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大阪Wクロス選挙結果をいろんな形で可視化してみた

大阪Wクロス選挙について

 統一地方選挙の一環として、大阪府知事・市長のW(ダブル)クロス選挙が執行されました。4月6日に上程した「大阪W(ダブル)クロス選挙まとめてみた【統一地方選挙×Mielka】」(https://note.mu/mielka/n/n5f3924905021)にも経緯は解説していますが、改めて今回の選挙をタイムライン形式に見ていきましょう。

2018年12月5日 
松井一郎大阪府知事、「大阪都構想」の住民投票について参院選と同時実施を目指すとともに、公明党の態度次第では出直しダブル選挙を仕掛ける可能性に言及。

12月26日 
松井一郎大阪府知事、維新が公明党と結んだ秘密協定書を合意文書を公表し公明党の裏切りを批判するとともに、年明けに前倒しのダブル選挙実施の是非を判断するとした。
   
同日   
公明党府本部の佐藤茂樹代表、松井氏の批判に反論するも、維新との妥協も排除せず。

2019年1月31日 
大阪都構想について市会議員が議論する法定協議会が議論せず散会、維新
と他党との対立が深まる。
   
2月8日 
法定協議会で維新側が議事停滞の責任を謝罪するなど、維新・公明の歩み寄り、選挙回避が試みられる。

3月6日 
公明党、法定協議会において、住民投票に向けた工程表の採決に応じないことを決定。
   
**3月7日**
松井知事および吉村洋文大阪市長、辞職とクロスしての立候補を決定、翌8日に議会で正式に表明。大阪Wクロス選挙がスタートした。

このように今回の選挙も、大阪都構想の議論を進めるべきかが一つの大きな争点となりました。地域政党・大阪維新の会からは代表の松井一郎大阪府知事が市長選挙に、政調会長の吉村洋文大阪市長が知事選挙に立候補、対する非維新陣営は自民党が主導し、元副知事の小西禎一氏を知事選挙に、前回も立候補し敗れた元自民党市議の柳本顕氏を再び市長選挙に擁立しました。自民及び公明党府本部が推薦するとともに、立憲民主党・国民民主党・日本共産党など、大阪で維新と対立する各党も支援しました。

選挙結果

 今回のダブル選挙は、知事選挙は吉村氏が、市長選挙では松井氏が勝利、大阪維新の会がみたびダブル選挙を制しました。

 

前回2015年の選挙と比べると、得票数・得票率は以下のように変わっています。

両陣営とも前回に比すると得票数は伸ばしています。維新は府知事選で過去最高得票を大きく更新しました。市長選挙では非維新陣営が維新より得票数を伸ばす健闘でしたが、及びませんでした。

 得票率は前回と傾向は大きく変わっていません。両選挙とも前回は第3(4)の候補がいたので、今回は2人とも得票率を伸ばしているのがわかります。

 今回は、すべての市区町村において、維新の候補の得票が対立候補を上回りました。市長選挙では10ポイント以上・知事選挙では20ポイント以上上回ったところを赤色、それぞれそれ以下を黄色で色分けし表示したのが下の地図です。
・知事選挙

・市長選挙

4月2日の朝日新聞の記事によると、吉村候補は2015年の都構想住民投票で反対派が上回った大阪市でも東・南・西の辺にある区、いわゆる「U字エリア」を重点的にまわる一方、小西候補は大阪・堺両市を中心に大阪全域をまんべんなくまわりました。
 結果を見る限り、「U字エリア」や都構想への反感が強い堺市においては維新への取り込みが他地域に比べるとうまく行かなかったようです。ただ一方で、上の大阪全域の地図で黄色で示した部分は吉村候補が60%以上の得票を得られなかった地域とはいえ、その全てにおいて小西候補を10ポイント以上突き放しています。その点では、維新が前回よりは浸透したと言えるだけでなく、吉村候補に比した小西候補の知名度などの無さ、こういった非維新の地盤とも言えるエリアを固めきれなかったことも敗因の一つと言えそうです。

 投票率はともに前回と比べ微増しました。大阪府知事選挙は45.47%から49.49%に、市長選挙は50.51%から52.7%になりました。

まとめ

 今回の選挙結果は、都構想を推進したい維新の側には追い風となるでしょう。府議会では維新が過半数を占め、市会もあと数議席にまで迫る健闘を見せました。公明党は府市議会選合わせて1人の落選者に抑えた一方、自民党は上乗せどころかともに議席を減らす敗北で終わりました。ただ住民投票に持ち込むには両議会での可決が不可欠。この選挙結果を受け公明党がどういう動きを見せるのか、今後の大阪政界の動きに注目です。

【参照記事】
NHK統一地方選挙2019開票速報(https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/2019/)

今回の選挙の経緯については、すべて日本経済新聞参照
「松井知事、出直し選に含み 大阪都構想『住民投票 来夏までに』」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38582930V01C18A2AC8000/)2018年12月5日
「出直し選排除せず、都構想で府知事 年明けに判断」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39390540W8A221C1AC8000/)2018年12月26日
「法定協、議論せず散会 維新と各会派の対立深まる」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40352210T20C19A1AC1000/)2019年1月23日
「松井知事、参院選同日は断念 都構想の住民投票」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41083000Y9A200C1AC8000/)2019年2月8日
「大阪都構想、『工程』採決応じず 公明が採決応じず」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42126030W9A300C1AC8000/)2019年3月6日
「大阪ダブル選へ 知事・市長、8日辞職表明」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42161950X00C19A3AC8000/)2019年3月7日

朝日新聞「反維新、組織力にきしみも 維新は集中、U字エリアって?」(https://www.asahi.com/articles/ASM414WJ8M41PTIL015.html)2019年4月2日

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