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京浜東北線を止めたおばあさん


東京近郊にお住まいの方、昔は山手線が運行停止しても京浜東北線の快速は、(快速運行時間中)各駅にならなかったの覚えています?

実はこの前妹と話していて、これを思い出したんです。聞いた話で、実話です。

当時はまだ70代だったかな?そこまで覚えていないけれど、とにかくそれくらいの歳のおばあさんが山手線に乗って東京駅に向かった時に起こった話です。

秋葉原だか神田だかで、何かがあって電車が止まってしまった。なかなか動かないようなので、新幹線に乗り遅れる!とそのおばあさん。

「京浜東北線止めてください」と駅員さんに言ったそうです。
「いや、それは前例が無いのでできないです。申し訳ありません」と駅員さん。

「新幹線に間に合わない!止めてください。いや止めなさい!」
「……」「… ちょっと上と相談を…」

暫くすると「緊急措置ということで、京浜東北線を各駅にする決定がおりました!」

この一件の後、ほどなくして東京都の条例で山手線が運行停止の場合は、京浜東北線を時間外であっても各駅停車にすることが決まったたそうです。(他に路線が繋がらない駅だけかも知れませんが…そこはよく覚えていない)

快速を使っていて急いでいる人には迷惑だけれど、やっぱり止めないと全く動けなくなる駅もあるから困るものな~と、しょっちゅう止まる常磐線利用者のわたしは思うのですが、いやしかし、止めなさい!とはよく言ったな~と。

そしてこの話には続きがあります。
この女性は新幹線のホームまで駆けたようですが、目の前でドアが閉まってしまったそうです。すると今度は駅員さんじゃなくてドアに向かって

「お願いします!開けてください!」と大きな声で言って頭をさげたところ……

……開いたそうです。

よく閉まった後でも、何かの理由で一度開くことがあるかと思いますが、開いたそうです。その隙に

「ありがとうございます!」と言って飛び乗ったそうです、そのおばあさん。

やはり言ってみるものだとはこのことですが、(それで開いた訳じゃないという理屈はともかく)きっとそこにいたらわたしは絶対に余計なこと言うかも知れないと思っています。


「恥ずかしいよ、お母さん……」



#戦前生まれ強し

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