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榎本浩子「桜のある庭から」(滞在まとめ)

河津での滞在からしばらくたち、群馬に戻り、今はまた福島の滞在制作に戻りました。
河津滞在中の暑さがうそのように、福島の山の中は涼しいを通り越して寒いです。
群馬ではまだ暑かったので、持ってきた服を間違えました。

河津は海と山、どちらも楽しめる土地でした。
海のない場所で育っているものとしては、海との生活はなじみがなく、
ホストの古川さんから聞いた話では、
町の放送で魚をとっていい日がランダムで流れるそうなのですが、
その放送が流れると町の人たちは海に行って魚をとりに行くんだとか。
なんとも楽しそうな日々。

このところ、いろんな場所で滞在して制作をしたり、
展覧会のために遠方に滞在することもあり、
土地のこと、人や草花、土、建物、気候、歴史を実際に歩いて目で見て、
この土地はこういう場所なんだな、とやっとわかる。
当たり前だけど行ってみないとわからない。
河津も来る前は、きれいな海があるからいつも賑わっている観光地なんだろうな。とか勝手に思ったりしていましたが、来てみたら静かで落ち着いた場所でした。
河津桜が咲く頃はすごく賑わうので、地元の方は極端な場所とも言っていた。

印象深いところはたくさんありました。
日々のnoteにも綴っているので省略しますが、近年では作品制作のために、家の庭を巡り、どんな植物があるのか、庭や植えたものの思い出を聞いて回っていて、今現在、福島県の葛尾村でもそのリサーチをしています。
なんと明日9月30日からその成果報告展があるのですが、
準備、間に合うのか?というところでこのまとめを書いています。汗

と、話を戻して、
河津では一週間の滞在だったので町の人と深く交流したり、お庭を巡る。ということはできませんでしたが、伊豆バラ園さんや、ブラシカファームさんの農園を見せてもらい素敵なお話も聞けたので、今後何らかのかたちになれば、と思っています。

民家の庭にあった河津桜の原木。
私の地元の市民公園にも河津桜がたくさん植えられていて、
2月になると毎年、濃いピンクの花が咲き誇っています。
そのとき一緒に暮らしていた犬のチャイちゃんの散歩で、特に河津桜の開花の時期は公園に桜を見に行っていました。

チャイちゃんが3歳のころ、悪性リンパ腫になり、
抗がん剤などつらい治療の後、亡くなりました。
悲しみと、つらい治療をさせてしまった後悔は今でも残っています。
チャイちゃんがいなくなってから、その公園には行かなくなり、
満開の河津桜を見ることもなくなりました。
しばらくは河津桜を見ると、きれいと思う前にチャイちゃんのつらそうな
様子を思い出してしまい、悲しくなっていました。

チャイちゃんとの思い出の河津桜も、
この河津町のひとつの家のお庭から増えていったんだなと。
感慨深い思いでした。
亡くなったのはもう何年も前で、
河津町の明るさのおかげもあり、今ではつらい思い出ではなく、
公園で元気に走り回るチャイちゃんの思い出となりました。


最後に、このような機会をくださったみなさま、
ホストの和田さん、古川さん、旅人のみなさん、お話を聞かせてくださった町のみなさま、ありがとうございました。
みなさんと、海と山、温泉、わさび、バラに癒された旅でした。
他にも書きたいとはたくさんありますが、
とにかくまた河津、遊びに行きます!

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