知らないVtuberの初ワンマンライブに行った話

 閲覧注意みたいなの好きじゃないんですけど、知らんけど行って最高だった! また行きたい、皆さんも是非……という内容ではないので一応。





 10年以上クーラーの無い自分の部屋で過ごしているが、今年の夏は特に死を予感させる暑さだった。眠りが浅い日が続き、卒業して社会人になっても見る大学のテストで苦しむ夢を未だに見ては、気が狂いそうになる日々。今日もまた「X」のおすすめをボケーと見ていたら、俺より気が狂った告知が流れてきた。

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  •  タイトルと矛盾するようだが、まったく何も知らないVtuberだったら、見に行かなかったかもしれない。その場合タイトルが好きではないVtuberのライブに行った話になるので、攻撃的過ぎるので止め。勿論、深く知っているわけではない。愛知県をレぺゼンするVtuberで、花風千歳とコラボ曲を出したことくらいだ。花風千歳はVtuberのラッパーで、俺も自称ラッパーとして彼と蜘蛛の糸より細い繋がりがある。話によると、Vtuberとして同じ楽屋になった際、うまぴさんの声が好きですと伝えた結果、トラックメイカーのPoemShockさんの協力もあってコラボ曲が出来たとか。

 俺はこの曲に対して思うことは特にないが、好きだと言われるのも理解できる優しい声だと思ったし、優しい人だとも思った。そしてライブの場所と時間が仕事帰りに行ける範囲であり、髪色が緑色であるという複数の条件が重なった結果、俺は未確認生物うまぴのライブに行くことを決意した。

  ここから先は花譜の話が出てくる。というのも、人生で初めて行ったライブが花譜の武道館であり、2回目がこのライブだからだ。
 19時30分より少し遅れて会場に行くと、そこにはちょっとした列があった。ファン同士が名前で呼び合う光景にビビりながら、「思ったより集まったな」みたいな会話に、ファンが集客を気にすることに対して新鮮味を感じた。集まったのは15人より多くて20人よりは少ないくらいの男性で、トイレは男性用と女性用がそれぞれあるが男性しかいないので女性用も使っていいみたいなことを言われた時、俺はひどく女の子になりたいと思った。

 多分19時40分に入ることが出来た。ステージを見て思ったのは、思ったより距離が近いということで、一緒に入った奴らも同じことを呟いていた。俺たちはこの後柵を挟んでうまぴと向かい合うことになる。俺たちは鞄を置きたいという事情も相まって、うまぴから距離を取って壁の近くで待っていた。物販ではうまぴのライト(2000円)を購入した。これは、花譜のライブでひたすら拍手するしかなかった経験が生きたと思う。とはいえ、親切に光る棒を持っていない人に配ろうとするオタクが、流石に持ってきていない奴は居ないよねという度に少し汗を流していたが。売り切れてたら頼ったと思う。

 歌に関して特に言うことは無かった。生ならではの何か的なものはうまぴの歌からは(俺は)見いだせなかった。衣装が変わるとか、客演が出てくるとか、バンドの人が周りに居るとか、普段見ているものが贅沢だと改めて実感させてくれるような感じ。ただうまぴが揺れて、たまに笑ったりシイタケ目になるって、背景で花火が延々と鳴っていた。じゃあ完全に普段の歌枠と同じだった(普段の歌枠を見てないので実際の所は不明だが)かというと、そうではなく。俺を除くうまぴファン――研究員が、応援していた。
うまぴのうた(仮)というのがある。

  ライブでは二曲目に披露されたこの曲、コールがちょっと難しい。ライブに行くと完全に決めたのは二日前くらいだが、一応曲は一通り聞いた。この曲が来るであろうことは予想出来たけど、覚えきるのは普通に無理だった。実際来て、覚えてる所だけ頑張ろうと思ったが、前のオタクの声があまりに大きすぎて俺の努力が無になった。前に居た熱心なオタク三人も全員カンペ見てたからやっぱ難しいんだと思う。
 基本的にVtuberに限らずROM専として、歌枠の定型コメントの垂れ流しというか、よく分からんスタンプとかが連打されてるみたいな感じを見るたびどういうモチベーションでやってるんだろうと思ったりするんだけど、こう実際に近くに居て応援出来るのはそれと違った意味を持つだろうなとも思いました。
 あと話すことと言えばライトか。花譜のライブでは曲に合わせて色が自動で変わるシステムだったのだがうまぴのライブでそんなことがあるはずなく、六色くらいあるライトを曲に合わせて変える必要(?)がある。とはいえ、何色にすればいいのだろうか。結果的に緑色になる。激しい曲の時はオレンジとか赤にした方がいいんじゃないかと思ったが、結局半分が緑だったらもう緑で通すしかないんだよね。
 それと、オタク踊りか。なんか腕振るやつ。これも決まってはないらしく、基本的に前のオタクの真似をしていた。結構バリエーションがある。うまぴと同じくらい前のオタクを見ていた。

 アンコールを含めて曲が終わったのが20時35分だった。その後、何の時間かよく分からない超簡単なクイズを3問やって、1500円のチェキコーナーに移る。
 花譜の武道館にチェキなど当然ないのだが、その直前に寄ったメイドカフェの記憶が蘇っていた。そこでは押し切られてチェキを撮ったのだが、別に要らなかった。あと、俺の中の課金ルールに反する。だから、空気読めてないとは思いつつ、俺一人だけチェキを頼まなかった。チェキが終わるまでに、今日うまぴが歌うのに必要だった時間と同じかそれ以上の時間が必要だった。アイドルソングというものがあまりに性に合わない理由を知る一日。それから、一対一のトークタイムが来る。これは、チェキを撮った順になっていて、いよいよ俺という存在がここに居てはいけない、いや最初から来るべきではなかったということを思い知らされる。
 それでもギリギリまで居た。トゲピーのことが詳しいとかいう奴に色違いの見分け方体重タマゴグループ孵化に必要な歩数とか一瞬聞きたくなったり、愛してるという言葉が飛び交う光景にひどくネガティブになったり、大体そんな感じで。あと書いてないのは800円のオリジナルドリンクくらいか。俺は酒が飲めないからパスしたし、ドリンクチケットでなけなしのオレンジジュースを貰った。
 
 一応言っておくこととして、俺は花譜の武道館にすらケチをつける人間なので、これを見てうまぴのライブを悪かったと思わないでほしい。プロならともかく(花譜はそのくくり)、個人でやってるVに言いたいことはない。俺がファンではなかっただけで、ファンを楽しませるという目的は達成されていたと思う。場所代、来た人数だけで考えるなら赤字で、そこにチェキ代を加えて黒字にしている感じなので、わずかでもそれに貢献出来てよかったね。


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