オイスカ専門学校の生徒・学生たちとの交流活動があった。
地元の人でも知らなかったので驚いたけれど、こちらの学校は、The Organization for Industrial, Spiritual and Cultural Advancement-International「すべての人々がさまざまな違いを乗り越えて共存し、地球上のあらゆる生命の基盤を守り育てようとする世界」を目指す国際NGOオイスカが母体となっている。

高校生に何を話したら..少し悩んだけれど、報道機関に勤務して、表現を仕事にしてきた自分が心がけてきたこと「情報になるべくたくさん触れる」ことについてお話させてもらった。コロナの影響で、校内なのにオンラインだったのがちょっと残念ではあった。

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専門学校生からは、農業体験としてジャガイモの植えつけと、野菜の収穫、出荷の手伝いなどを教えてもらう。

担当の荻先生が、今年度からサップ(SUP)部の顧問になるお話も興味深かった。そうか! 浜名湖という素材があるから、生徒・学生たちも、そんな体験ができるのだな~。自分も、駿府城(静岡市)のお堀でのサップ体験に始まって、湖や海でサップに乗って経験を積んだからこそ、先生と意気投合できたり、「夏、待ってますよ~」と言ってもらえたり。高校生に話した「情報に触れる(体験を増やす)」ことが、実になって、人生の幅が広がっていくことを再認識できた。

地域って?

もうひとつの目玉、館山寺自治会の方々との対話では、地域の歴史・地理・現状・将来などについてのお話を伺う。これまで、観光や商業のくくりでの団体の方々のお話を聞いたことがあり、それに似てもいるのだけれど。正直な感想は、こうやって「地域」について志を持ち、集まれる人がいることが素晴らしいと感じます。いま、諦め?てしまったり、無関心に暮らす人がとても多いの感じているから。

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そして、7日間を過ごした館山寺周辺の地域については、元々、いいものをたくさん持っていて、これまで、その「いいトコ、いいコト」で得をした時期もあったと思うのです。時代か?価値観か?これまで表現していた「いいトコ、いいコト」の表し方が、合わなくなってギクシャクしているだけで。

自治会の人たちも、Re・lationの人たちも、高校や専門学校の人たちも、将来に向けて「いいトコ、いいコト」の表し方を、再構築しているんだなあ。

そして、「いいトコ、いいコト」は、これまでも、これからもずっと地域に存在し続け、そのことを伝えようと努力するヒトもいる。とてもいい地域だと感じた。

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今回の旅って?


「マイクロアートワーケーション」では、7日間ひとつの地域に滞在し、地域の方々との交流や地域の探索での気づきや感想を、毎日ブログに書くことが求められていた。
「その活動で何が得られるのか」
正直、そんなふうにも考えていた。

ところが、いざ7日間の旅が終ってみると、この7日間の体験のおかげで、自分の中に出来上がった、新しい価値観?があるように思える。これまでまったく感じていなかった「館山寺周辺」に対する親近感がある。
7日間お世話になった宿「KAReN HaMaNaKo かんざんじ荘」がとっても好きになった。今年の夏には、オイスカ高校の荻先生を訪ねて浜名湖でサップをやりたい!!専門学校の学生たちに、ウチの家庭菜園の手伝いに来てほしい!!Re・lationの販売する不思議な丸い住宅?買わないまでも、なんだか皆に知らせたい!!活動に同行してくれた北道さんとも仕事でつながれたらいいなぁ。
地域も人も、つながっていく。ふだん暮らす地域とは別でも、親近感がうまれると、それは身近なコト、身近なトコに変わっていく。知らなかった人も、つきあい方次第では、いつものヒトに変わっていく。
人生は、自分次第だ、と気づかせてくれた旅でした。


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