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西本春佳「キラキラな海を楽しむ(3日目)」

昨晩はかなり冷えた為か、朝もヒンヤリと寒く感じた。まだまだ布団の中にいたい気持ちは山々だが、朝食の時間もあったので、素早く身支度を整える。

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そのまま下の食事場所にでも降りようかと思ったら、宿の人が部屋までご飯を持って来てくれた。これはもしや、人生で初めての部屋食かもしれない。そんな風に思いながらも想像以上に豪華な朝ごはんを楽しむ。普段は沢山朝ごはんを食べない人間の為、これだけの量のご飯に感激する。しかもヨーグルト、おくら、ジャコと大根おろし、味噌汁に煮付け、卵料理とサラダまであると、ほぼある程度の栄養バランスは揃っているのではないか?と感じて、味わう前に目で色々と観察してしまった。

素敵な朝食を頂いてからは、宿を出て、レンタサイクルを借りに休暇村に向かう。昨日とは打って変わって快晴の天気で、ウインドブレーカーの中に仕込んだウルトラライトダウンは早々にカバンの中へと仕舞うことになった。

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休暇村の目の前にある弓ヶ浜。弓のようにしなった形から名付けられた場所だが、地上から見てもしなった形状がよく分かる。ザザ―と言う波の音は私にとって物珍しくて、ワクワクする。

そんな弓ヶ浜から自転車に乗って南伊豆アロエセンターへと向かう。昨日、ホストのイッテツさんからも晴れた時の海を見た方が良いと言われていた為、より期待が高まる。

海辺に沿って自転車を走行していると、光が反射して水面がキラキラした様子の海が見えた。

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一面に広がる海がすごく綺麗で、思わず「おお~」とか「わーい」なんて言いながら自転車をこいだ。そうこうしているうちに、目的地の南伊豆アロエセンターに到着した。

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平日の午前中だからなのか、人はおらず職員さんと少し会話をしながらアロエほうじ茶を頂く。そのままアロエが沢山栽培されている温室を見学させてもらう。

見ていても圧倒されるほどのアロエの量。熱帯の植物だからなのか、数が集まるとよりカオス感が生まれているように思う。

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こちらは温室の外にあったアロエたち。見渡す限り斜面にアロエが生えており、圧倒される。

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そして、アロエセンターという名前だけあり、しっかりとキダチアロエの効能まで看板に書いてある。

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キダチアロエと聞くと、お肌に良いイメージが強かったが、内用としての効能も高いのだなぁ…と感じ、アロエセンターではしっかりアロエの乾燥葉を購入した。この乾燥葉でチンキも浸出油もお茶も楽しみたい。

私は普段、ハーブ園で仕事をしている。その中ではまだまだ自分のハーブ愛は高くないと感じていたし、植物が好きかどうかもそんなに分からないと思っていた。しかし、南伊豆アロエセンターでは、自分が思っていた以上にワクワクしてしまったし、しっかり買い物もアロエソフトまで食べてしまった。そんな自分の様子を振り返って、たぶん私って植物が好きなんじゃないかな?と思うことが出来た。

昼食はダイニングいけだでランチ。

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オーナーが関西出身の方だと後で分かり、南伊豆町の話や関西の方言についての話で盛り上がる。昨日はたまさんに「あんまり訛りがないねぇ」と言われたが、やはり関西の話や関西の人と話していると自然と自分が関西の言葉を話していることが分かる。

その後は自転車を返却し、宿に戻る。その道中に、地元のおじさんに話しかけられる。その人は無農薬で野菜を育てているらしく「味が違うんだよ~」と誇らしげに語った。あそこの(宿の名前)って所でやってるから、今度遊びに来た時はうちに泊まりな!と最後に言われる。こうやって地元の人に話しかけられるのは嬉しい反面、閑散期だからこその必死さがあるのかもしれない。

日が落ちる前にはみなと湯さんの温泉に浸かる

塩分を含んだ温泉の為、お湯に浸かった後はシャワーでしっかり流すと良いよ、と番頭さんに教えてもらう。お湯に浸かって、みなと湯を後にする時に「お湯加減どうだった?」「髪、可愛いね!(私がピンクのインナーカラーを入れている為)」と言ってもらい、嬉しいなぁと思う反面、「また来てね!」という言葉に全ての行動の要因が含まれているように思った。

別にそれが悪いって問題でもない。
立場や役割によって人を形成していることがあるように、その立場によってコミュニケーションを取ったり、取る必要がないと判断する事もある。それを取っ払って人と人のコミュニケーションを求めるのは、少々野暮な感覚もあり、しかし違和感もあり、何だかなぁ…とモヤモヤしながら宿のお風呂に入る。

立場や役職におけるコミュニケーションの問題について、誰か社会学者で研究した人はいないのかなぁ?悶々と考えながら、