2020年度診療報酬改定の方向性(要点メモ)
10月10日に東京ビッグサイトで開催されたHEALTH EXPO 2019で、厚労省の保険局医療課長より「2020年度診療報酬改定の方向性」についての講演がございましたので、内容をご紹介します。
総評としては、この時期ですので、改定の方向性というよりも、「ただいまこのトピックは議論中です」というお知らせのような内容でした。
資料も厚労省が出した資料や、中医協の議論をまとめたものでしたので、普段からチェックしている方にとっては、特に目新しい内容では無かったと思います。
ざっと、要点のみですが、ご覧戴ければと思います。
191010_日本ヘルスケア創刊30周年記念特別講演
2020年診療報酬改定の方向性(厚労省保険局医療課長森光敬子氏)
このセミナーでは
「診療報酬改定についてどういう点で議論しているか」を説明。
◯中医協での次期診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール
・中医協総会
第一ラウンド【2019年7月末終了】
第二ラウンドへ【2019年末まで】
◯令和2年診療報酬改定に向けた議論(第一ラウンド)の概要
1)年代別の課題の整理
2)医療と関連性の高いテーマの課題の整理
1)年代別の課題の整理
・働く世代への支援
産業医の支援について言及(新しい視点!)
高齢者や女性の就労増加
→がん患者外来通院しながら勤務急増。「強い支援の要請あり」
・大病院(400床以上の病院等)へ定額負担。
→対象病院の拡大検討。
2)医療と関連性の高いテーマの課題の整理
・患者・国民に身近な医療のあり方
2019年4月から「費用対効果」制度導入
→保険の導入後、薬の効果をきちんとみていく。
・医薬品について
多剤投与
→多剤は「患者さんの害になるもの」を対象。
重複処方への対応
→「かかりつけ医」と「かかりつけ薬剤師」に繋ぐ仕組みが必要。
◯各テーマについての主な意見
・かかりつけ医機能
患者さん側の意識が醸成されていない。
しかし、かかりつけ医に対する満足度高め。
・かかりつけ医の選択理由
実際は「家から近い」という理由で選択。
患者さんがかかりつけ医を選ぶための情報提供がない
→情報は必要である。それをどう担保するか課題。
・機能強化加算について
かかりつけ医機能の「体制」を評価したものであり
患者さんの疾病に対するものではない。
→今争点になっている。第2ラウンドでも議論される内容。
・働き方改革
※医政局で議論。次回の改定の大きな課題。
医療機関のマネジメントとは
勤務時間の管理、健康管理が基本的なスタンス。
→一方、医政局が示すマネジメントをやっている病院は少ない。
働き方改革で追加で生じるコストを
患者側に負担させるのはどうかという意見あり。
→加算でやるか否かは議論中。
働き方改革とは「タスクシフトと業務効率化」
→医師事務の体制の加算についてどう考え、どう拡充するかがメニューの一つ。
※医療の質は何が担保しているのかを考えている。今整理中。
・遠隔医療について
オンライン診療については様々な意見がでている。
平成30年改定時の基本的な考え方に沿った形で議論中。
要件は最初は厳しめ。
→この要件をどう考えていくか、第二ラウンドでも議論中。
・入院医療について
地域に寄り添いつつ、後押ししていくという議論をしていく。
〜入院医療の病床別解説は割愛します、すみません〜
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