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世界一幸せなデートの思い出を成仏させたい【前編】

私が引っ越しを決めた理由は 大体100個くらいあって
ひとつめはそろそろ自立したいなーと思っていたこと
ふたつめは職場から近い方が楽だなーということ
みっつめは『失恋したら一人暮らしをする』と決めていたこと

        ーくるり『ハイウェイ』のオマージュ


ここ1か月の出来事の、怒涛のラッシュといったら。
以前一人暮らししていたこともあり、大体の家具は揃っていたものの、また買い足すものもあり、ゴールデンウィークは買い出しで終わった。
ニトリやらイオンやらを徘徊する日々に終止符が無事打てるかもしれない。
失恋したって、引っ越す必要は全くなく(だって、実家暮らしだし)しかし引っ越すくらいのイベントがないと、失恋した割に合わないと思ったのだ。
前から一人暮らししたい、もっと職場の近くに住みたい、と考えていたが、何か新しいことをはじめるにあたって、大事なのは、お金ではなく、行動力。勇気も、あとからついてくる。
お金は、、、残念ながら来月の引き落としが恐ろしいが、それでも、一人暮らしをしたかったのだ。
家族といると息苦しいとか、そんなネガティブな考えではなく、自立したい、と前向きな考えになれたのも、でかい。
失恋がなければ、まあ、一人暮らしなんてしなかったのだ。だって、一人暮らしする費用があれば、彼に会いに行く交通費に当てたいし。
結果、よかった、と思いたい。

新しいステージに立てたということは、彼との世界一幸せなデートを、成仏させる儀式をしてもよい、ということだ。
もういいだろう。私が、自棄になって思い出が詰まった写真を削除してしまう前に、ここに、残しておくことは、許させるはず。


2022年1月、岩手県という雪国から、遥々東京駅行きの夜行バスに乗るところから、この旅は始まる。

電話で『いつこっちに来るの?』という誘いに乗っかるあたりが、自分で言うのはおかしいが、若い。この時も、勢いに身を任せていた。12月から計画を練り、その最中は夢を見ているようだった反面、本当に会えるか、不安が大きかった。

夜行バスの、ガサゴソしたアナウンスに、非常に懐かしい気持ちになり、(こんな時代になる前は、頻繁に東京に行ったものだ、ひとりで)さほど乗り心地の良いわけでも無いシートに体を委ね、高速を走ると、着くは鍛冶橋駐車場。
東京駅までのルートは、体がなんとなく覚えていた。

東京駅から横浜駅まで、電車で向かう。県を越えることが、こんな簡単にできていいのか、と戸惑うのは、東北民あるあるである。
横浜駅の改札口で待ち合わせをしている間、様々な人が、誰かを待っていたり、誰かを探していたりしていた。
そして、彼らは、無事出会えると、抱きついたり、互いの手のひらを合わせたり、シャイな雰囲気で小さく手を振ったりしていた。
私も、彼らのように、待つ人がいた。
待つ人がいる時点で、幸せだったのだ。

彼との再会は、およそ2年振りだった。
髪型は互いに変わっていたのだが(2年も会ってないからね)すぐわかった。思い出すんじゃなくて、覚えてたんだ。それが、互いに、となると、これもまた、幸せのひとつなのだった。

と、ここから、世界一幸せなデートが始まるのだが、ここまでが、ボリューミィになったため、割愛、、、となるわけにもいかないので、次回に、続きます。

このデートを越えるデートが、できる日がくるのだろうか。
イオンやらマックやら、田舎者のデートがしたい、と公表したが、そもそも、デートって、
どこに行くかではなく、誰と行くか。
しかし、もうこのようなデートが実現できないのであれば、この場で、成仏させてほしい。


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