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J-WAVE RADIO SAKAMOTO 2021.01.03 オーディションより

フィールドレコーディング作品が優秀作に選ばれましたので紹介部分のみ文字起こしをしました。

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U:J-WAVE RADIO SAKAMOTO ここからは僕U-zhaanと、
長:長嶋りかこと、
教:坂本龍一と、
蓮:蓮沼執太です。
U:今日は蓮沼執太さんにも参加してもらっています。
教:豪華!豪華だね。流石、お正月。
蓮:隠れたいです(笑)。

(中略)

U:じゃぁ早速、2021年最初のデモテープ・オーディション優秀作の発表をしていきたいんですけど、その前に去年の…2020年の中で一番気に入ったものっていうのを各自1曲ずつ選んでみようかなってコーナーがあります。2020年いろんな曲あったんですけど…
教:すごいたくさんあったよね。

(中略)

U:僕も、何個か選んでる中の(皆さんが選んだ作品と)かなり似たようなのがアレなんですけど、「生活音 - すきま風」というmidunoさんの…
長:これも良かったねー。
教:このね、midunoさんはSUGAWARAさんに実は影響を受けてんですよね。
U:あ、そうなんですね。
教:調べたとろによると…調べたんですよ、俺。
蓮:(笑)

<生活音 - すきま風 / miduno>選:U-zhaanさん

U:やっぱり聴いたことのないハーモニーが出てるなと思って。
教:でも聞いてるんですよ、みんな。
U:うん、そうなんでしょうね。
教:こういう音はみんなの部屋で鳴ってはいるんですよね、実は。特殊な家じゃなくてただ換気扇なんですよねこれ。
U:換気扇を回して、隙間風を録ってるんですよね。多方向からの違う隙間風の音がハーモニーみたいになってるんでしょうね。
教:で外で工事してるカンカンカン…っていう音が聴こえてるっていう。
U:切り取るセンスがすごいなと思いますね。
教:まぁ基本的にはSUGAWARAさんと同じなんだけど…僕もでも、よく聞くし、いい音があったらすぐ録音してる。お水の機械とか最近あるでしょう?冷水とか温水…あれの音が一個一個違うのね。古さとかメーカーとかモデルとかで。あと換気扇。すごくいいのはトイレ。トイレ全般いいんだけど、管がたくさん…パイプがあるところはだいたい良いんですよ。本番前にトイレ行くじゃないですか。で、いい音してるとそこで録って(笑)、1分後に本番で使ったりしますよ。いまはもうiPhoneとかでも録れちゃうんで。

(中略)

教:U-zhaanは何かある?
U:またちょっとmidunoさんになっちゃうんですけど、「小川~川音インセクトロジー~ヒグラシ」という…
教:これも面白いよね。
U:川の音をエフェクトしてヒグラシの音を作るという、どうしてこれを思いついたんだっていう。
教:でもヒグラシに聞こえるもんね、あれね、すごいね。

<小川~川音インセクトロジー~ヒグラシ / miduno>選:U-zhaanさん

蓮:でもこのmidunoさんのは普通に聞き覚えがある…音を聞いただけで「聞いたな」と思った。
U:あなたが選んだ時のやつだもん。
蓮:そうそうそう…(笑)
教:9月分だね。
U:初めて聞いたっていったら疑問が唱えられるところです。
教:でも後ろの方で本当にヒグラシになっていくんで、ぜひWebで聴いてほしいですね、みんなにね。本当にヒグラシに聞こえるから不思議だなー。

U:というわけで、2020年のベスト選びでした。
教:なんか盛り上がらないね。
U:本当ですか!?
教:なんか、パンパカパーンとか。スネアで、ドゥルルルルル…とかはやんなくていいのかな。やったほうがいいんじゃない?
U:やります?
教:今日持ってきてないよね。
U:(テーブルを叩く音)
長:あ、それでいいんじゃない。
教:テーブルで。
U:でも、テーブル…もう今じゃないですよね!?
教:もう選んじゃった後だもんね。(アクリル板を叩く音)
U:教授がいまアクリル板を叩く音という貴重な音源をいま視聴者の方に…
教:このくらいで許していただくとしましょうかね。
U:「なんか盛り上がらないね」って言われた時、俺悪いことしたかな…と思っちゃった(笑)
教:盛り上がってないなー、いいんだろうか?
U:大丈夫ですよ、こんな真夜中にあんまり盛り上がってもね。
教:そうですね。水の音とかでメチャクチャ盛り上がっててもおかしいしなー(笑)。
一同:(笑)
U:「さて、昨年の第一位はこれ!」ってチョロチョロ…(笑)
教:ヒュー…みたいな、風の音!…みたいな(笑)メチャクチャ面白い。
蓮:面白かったです。
教:面白いよね。

(中略)

U:じゃあ、2021年の1月分に移りたいんですけども。昨年末、1回休みだったので、この4ヶ月の間に送って頂いた作品から選考しているということで、400曲ぐらいから選んでるんですよね。
長:すごいですねぇ。
教:すごいねえ。いやぁ…本当にありがとう、本当に。しかもいいのいっぱいあって困っちゃうんですよね。

(中略)

U:じゃぁ蓮沼さん。
蓮:はい。(ニシダケイゴさんの)借景も僕も大好きだったんですが…「海岸ドローン」というタイトルのmidunoさん。

<海岸ドローン / miduno>選:蓮沼執太さん

教:このドローン、いいですよね。遠くを行く船のエンジン音ですね。
蓮:なんかこう、波のリズムとドローンの揺れ具合が違う時間軸で走ってて、そのズレが気持ちいいなって感じで。
教:これね、あの、船が、あんまり近づいてくると煩くなっちゃって、ちょっと興醒めなんだけど、いい感じで遠くにいますよね、ずっと。
U:ちょうどドローンの感じで居るんですよね。
教:それが、まぁいい時間を切り取ったなと思うんですけどね。
U:音が大体C#ぐらいなんで、なんかシタールの演奏が始まりそうな気がするんで、シタールってキーがC#〜Dくらいなんで。
教:なるほど。ドゥーン…っていうね、ドローンいいですね。
U:いいですね。

(中略)

教:おもしろかったもんね、みんなね。
蓮:クオリティがすごい高かったです。
教:サウンド系、サウンドアート系っていうのも、ね、つい数年前から、そういうのも投稿してみてって言い出して、こんなにみんなに掘り下げるようになって、すごいよね(笑)。素晴らしいです。
U:影響を与えているのかもしれないですね。長嶋さんが録り始めるぐらいですからね。
長:(笑) いやなんかさ、やっぱ出来ちゃうじゃん自分もって思って、ちょっとやりたくなっちゃうのは…ある。
教:携帯で出来ちゃうから。みんなも、面白い音を発見したら、どんどん録って送ってみてください。そういうので、こう集合的に集めて、アートもできちゃうからね。
長:あぁ、面白いですね。
教:録った日時と場所とか、もちろん人も記録しておいて、そういうの集めたマップみたいなの作って、そこにカーソル持っていったら音が聴こえる、みたいな。そういうまぁ、展示みたいなのができちゃいますね。森美術館とかで出来ないかな?
長:どうですかじゃあ(笑)。
U:教授がやりたいって強く推せばやれるかもしれない。
教:まぁそこまで強く言う事もないんだけど(笑)。
U:蓮沼さん、スペシャルゲストとして何か言っておきたいこととかないですか。
蓮:そうだなぁ。1月の音源は本当に自分が何に気になっていかとか、こう普段生きてて何に気になってるのか、みたいなものが、露骨に音の個性になって、音楽になってるっていうのがビシバシ伝わって。
教:自分を…見直すにもいいよね、それはね。あ、俺こんな音が気になるとか。好きなんだ、とか。普段見過ごしてる、聴き過ごしてる音をもう一度見る、聴くっていう。

(後略)


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