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富士山文化ハウス「2年目のMAW総括は旅のはじまり」

今回の反省点

静岡県御殿場市のMAWが11/9に終了しました。富士山文化ハウスの森岡まこぱです。

今回、みなさんの旅日記にやたらと出てきたイヌのさんかくの飼い主です。
ホストメンバーからのリクエストで期間中は一緒に連れてきていたのですが、ことあるごとにみなさん遊んでくださり、「うちのイヌが旅の邪魔をしているのでは…」と思うほどでした。

ホスト2年目の醍醐味

富士山文化ハウスは昨年度のMAWに参加し、2021年の11月と2022年3月の2回に渡り、4名のアーティスト受け入れました。

今年は二度目ということもあり、今回はちょっと余裕をもって全体を俯瞰して見ることができたんじゃないかなって思います。

初日のウェルカムパーティーでは互いに初対面で緊張の面持ちだった3人も、いつしかバランスのとれたユニットみたいな関係性に変わり、マンテンゲストハウスになじんでいく様子は見ていて可笑しかったです。

富士山文化ハウスを選択するアーティストには特徴があって、旅、とくにゲストハウスが好きという方が多いようです。そして、求めていることが御殿場という場の魅力というよりも、コミュニティ形成だったり、地元住民の暮らしだったり、みなさんの興味が人そのものにあるように感じます。
(ジャンルがまちづくりではないという理由で選んだ方もいました)

そういう背景もあって、こちらから働きかけなくても、旅人はそれぞれ目的地を決めてサクサク行動していました。みんなコミュニケーション能力も高いので、「え、そんなところ行ったの?」と驚くこともしばしば。
地元住民が距離を取りがちな怪しげなお店へ行って、私たちの知らない情報を教えてくれたりもします。

あと、「初めまして」からすべての交流がはじまるため、アーティストと友人の会話を聴きながら、彼らの生い立ちや地域、活動に対する思いをあらためて聞くことができ、地域や友人への理解を深めることができました。

アーティスト3人とホストメンバー、友人、たまたま御殿場にいた人など
入り混じって焚き火を囲みました。


旅ははじまったばかり

滞在最終日に、地元コミュニティFM「富士山GOGO FM」に櫻井さん、安里さん、美音子さんが3人揃って出演しました。
私はラジオ局へ向かう車内で聞いていたのですが、ごく当然のように安里さんが次回の来訪について話していました。

その後、美音子さんは、友人のかずさんの家でランチしながら来年のアークラ大サーカスのボランティア参加について話していたし、年末にあるアウトレットスタッフとクラフト作家のフリーマーケットにも興味津々でした。

櫻井さんは、14日にマンテンゲストハウスで開催されるとある団体の交流会に参加すると言ってますし、アークラ大サーカスの打ち上げについて現在も連絡をとっています。

今回、軽い気持ちで昨年度のMAWアーティストをイベントに誘ってみたところ、4名全員が参加(一人はオンライン)してくださり、それもホストとしての自信につながりました。

11/3のウェルカムパーティーには昨年度11月に参加した澤田守秀さんが参加し、到着したばかりの初々しい3人へ旅の助言をいただきました。

11/9のフェアウェルパーティーでは、台湾に里帰り中のエリ リャオさんに乾杯の音頭をとってもらい、
Aki Iwayaさんは友達を連れて参加してくれました。そうそう、今回のゲストの安里槙さんはAkiさんの友人で、彼のnoteを読んで富士山文化ハウスに興味を持ち、MAWに応募してくれたらしいです。

そして、フェアウェルパーティーに参加した後、マンテンゲストハウスの宿泊し、ゆったりと最後までくつろいでいたのが鮫島弓起雄さん。

前回、前々回のMAWも最終日も「これで終わりじゃない」と感じましたが、それは正しかったようです。

「あの時話していたこと、どうなりました?」そんな会話ができることが、何よりうれしくて、
ホストメンバーの誰かが「これからもMAWに参加して、毎年MAW同窓会しようよ!」と話していた通り、年を重ねても繰り返し交流できる関係性を築いていきたいと思います。

昨年のMAWアーティストも来場したフェアウェルパーティー
(エリ リャオさんは台湾からオンラインで参加)

MAWホストになりたいと思っている方へ

もし、来年MAWのホストになってみたいと思う人がこの投稿と読んでいたら…

”アーティスト=すごいひと”みたいに構えちゃうと、ちょっと損かもしれません。彼らはアーティストの前に"人”なので、「へー、そんな視点もあるんだー」くらいがちょうどいいと思います。

私たち富士山文化ハウスは基本的に受け身で、会話する中でアーティストが「ここへ行きたい」、「こういう人に会いたい」と言われた時に、ついでに立ち寄れる場所だったり、この人に聞いてみれば?と提案していました。
必要であれば送迎もしましたが、今回はなるべく控えました。というのも、移動中の景色や匂い、温度、距離感も彼らの体験だと感じたからです。車送迎だと点と点でしかないですが、自転車や徒歩だと線としてつながっていき、御殿場の街の輪郭がよりはっきりすると思ったからです。

あと、とくに狙っているわけではないのですが…アーティストを私たちの日常生活に巻き込んでいくのが富士山文化ハウスの特徴でしょうか。
私が主催するネット配信の準備にアーティストを連れ回したり(今年の3月)、アークラ大サーカスのボランティア、勝呂さんが請け負っている内装工事の手伝いなど。
アーティストであろうと労働力としてカウントします(苦笑)。

ホストメンバーの勝呂さんがアーティスト3人を自分の内装工事のお手伝いを依頼。
約1時間半、本棚を磨いてくださいました

アーティストはもともと好奇心センサーの感度がすごいので、私たちにとっての日常からも”おもしろい”をどんどん発見します。だから、アーティストが納得するようなすごい場所・人を紹介しようと気負う必要はないと思います。
移動中に見かけた店や景色からもいろんなインスピレーションを受け、それを吸収しているのを感じます。

彼らと話をするなかで、私たちの日常に変化や新たな視座を生み出してくれるので「こんなこと言ったら失礼かな?変かな?」と思わずに対話することで得られることがたくさんあります。

芽吹いた種

最後に、マンテンゲストハウスで鮫島さんと話していた時のやりとりを。

鮫島「着工前のGotemba Apartment storeの床にガス管が張り巡らされていて、おもしろい造形だなって思ってたんですけど、今度そのイメージをもとにした作品をつくろうと思うんですよ」

体験が形になるまで、ひとそれぞれの熟成期間があると思います。アーティストならなおさら。
でも確実にMAWの1週間は彼らの血となり、肉となり、いろんな変換を繰り返しながらアウトプットされていく。その一助として関われること、それがホストの喜びなんだと実感しました。

森岡「御殿場のエッセンスでもいいので、そういう作品が完成したらぜひ教えてくださいね!」

今回のMAWを通して、こちらが魅力的なことをしていれば彼らはまた訪れてくれると確証を得ました。
彼らとの関係性はMAW1回限りで切れるものではないと思えるからこそ、私たちホストメンバーとアーティストのこれからが楽しみでしかたありません。