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MAWって、おもしろい。

こんにちは。龍山未来創造プロジェクトの長谷山大騎です。普段は浜松市天竜区龍山町にて浜松山里いきいき応援隊(地域おこし協力隊)として活動しております。

龍山町の人口は500人です。2014年に最後の学校が閉校し、子育て世代が流出しました。移住促進も難しく、人口減少の一途を辿っております。将来町を支える60歳以上の人材が不足しており、未来の姿を想像することが大変困難です。龍山未来創造プロジェクトは、この状況下において(1) 町の魅力発信 (2) 町の資産を形に残し、繋ぐ (3) 町の楽しさ創出 を軸として龍山の未来を繋ぐことを目的に活動しております。

MAWは前回に続いて、今回で2回目となります。どうして2回目をやろうと思ったかというと、1回目がおもしろかったからです。MAWって、おもしろいんですよ!

2回目も残すは最終日となり、感じたことをつらつらと 思うがままに書いていこうと思います。

■「人もコンテンツ」
龍山町は地域の方でさえ「なにもない」と言う、中山間地域です。人口は500人を切り、平均年齢も70歳、人口の70%が65歳以上の高齢者となっている地域です。そんななか滞在されたアーティストの皆さんは「地域の方と一緒に犬の散歩をする」「床屋さんでお話する」「お寺の住職さんの話を聞く」こういった時間を大変楽しまれている様子でした。なにもない龍山町に存在する数少ない観光地「白倉峡」に、最終日まで訪れることなく1週間も滞在するなんて、ちょっと考えられません。このことを地域の方に話すと「これは信じられないんだよなあ」と(笑)。人もコンテンツ、なんて書き方すると怒られるかもしれませんが、、龍山町、観光地は少ないけれど、外から来てくれた方たちに親切に接してくださるおじいちゃん、おばあちゃんがたくさんいます!

龍山に到着するやいなや地域のサロンへ参加。


■「紡ぐ言葉が素敵」
これはアーティストという人種の方たちの性質なのかどうなのか、日々のnoteにしろ ふと口から出た言葉にしろ、これまで28年間生きてきた私が 触れてこなかった言葉を聞くことができます。個人的にはこれがアーティストの方たちと接するなかでいちばんワクワクすることです。ただ美しいとか新鮮とかいう言葉では片づけたくのない、そのアーティストの方ならではの 積み重ねてきた生き様から生まれてくる言葉。鈴木雄大さんが中古のレンタルエブリイを運転しながら(長谷山の車はガソリンがなくなりそうでしたので急遽お願いしました、、)、「自分にとって芸術とは、自分と外界を接続する媒体であり、それをうまくつなぐ解釈を探し続けている」といったような言葉を口にし(メモしとけばよかった、、)、妙にしっくりきた感覚がありました。なんだかミスチルの歌詞に出てきそうです。

地域の方と料理をしたかった本原さん。


■「名刺代わりに作品を渡す」
今回滞在されたさとうなつみさんは、ご自身が描かれた絵のポストカードを 地域の出会う人出会う人に渡していました。これがとってもわかりやすい!わかりやすいとはどういうことかというと、やはり「アーティスト」「芸術家」というのはなかなか意識しないと触れてこないジャンルの方々であり、地域の方たちも警戒をしそうになります。ところがここで「こういった作品をつくってます」「今回こういうものに興味をもって龍山に来たんです」とポストカードを手渡すと、なるほど!素敵な絵だね! と一気にアーティストの方に興味が湧くんですよね。得体のしれないぼんやりとしていたものの 彩度や画素数がだんだんとがあがってくるイメージでしょうか。さとうさんはたまたま出会った地域の方(O野さん)に地蔵堂の絵のポストカードを手渡したところ、「あなたに見せたいところがある」とそのまま地域を案内してくれたらしいです。それもなんと2 時間も!。それを知った長谷山は、これからもっとO野さんを頼ろうとたくらむのでした。。

たまたま畑作業をしていたS木さんに突撃取材。


■「フリーの時間にこそ価値アリ?」
前回のMAWまで私は「龍山町はなにもないからホスト側がしっかり計画をたてないと、アーティストの皆さんは困ってしまう」と思い、必死で地域の方と会う予定を調整したりなにか目ぼしい行事や集まりごとはないかと探したりしていました。そしてどうしても予定を見つけられなかった「free」の時間帯があると、アーティストの皆さんに申し訳ない気持ちでいたんです。ところが目的を明確に持っているアーティストの皆さんは、フリーの時間に自分がやりたいことができるようでして。本原令子さんは地域のサロン(高齢者の集いのようなもの)で出会った方のお宅に突然お邪魔したり(1年半龍山町にいる長谷山は行ったことがない)、それこそ犬の散歩の約束をとりつけたり(1年半龍山町にいる以下略)、とても有意義に過ごされたようでした。行動力、コミュニケーション力がすごい。もちろん滞在されるアーティストの方にもよるでしょうけど、こうしてフリーの時間を設けても大丈夫、というのはこれから先アーティストインレジデンス事業に取り組んでいきたい私たちにとって大きな収穫でした。

白倉峡の岩場をひょいひょいと進むさとうさん。

以上となります。最近は地域の方たちに「芸術家連れてきたよ(地域の方たちには”アーティスト”ではなく“芸術家”と言うようにしています)」と伝えると、「ああ、前来てくれてたよね」「こないだの人とは違う人?」「また暇な人が来たなあ(←長谷山に言ってます)」とちゃんとリアクションしてくださるようになりました。こうしたアーティストという 龍山町に新しい風を吹き込んでくれる方たちに慣れ、受け入れる土壌のようなものがだんだんと出来上がってきているのかな なんて思っております。浸透。これがとてもうれしいです。アーティストの皆さん、龍山、いいところですよ(^^)

龍山町出身の木こりさんにレクチャーしていただき、実際に木を伐採する雄大さん。


長文失礼いたしました。今回お越しいただきました 鈴木雄大さん、本原令子さん、さとうなつみさん、どうもありがとうございます。また龍山町にお越しいただけると幸いでございます。

龍山未来創造プロジェクト/浜松市山里いきいき応援隊 長谷山