【各論】IBDと検査~汎用される検査項目~ 2(臓器別)

 そふぁーです。最近肋骨を折りまして、ちょっと note の更新が止まっておりました。生きているだけで肋骨が折れるというのは、本当に悲しみが深いですが、少し落ち着いたように思いますので書いていきます。

前回は↓

2.膵臓

 2-1. アミラーゼ

 アミラーゼはデンプンなどの多糖類を加水分解する消化酵素の1つで、主に唾液腺と膵臓に存在します。また、腎臓で代謝されるため、以上3つの臓器に問題がある場合に上昇します。
<ポイント>
 ・様々な疾患で上昇する
 ・アミラーゼだけで膵炎と判断することはできない
 ・慢性膵炎では血清ではなく、尿中のアミラーゼを見ることがある
<IBDとの関連>
 ・IBD は薬剤の副作用や合併症で膵炎を併発することがあります。心窩部痛(鳩尾付近の痛み)がある場合は、腸ではない部位であってもきちんと主治医に伝えるようにしましょう。

3.肝臓

 肝臓をみる際に利用する検査のうち、AST、ALT(旧GOT, GPT)や LDH, ALP, γ-GTP, ChE は前回記載しました。

 3-1. Total-Bil

 Bil(ビリルビン)は使い古された赤血球の色素が、膵臓で代謝されることによって生じます。その後、肝臓でグルクロン酸転移酵素 UGT1A1 によって D-Bil になり、胆汁の中に捨てられます。この経路のどこかで異常があると、血液の中に Bil が増加し、黄疸が出ます。
<ポイント>
 ・ビリルビンの上昇は、①溶血 ②肝細胞障害 ③胆管系閉塞 の3つに大別可能
 ・間接多ければ①、両者増加なら②、直接が多ければ③ を疑う
<IBDとの関連>
 ・IBD は薬剤の副作用や合併症で肝炎、胆管炎を併発することがあります。黄疸などがある場合は、早急に受診するのが適切です。




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