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大平由香理 小山町 滞在まとめ

MAWでの旅人としての1週間が終わりました。
これまで自分の制作の出発点は風景との出会いです。主に自分が出会った風景を題材に描いてきて、その中でも山を多く描いてきました。これまで富士山を多く描いてきたこともあり、富士山を身近に感じる生活を体感したくMAWに参加させていただきました。改めて昔から多くの人を引きつける富士山について考える1週間となりました。

日本各地で「~ふじ」と呼ばれている山は300以上あると言われているそうです。富士山は日本人が好きな山で、日本の象徴でもあるように思います。これほどまでに多くの人に親しまれている理由を改めて考えてみると、あたりに他の山がなく、ひとつだけくっきりそびえた高い山であること、
なだらかに広がった裾のとともに人々の心を晴れやかにし、そして時にはげますような大きな山であること、
つりあいのとれた綺麗な形と朝夕、四季の光や色に映える姿の美しい唯一無二の山であるからだと思います。

これまで正直なところ名前をきいたことがなく、位置関係も地理もわからない小山町が近くなるにつれ、富士山の写真や台形をモチーフにしたありとあらゆるグッズ達が増えていき、富士山の元に向かっているんだという実感がわいてきました。滞在中は常に富士山の存在を近くに感じながらも近くにいるからと言って当たり前のように毎日同じ風景がみえるわけではなく、天候によって1日の中でも常に見え方に変化があり、近くて遠い存在のようでありながら、どこか姿形は見えなくても大きな存在に見守られているような安心感がありました。滞在中は基本的に天候に恵まれ、晴天が続いていましたが滞在序盤は晴天といえども富士山の全貌をみることができませんでしたが、終盤になるにつれ徐々に富士山が姿を現し始め、全貌がみえた嬉しさはひとしおでした。富士山を身近に感じたこの1週間の経験を後に作品化したいと思っています。

小山町は足柄駅に隈研吾建築都市設計事務所が設計した駅前交流センターもあり、最終日にお話しをさせていただいた行政の方々とのお話しでアートとも親和性がある町なのだと知りました。
滞在中に開催されていた町のハロウィンイベントはとても温かみがあるイベントで私も町民になった気分でイベントに参加させてもらいました。
これまで様々な土地で滞在制作をさせていただいてきましたが、どこの場所へいっても結局は「誰が」するかということが一番重要なことのように思います。町のイベントの盛り上がりも大切にしつつ、どのように関わることができるかということを模索しながら1週間を終えました。
MAWの1週間という期間では土地のことを深く知ることはできないと思いますが、新鮮な気持ちと視点を持ち続けながら滞在をさせていただきました。
新しく生まれたばかりのホストである横山さんの拠点が今後どのように動いていくのか、個人としてなにか関われることがあればなにかできればと思います。
短い間でしたが滞在中にお世話になったみなさん、ありがとうございました!

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