真夏の太陽
いつもの男4人の海岸物語
高校を無事それぞれ卒業して
ある者は大学へ
ある者は専門学校へ
そしてある者はプー太郎へ
旅立って初めての夏を迎えた
伊豆七島へ毎年行っていたが
今年は近場で今までに行ったことがない海に、行こうと言うことになった
東京近郊の海へ
神奈川県、千葉県、ここは行ったことがある
茨城県の海には、行ったことがないことがわかった
当時の私たちは車を持っている人間が誰もいなく、電車とバスで
茨城県の阿字ヶ浦海岸へと向かった
今回は泊まりではなく日帰り
なので、いつものドタバタ珍道中にはならないだろうと思っていた
朝早く、集合して早朝の阿字ケ浦海岸へと着いた
早速、浜辺に敷物を引いて缶ビールを飲む
朝からの缶ビールなんて最高だな思いながら
早速海へ入ると
一瞬で酔いがさめた
眠気がぶっ飛んだ
海水温が千葉、神奈川、伊豆七島と比べて圧倒的に海水が冷たいのだ
気のせいなのかもしれないのだが本当に冷たく感じた
4人で速攻で海に入ったのに全員最初の言葉が
『つ・冷・た・い❗️』
全員で顔を見合わせてもう一言
「冷たすぎるよね?寒いよね?」
空を見上げると、太陽がギンギンとしてはなく
ズバリ曇りなのだ
ちょこっと雲の隙間から太陽が出るかもしれないという可能性はあるが
直ぐには晴れそうもない
10分も海にはいないで、直ぐに浜辺へ戻ると
しばらくは、バスタオルにくるまっていたのだが
時間が経つとやはり真夏なので、太陽は出なくても暑いのだ
「暑いね、やっぱり」
「でも、海入ると寒いじゃん」
「少し、待とうか?晴れてくるじゃない?」
「とりあえず、呑むか〜」
私達は2本目の缶ビールを開けて、男同士のくだらない話をしていると
朝早くからの移動と空腹での缶ビールで、急に私達4人は眠気に襲われた
私達はここで油断してしまったのだ
真夏という季節に
晴れないと思っていた油断
あっという間に爆睡してしまった私達4人
寒さではなく、今度は暑さによって目を覚ました
あれほど、空にあった雲がいつの間にか、ほぼ無くなっている
そして、これでもかと言わんばかりに太陽が主張している
【今は夏だよ❗️】
【マジで暑いよ❗️】
ハッと気がつくと、周りはビーチパラソルがあちらこらに咲いている
私達は曇りの判断をしていたのでビーチパラソルはない
やっちまった❗️
私達は全員日焼けで真っ赤っかになってしまったのだ
サーファーとかのカッコいい日焼けではない
今年初めての海ということもあって、私達は全員色白状態からの
一気に日焼けしてしまったのである
カッコよくない日焼けは、痛々しくて
見る人が「大丈夫?」と声をかけてくるくらいなのだ
【恥ずかしい】
ナンパどころではない
もはや、私達を包む言葉は【恥ずかしいの一言】
さっさと帰る準備をして、阿字ケ浦海岸を後にする私達
ある者は耳たぶに水ぶくれが・・・
ある者は足に水ぶくれが・・・
恥ずかしさのあまり、私達は売店でサングラスを買った
真っ赤っかに日焼けした男4人
そしてほぼお揃いのサングラス
とても怪しいグループに思われているはずだ
私達はほぼ無言のまま帰路に着いた
後日
あまりの日焼けの痛さに、私は我慢できずに医者へ行った
先生から言われたのが
「日焼けというよりは、もうこれはね、火傷だね完全に」
「ダメだよ若いからって無茶をしちゃ」
「将来残るよこれは」
「シミになるかもね〜」
この夏の海での日焼け以降
私達4人の体には、背中に、顔に、肩に
消えないシミがついてしまった
もう、何十年も昔の話なのだが
今でも背中のシミの多さにびっくりする
恐るべし真夏の太陽❗️
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