見出し画像

ささのはちろう 駿東郡小山町(滞在まとめ)

<小山町の印象>
 今回のワーケーションで拠点となっていた「旧川口屋」周辺を歩いてみると、山、川、商店街、役場、神社、鉄道、少し離れて工場、高速道路が見えます。ふと、思い浮かんだのは50年以上前、小学校の社会科の教科書に載っていた「わたしたちの町」の絵地図でした。それは、架空だが典型的な日本の町でした。いろいろな社会施設や自然がコンパクトにまとめられていて、子供たちに「地域社会」という概念を伝えようとしていたのでしょうか?
小山町HPに掲載されている小山町の歴史にも目を通してみました。ここは小山町という固有の場所でありながら、同時にどこにも通じる普遍的な場所という印象を持ちました。
 かなり年配の旅人である私は、あらためて小学生のような気持ちで社会を捉えなおすとても良い機会をいただいたと感謝しています。

<アートウォークおやま2023>
 滞在期間中の大きなイベントが「アートウォークおやま2023」でした。当日、通りにはハロウィンの装飾がなされ、かわいく仮装した子供たちがだんだんと増えてきました。公園や空き地、普段使われていない店舗等もお店やイベント会場となっていました。西洋起源のハロウィンの本来的な意味はともかく、子供たちが主役となって多様な大人たちが彼らをもてなすという仕組みは、なかなか良いものです。そして、都会だとどうしてもコマーシャルな感じになりがちなイベントが、この地ならではの、町の人たちの手作りによって運営されていることで心地良さを生み出していました。仮装した小さな子供たちと対照的に、学校のジャージ姿でスタッフとして活動する中高生にも敬意を持ちました。役場の方からはもう少し「アート」という面からのアプローチも考えたいとのお話を伺いました。継続することでさらに面白いイベントになっていくのではないかと思います。

<期待そして感謝>
 MAW報告会にあたって、ホストの横山さんから「今後どんな場所があったらいいと思うか?」との質問をいただきました。今回拠点として使わせてもらった場所は、横山さんたちが築90年の古い店舗を素敵にリノベーションして完成間近という建物でした。出来上がっていないことで、訪れる方たちの期待の声を聴くことができました。子供からお年寄りまでふらりと立ち寄れる場所。一度都会へ出た若者たちも時々帰って来ては、それぞれの知識・経験・興味などを試せる場所。遠くからもアーティストに限らず興味を持った方がやってきて、しばらく居られるような場所。完成した場所というより、関わる人たちで作り続けるプロジェクト的な場所。と、夢は膨らみ、私もぜひまた、そこに立ち寄ってみたいと思います。
 忙しい中、いろいろな企画をし、たくさんの人に出会わせてくださった横山さん、町の皆さん、アーツカウンシルの皆さん、他ではできない体験をさせていただき、ほんとうにありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?