公約に書かれていない

【いくつ知ってた?】政策集に書かれていない政策まとめ -前編-

はじめに

みなさんこんにちは。

いきなりですが、1年間で法律ってどれくらいできるのか知っていますか?

なんと、2013年の参院選からこの6年間で約550もの法律が成立もしくは修正されています。

 この6年間、政党を担ってきたのは自民党・公明党です。しかし、この6年間に成立した全ての法律や政策が両党の2013年当時の公約に書かれていたわけではありません。公約には書かれていないのに成立し施行されているものも多くあります。この記事では、そのうち生活に深く関係している法律の成立・修正をピックアップし、

前半『2013年の選挙後、問題が現れたり、興味関心が高まった政策 』

後半『2013年の選挙時に反対が予想された政策』の二部構成でご紹介します!


1. 2013年の選挙後、問題が現れたり、興味関心が高まった政策 


1.1 ドローン問題 (2016)

 2015年、首相官邸屋上に小型無人機(ドローン)が落下する事件がありました。それをうけて、2016年には重要な国家機関の周りをドローンが飛行することを禁止した法律ができました。しかし、この法律での規制はあくまでも国会議事堂や首相官邸、大使館などの重要な国家機関の周りに限られ、その他の場所での規制は航空法の改正によります。令和元年の国会では、オリンピック・パラリンピック会場でも同様の措置をとることが決められました。

 また、航空法の中でもドローンの規制がこの後に強化され、飛ばす際は事前に国土交通省への申請が義務付けられ、150m以上の高さでドローンを飛ばすことを禁止したり、民家やお祭りなどのイベント会場上空などでも現在はドローンを飛ばすことが禁止されています。(この航空法のドローン規制対象となるドローンは総重量200グラム以上のドローンが対象です)。また、G7やG20のような国際的なイベントがあった場合は一時的に大きな範囲で飛行を禁止する政令が出されることもあります。


1.2 民泊(2017)

 Airbnbに代表される「民泊」は、インターネットを通じて、空き部屋を短期で貸したい人と宿泊を希望する旅行者をマッチングするビジネスとして急速に増加しています。「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」は、旅館業法によって営業許可を得なければならないことになっていますが、旅館業法に基づく旅館業の営業許可を一般の民泊で取ることは簡単ではなく、許可を得ないまま民泊を行うケースが多くありました。このような無許可の営業によって近隣住民からの苦情やトラブルが多発したため、現行の法律では考慮されていなかった新しい事業として、「民泊新法」を新しく定めることになりました。ポイントとしては以下の3点が挙げられます。

①民泊の対象は「住宅」(簡易宿泊所は含めない)に限定することで、「空き家」問題解消が目指されている

②民泊として住宅施設を提供できるのは年間「180日」までであり、民泊条例を定めればさらに短くすることも可能である

③民泊を始める際には事前に届け出が必要であり、罰則も強化された

 以上の義務の発生によって、一般的な宿泊所より安い民泊に規制をかけることで、安全な宿泊施設としての利用を促進することとなりました。

1.3 天皇陛下の退位(2017)

 平成の天皇陛下(現・上皇陛下)のビデオメッセージを機に、平成の天皇陛下退位に向けた世論が高まりました。それをうけて、国会は早急に動くことになりました。そもそも戦後の皇室典範では、天皇は日本国の象徴であり終身制であると決められてきました。この背景には、過去に天皇の地位や上皇の地位の政治的利用によって国内が混乱したことがあります。そのため、今回の退位についても一代限りの退位を認めるのか、それとも皇室典範を改正してこれから先の天皇には退位を認めるのかという難しい議論となりました。

 また、これ以外にも皇室典範に定められていない退位後の呼称や元号の決定が公表の方法など専門家による有識者会議が何度も繰り返され議論が繰り返されました。その結果、一代限りの特例法として制定され、時代が「平成」から「令和」へと移り変わっていきました。

まとめ


 毎年数多くの法案が可決し新しい政策が次々と行われているわけですが、生活に関係していても中身まではなかなか知らないというものも多かったのではないでしょうか。
 ちなみに、今年2019年の国会では、食品ロス問題や産後ケア、認知症といった社会的な問題を解決するための新しい法案や行政手続きをインターネットで可能にするデジタルファースト法案などが提出され審議されました。
 このように、政府は政党が公約に書いた政策だけでなく、社会情勢や国際情勢から社会の流れに合わせた政策も実行するために法案を改正したり新たに作ることで、よりよい社会の実現を目指しています。

 JAPAN CHOICEでは自民党・公明党の2013年の公約のうち、どれほど実現できているのかをまとめたサービスを公開しています。この記事と合わせてみることで、どのようなことが公約集に書かれていて、逆にどのようなことが書かれてないのかといった視点でも楽しんでみてください。

後半の記事では、当時、世論の反対が予想されたために政策集に書かれていなかった政策を取り上げていきますので、ぜひご一読ください!

▶︎【いくつ知ってた?】政策集に書かれていない政策まとめ (後編:2013年の選挙時に反対が予想された政策) はこちら

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<記事を通しての参考文献>
衆議院ホームページhttp://www.shugiin.go.jp/internet/index.nsf/html/index.htm 2019年6月22日参照
“通常国会で通過した法案”日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33291800T20C18A7PP8000/
<ドローン問題について>
国土交通省 『無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール』 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
 警察庁 『小型無人機等飛行禁止法関係』
https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/index.html
独立行政法人国民生活センター『ドローンと法規則』  http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201801_05.pdf 

 <民泊について>
政府広報オンライン
 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201805/2.html
民泊制度ポータルサイト http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/law1.htm
l <天皇退位について>
BBCニュース 【Q&A】 天皇の退位と即位、あなたの疑問に答えます
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48130016
NHK WEB NEWS『特例法で天皇はどう変わる?』https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor4/



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