SHIBAMATA FU-TENはリノベーションだからこその昭和建築を活かした遊び心あふれる宿泊施設
旅行好き&商業建築好きなので、noteに行ったホテルやカフェ、ショッピングセンターなどの紹介を文章と写真で書き綴っています。
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SHIBAMATA FU-TEN BED&LOCAL ってどんなとこ?
柴又FU-TENは柴又駅から徒歩8分くらいのところにあります。
川沿いの桜並木の通りの横にあります。泊まった日は4月上旬で朗らかな日だったので、桜がとてもきれいでした。
もともとは柴又区の職員の寮舎だったのようだが、遊休不動産になって、使われていなかったところを改修してホテルにしたみたいです。
こういうの大好きなんですよね、私。
ちゃんと前身を残して伝えるところがとっても献身的で素敵だなって。
外観はこんな感じ。ちなみにスタッフさんにお願いすると、自転車貸してくれます。
遊びに来る前には、「柴又って、そんな宿泊施設が必要な観光地だったけ?需要ある?」と思ってたんですが、京成線って、そういえば成田から直接来れるのと、実は人気の観光スポット上野に1本で行けるんですね。
道理で欧米系のバックパッカーさんが多いわけです。
なるほどね。
私が泊まった日はスペイン語を話している若いカップル、英語圏のカップルと、あまりアジア人は見かけませんでした。
暖簾をくぐると、宿舎という面影を残した愛くるしいホステルでした
入り口は建物正面の壁の真後ろにあります。
入るとこんな暖簾が。
か、かわいい。
ところで、何度か登場しているこのお月さまのような、池のような黄色の円形のモチーフ。なんだかわかりますか?
寅さんの帽子なんですって。
この日いっしょに遊びに行った友人が気づいたんですが、私は全く気づかなかったです。私、てっきり月だと思ってました。
入って正面。簡単なフロアマップがあります。
右手が受付で、毛布とかアメニティとかスタッフさんにいうと対応してくれます。私たちが泊まったときは、とっても気さくでいい人でした。
建物そのものボリュームあるように見えますが、実は中心が吹き抜けになっていて採光があって、中はとっても明るいです。
あと、左手にはお庭があるんです。しかも、桜の木があって、近所の猫が遊びに来るお庭です。少し広めの縁側もあるので、ここで線香花火とかできたら最高すぎますね。
なんだろう。柴又FUTEN、元職員寮だったというのに、ちょっと子供心がくすぐられるものがあるんです。
日本最高な広くて快適な共同キッチン&共用スペース
かなり広めなゆったり共用スペース。夜ご飯は奥のキッチンで、うどんを茹でて食べました。
キッチン側の内壁にブロック塀使ってるのわかりますか?ちょっとあの透け具合、可愛すぎません?
あと、ここは「もともと水まわりだったのかな?」というタイル貼り&変な位置に小窓が。この一角は、今は共用スペースになっています。プロジェクタでそのタイル壁に投影して64もできます。
壁壊したあとあるから、女性と男性のシャワブースだったのかな、なんて想像できちゃう。
キッチンもどんっと広いです。
海外でバックパック旅行したことある人はわかると思うのですが、この広さのキッチンはなかなかないです。そして、さすが水回り大国日本。
めっちゃ、くっっちゃに、きれい。
はじめてのバックパック旅行を南米でペルーだった私からすると、もう何この天国キッチンです。
ここにある備品は自由に使ってOK。使ったら、みんな洗ってちゃんとしまってるようで、全然散らかってませんでした。冷蔵庫も共用です。名前札もちゃんと用意してありました。
あと、みんなからの提供品も充実。滞在者が書き込むことができるメニューブックもありました。日本語だけじゃなくて、タコスやガパオの作り方も書いてあって国籍豊かでした。(英語だからかろうじて読めました)
白だし地味に減ってるし、使われる率高いのかな?
職員寮感の残しつつ、なんだか愛される共用部
そうそう、柴又FU-TENは4階建てなんですが、エレベーターはありません。
でも階段も、階段の案内表記もかわいいから許せます。
宿舎なだけあって廊下もとってもシンプル。
つ一つの部屋に漢数字で部屋番号が書いてあります。
4畳半体験。超質素な部屋に、謎の感動
扉を開けるとこんな4畳半の部屋のみ。作業スペースが手前に少しだけ。ここまでなにもないと、質素なんだけど、逆にありな気がしてくる。
コンパクトでいいね。なんて言えちゃう謎の感動を感じます。
私たちは和部屋を選んだのだけど、ベッドの部屋もあるみたい。けど、多分和室で畳でこその4畳半だと思う。
正直言って、寝るのにはこれだけのスペースあれば十分です。なんか一人暮らしの友達んちに遊びに来たみたい。
なので、部屋に関しては特筆することがありません。へへへ。
この日はここに2人で泊まりました。
トイレや洗面は共用です。多分、宿舎時代から部屋には水回りがなかっただろうなって。まさにホテルにリノベーションするためのような建物だったんだね。
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あ、そうそう。個人的にこのスペースがすごく気に入りました。ここで作業することを見越して壁にコンセントがあるのがとっても助かりました。
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施設コンセプトは「旅の道中が楽しくなる宿」
雨の切る音、せんべいの焼く匂い。どこか懐かしいような下町が残る柴又。懐かしくも新しい発見のある町、柴又の魅力に触れられる宿として皆様をお迎えいたします。
公式サイトはかなり充実しています。部屋の様子がちゃんと伝わる写真、施設共用部がわかる動画。
共用の水回り、別に嫌じゃないけど、やっぱり清潔感の有無は大事で、一緒に相手にこのホテルを提案するかしないかを決めるのポイントかも。
イベントも不定期にやっているよう。イベントをする施設のスタッフさんは気さくだったり細やかな気遣いをしてくれる印象があるので、直近でやっていなくても、季節ごとになにかしらしていると「イベント好きな施設なんだな」って。
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また、アーティストルームもやっています(私たちは、普通の部屋にしました)
アーティストルームというのは、柴又をもっと多世代が集まる場所へするために、一部の部屋を14人のアーティストに装飾してもらった部屋のこと。おしゃれ。
どうやらクラウドファンディングもやってたみたい。
なぜアーティストルームを企画したのか、柴又FU-TENをどんな施設にしたいかなどのインタビューも詳しく記載されている記事でした。
遊休不動産を活用する企業R.Project
柴又FUTENの企画会社を調べたら、R.Projectという会社でした。一時期、リノベーションとホテル経営を軸に企業研究してるときに見ていた企業さんでびっくり。
遊休不動産、特に公共事業で建てられた施設を中心にリノベーションをして「合宿事業」を中心に運営を行っている会社です。
固定概念にとらわれず
日本が本来持つポテンシャルを発揮する
を理念に掲げて、合宿の需要と供給を事業にしているそう。
千葉とかの箱があるところのホテルが多い印象でしたが、行きたいと思っている渋谷「TURNTABLE」や馬喰横山「IRORI」もR.Projectなんだと知ってびっくり。
ところで、柴又ってどんなとこ?
「柴又って聞いたことあるけどよく知らないな」「寅さんの舞台の町なのは知ってるけど」と、実際に訪れたことない人も多いかも。
東東京、というと少しかっこいいけど、実際は千葉松戸市のお隣です。
日暮里とか小岩の近くで、荒川と江戸川に挟まれた地域。成田空港から京成高砂まででて、すぐ隣駅で柴又も観光地なので、私が旅行者だったら「穴場っぽい!」と思って泊まる気がします。
柴又は、利便性と観光を兼ね備えて、とてもコンパクトな町だ。
京成線の駅を降りて、しばらく歩くと参道になり、ずらずらっと仲見世に商店が並ぶ。
他愛もない会話をしながら歩いているとふと気づくと、弁天様にたどり着いてしまう。そんな距離。
1時間もあれば散策し終えてしまう。
和菓子の名店や寅さん博物館があったり、本当にのどかな町だった。おじいちゃんおばあちゃんがのんびり散歩して、観光客もがつがつしてない気がする。のんびりとした雰囲気に流されて、ぼーっと空気感を楽しんでいるようでした。
春だったから、かもしれないけど。
もしちょっと非日常な小旅行におすすめするとしたら、柴又FUTENはいいところかもな。なんて思ったり。
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