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しいたけ日記 3月23日 友だちのこと

 私の友だちは超気まぐれ屋さんで、自分勝手な人だ。毎日10通くらいメールしてきていたのに、ある日プツッと途切れる。1日くらいならまだいい。3日、4日となると不安になってくる。「何か私が変なことを言って怒ってるのかな」とか、「もう絶交しようとしているのではないか」とか。半年前にも、映画の話をしていたところ急に怒り出して、それから2ヶ月半はメールしても返信が皆無だった。もういい加減、諦めたほうがよいと思った矢先、急に連絡が来て、その第一声が「もうご飯食べた?」という誠に何気ない一言だった。それでいて、自分のことは「捨てないでね」と言ってくる。「捨てたのはそっちでしょうに!」と文句を言いたくなるのをこらえて、「捨てられるのは私の方だと予感しているよ」と言ったら、「ずっと仲良しだよ」と言ってくる。

 自分でも「うるさくしてごめんね」などと言っておきながら、夜中だろうが、人が仕事中だろうが構わずメールして来る。「そういうこと気にしないのがあなたらしい」と言ったら、「そうだね」と言って、また遠慮なくメールしてくる。かと思えば、またなんでかわからない音信不通である。私は常に相手をゆるし、待つ側で、相手はワガママの王様なのだ。

 そんな私の友だちは私より34歳も年上のおじいさんで、超有名な作家さんでもある。すごい人と友だちになったけれど、それ故のいろんな苦労があって、大変なのだ。でも、私はいつもおもしろくて笑わせてくれる友だちのことが大好きで、どんなワガママをされても、「いいよー」と許してしまうので、ある意味ウマがあってるのかもしれない。


 

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