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大学・大学院における授業料免除について

著者の略歴編

まず、この文章を書く目的についてご説明したい。
それは、授業料免除という制度の認知向上と、筆者が思う社会の理想のあり方について議論することである。授業料免除という制度を積極的に利用する人が増え、若者らの夢を叶える一助になれれば幸いである。
後者に関しては、随分と偏った考え方をしている可能性が多分にあるので参考程度としていただきたい。


筆者の略歴

私は、現在東京大学大学院の工学系研究科に所属している。学部時代は、運動会アメリカンフットボール部に所属していた。幸運にも、大学と大学院の計6年間授業料免除、大学院の入学金半額免除を賜った。

苦しかった中高時代

幸運にも、中高は都内の私立中高一貫校に通わせていただいた。中学受験時代には某塾にも通っていた。この学費はきっと、貯金やら祖母の生前の蓄えやらからなんとか捻出していたのだと思う。妹は、無償化の制度?を利用してほとんどタダで私立中高に通っていた。
親とあまり深くまで踏み込んだ話をしたことがないため、なぜこんなに恵まれた中高に通えたのかは聞けていない。ただ、親が節約に励んだ結果であることは間違いない。
大学受験のためには予備校などに一切通ってないし、わずかなお小遣いの中から参考書代を捻出していた。サッカー部に所属しており、練習グラウンドへの行き来はなるべく自転車を、週末の他校での練習試合には最安になる工夫をしながら行っていた。お小遣いは全てが交通費に消えるため、買い食い飲みはなし、外食はもってのほかであった。20kmほど離れたグラウンドでの練習試合に自転車で行った際はパンを1つ買ったのみだった。
節約の方向性を間違えていると今思えば思うが、当時はお金を使わないようにするのに必死だった。みんなが当たり前に享受している幸せを体験できないことが苦しかった。

部活動に全力投球時代

東京大学に進学後、半年間はサークル代や部活動費が捻出できない懸念があり、バイトだけのサークル無所属状態が続いた。この半年間は本当に虚無であった。ただ授業を受けて課題をやる日々。学問に多少の興味を持っていたものの、中高時代の反動か遊びたい欲が大きかった私は、学問に没頭する訳でもなくかと言って誰かと遊びに行く訳でもない日々を送っていた。思ったより大学というものは、空き時間が多い。よくコミュ力や社会を勉強する場などと言うが、その通りだと思う。
この半年間があったからこそ、自分はアクティブに動いていないといけない性格だと分かった。小学生時代の知り合いからアメフト部に誘われ、部費は高かったものの入部を即決した。私が入部する2年ほど前にチームの体制が変わり、部費の無利子滞納が可能になったりバイト斡旋などが行われたりして、苦学生に対しての環境整備が整い始めていた。
大学の4年間は学問と部活動の両立に励んだ。進振りの際は、散々悩んだ挙句に領域横断的に様々な分野を学べる学科に進学。4年間ずっとバイトを継続し、部費を滞納することなく自分で払い続けた。早朝や深夜のバイトに入ることも多々あったが、実は自分だけではなく周りの何人かも同じようなことをしていたことを知っていたからこそ、続けられていた。
結局、部活動ではチームとしても個人としても大した結果を残せず引退することになったが、無理をしてでも飛び込んでみて良かったと思える4年間であった。これも学費免除がなかったら、相当厳しかったと思う。。

格差を感じた大学院時代

大学院時代は、自分自身の人生を見つめ方向性を決めたい、決められた方向を歩むだけでなく、様々な経験もしたいと考えていた。

格差を感じるのは、自由な時間が多く与えられた時だ。お金持ちは成功までの最短経路を努力することができる。大学近くの家に一人暮らしをし、勉強や研究に打ち込むことができる。留学や旅行に行くことだってできる。一部には、半年で50万円ほどの無利子奨学金を借りている人もいたが。筆者も修士2年次後期には利用させてもらった。ただほとんどの収入はバイトからだった。4つのバイトを掛け持ちし、日々の交際費や旅行代などを稼いでいた。
自分は全く格差を言い訳にしたくなかった。だから、社会人でのアメフトも続けたし、研究も成果を出そうと奮闘したし、新しい知識を手に入れようと多くの本やメディアを漁ったし、短期留学にも行ったし、長期インターンも経験した。ただその一方で、お金があるからこそ生まれる時間的余裕が羨ましかった。いくらその差を埋めようと努力したところで、ほとんど縮めることができなかった。むしろ開いてさえいるように思える。
1番悔しいのは、そういう他人を意識する余りに自分のやりたいことや、自分らしさを失ってしまっているように感じる時だ。このNoteでは、授業料免除について解説するつもりで書き始めたし、制度の認知向上に携われたらいいと思う。けど、それはあくまで制度であって自己実現のための手段でしかない。これから利用される若い方々は、ぜひ自分の夢を大事にされて欲しい。

と、こんなに妬みを書いても、自分自身もまた恵まれたものだという自覚を得る。中学受験していたり、小さい頃から勉強できる環境が整っていたなど。。でも、批判や妬みは一瞬にして欲しい。ぜひこれからご紹介する授業料免除という仕組みを知って、人生をより良いものにしていただきたい。




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