セブンス・フォーチュン 解説 part3 (完)
セブンス・フォーチュン ― 超絶脱衣麻雀 外伝 ―
【第3話 7の覚】
※ネタバレ注意
対局の続き。南入した場面から始まります。
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南一局 ドラ7m
東家 団員A 18700
南家 ヒラ男 35700
西家 団員B 18700
北家 七可 26900
ヒラ男 手牌
[12389m 68p 2468s 南北北]
打、2s。二向聴。
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ブレイクタイム。
愚形を抱えすぎて、アガれそうもない手。しかもよく見ると、すべて『7』絡みという。七可が持っているんでしょうねぇw
全員がノーテン流局となり、南二局へ。
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南二局 一本場 ドラ西
北家 団員A 18700
東家 ヒラ男 35700
南家 団員B 18700
西家 七可 26900
七可 手牌
[手牌×10][西↑西西]
ヒラ男 手牌
[22345m 46888p][←234s][5p待ち]
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七可のドラ3、7700点からに対し、ヒラ男は親の2翻2900点。連荘狙いで押しにいきます。
打点的に分は悪いですが、8800点差でオリてはラス親を残す七可相手にジリ貧になるという判断です。
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七可のツモ。
「カン!」
5pの暗槓。
ヒラ男の待ちが、一瞬で全滅した。
打、8p。
「ポン!」
[22345m 468p][←234s][8↑88p]
打、4p。
7pへの待ち替え。
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瞬時の好判断で、7p待ちへ。
この鳴きが良い方向に流れ、ヒラ男がアガリを掴む。
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南二局 二本場 ドラ3p
北家 団員A 17600
東家 ヒラ男 39000
南家 団員B 17600
西家 七可 25800
ヒラ男 手牌
[778m 33p 12367s][東↑東東][一向聴]
七可 手牌
[手牌×13枚]
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ヒラ男が東、ドラ2で5800点から。69m、58sとも鳴いて手を進めたい。
そこに団員から69mの援護が入るも、狙ったかのように七可のポンで強奪される。
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七可 手牌
[手牌×7枚][666→m][999m→]
団員Bのツモ。
打、8s。
「チー!」
ヒラ男 手牌
[778m 33p 123][東↑東東][←867s]
打、8m。
7m、3p待ち。
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69mがないため、不本意なシャボ構え。
しかしこれが以外にも、すぐに引き当てる。思わぬ『7』引きの良さでヒラ男の連荘が続く。
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南二局 三本場 ドラ1s
北家 団員A 15400
東家 ヒラ男 45600
南家 団員B 15400
西家 七可 23600
七可 手牌
[手牌×10枚][777→s]
ヒラ男 手牌
[444556s 北北][白↑白白][←123m]
打、5s。
4-7s、北待ち。
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ヒラ男がテンパイするも、選択したのは3-6sではなく4-7s、北。36s待ちのほうが3枚も多い。
なぜ枚数の少ない選択をしたのか?
実は七可が覚醒してからのアガリ牌はすべて『7』。だから7待ちに取らないと失敗するというオカルト理論です。
平凡な雀風のヒラ男にオカルト要素は少ないのですが、本編で雀子に敗れて以来、そういった『通常あり得ない流れ』に敏感となっていた。
その影響により、普段とは違う打牌をしています。
予感は的中し加槓した七可を、槍槓で咎める結果となった。
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南二局 四本場 ドラ7p 新ドラ7p×2
北家 団員A 15400
東家 ヒラ男 49400
南家 団員B 15400
西家 七可 19800
七可 手牌
[手牌×7][《7》77|p][《7》77|s]
ヒラ男 手牌
[234m 345p 東東南南][←756m][東、南待ち]
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ヒラ男の1翻と七可のドラ12が激突。
暗槓二つから新ドラが全部7pで、なにそれ?と思う手牌ですw
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ヒラ男、ツモ。
[234m 345p 東東南南][←756m][ツモ牌 7m]
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7mを切ればテンパイを維持できますが、当たらないとは限らない。
皆さんはどうしますか?ちなみに私は押しません。
ヒラ男はベタオリを選択。
運よく流局となるが、なぜか七可もノーテンだった。
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南三局 五本場 ドラ8m
西家 団員A 15400
北家 ヒラ男 49400
東家 団員B 15400
南家 七可 19800
ヒラ男 配牌
[1255m 158p 27s 東西北白發]
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オカルトチックにいうと、手を曲げてしまったヒラ男のツキが落ちている、を配牌で表現してみました。
麻雀漫画などでも、こういった描写はたまにありますね。
幸運なことに何事もなく流局。オーラスを迎えます。
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南四局 六本場 ドラ南
南家 団員A 15400
西家 ヒラ男 49400
北家 団員B 15400
東家 七可 19800
ヒラ男 手牌
[123m 89p 12389s 北中中]
七可 手牌
[手牌×7枚][《7》77《7》p][《7》77《7》s][先制リーチ]
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チャンタ狙いの7p、7sを潰され、さらにはリーチの追撃まで受けた局面。おまけにツモってきたのは7mと、ヒラ男の心が折れます。
雀子のときもそうでしたが、想定外の事態に対応できない弱点は直っていない。
できることは倍満にならないことを祈るだけ。なぜか通じて跳満止まりとなりました。
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南四局 七本場 ドラ5p
南家 団員A 8800
西家 ヒラ男 42800
北家 団員B 8800
東家 七可 39600
ヒラ男 手牌
[1289m 45p 12345s 發發]
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3200点差となり、もうオリも許されない状況となっている。
1翻でもアガれば勝ちなので、發仕掛けの即行を狙う。
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ヒラ男 手牌
[1289m 45p 12345s 發發][ツモ牌 3p]
打、8m。
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これまで散々『7』絡みの超常現象を見てきたため、7mが来るとはとても思えない。89m落としを選択。
發も鳴け、3m待ちでテンパイする。
だが、
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ヒラ男 手牌
[12m 345p 22345s][發發發→][ツモ牌 7m]
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89mを残せば、7mでアガってた。
半ばヤケクソで7mを捨てると、
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「カン!」
七可の大明槓。
嶺上牌を引く。
「カン!」
「二連続のカン……!?」
7sの暗槓。
嶺上牌を引く。
「カン!」
「三連カンだとぉおおおっ!?」
8sの暗槓。
7mからのカンの連鎖。一気に聴牌の気配を漂わす。
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カンの三連鎖。7m捨てただけなのに。
しかしヒラ男は、もうゼンツするしかない。
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「ああ、くそぉ……」
[12m 345p 22345s][發發發→][ツモ牌 7p]
打、2m。
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ヒラ男の心が砕け散る。
押せるわけもなく、回し打ってテンパイを復活を狙う。
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「そんな時間はないよ」
七可の声。
瞳の虹彩が一際強く輝き、
「応えて私のツモ! 七の雀力ちから!」
七可、超倒牌!
[77p 北北][7↑777m][《7》77《7》s][《8》88《8》m][ツモ牌 7p]
「対々和、三色同刻、三暗刻、三槓子、ドラ3。親の70符11翻、三倍満12000オールの七本場は12700オール!」
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とんでもないオーバーキルをぶちかます。
偶然にも七可の持ち点が、77700点でフィニッシュとなりました。
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エピローグ
冒頭と同じく日課のネトマをする3人。七可の不思議な雀力を話題にするも、七可自身にもわからず、もう力もないというが、
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ふと時計に目をやる。
77:77
窓を開け、空を見上げた。
夏の大七角がある。
PC画面を見る。
節電モードの薄闇。
自身の顔と、虹色の瞳が映った。
麻雀アプリを落とす。
消す瞬間、順位が目に入る。
その表記に、笑みを浮かべた。
4位 ナナカ
―― 7700 ――
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未だに覚醒状態だと示す証拠が出まくって物語は終了します。
なぜ七可が嘘をついたのか……その謎は解き明かされませんw
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本作が7番目にして、最後の外伝です。
全外伝の文字数が約19万文字と、意外と大ボリュームとなりました。
雀技を中心とした外伝ストーリーはいかがでしたか?
すべて自信作ですので、ご一読いただけましたら幸いです。
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以上で
【セブンス・フォーチュン ― 超絶脱衣麻雀 外伝 ―】
の解説は終わります。
機会がありましたら、他作品についてもその内に触れていこうと考えています。
それでは、また
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