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父の''note"

「この一枚は、私が母と一緒に収まる唯一の写真である」

そんな書き出しの投稿が、先週新聞に掲載されていたらしい。

書いたのはなんと、先月急逝した父!

新聞に投稿していたことは母も知らず(その新聞取ってないし)友人から連絡が入って知ったらしい。

父の実の母が、父にとっての弟の出産が元で亡くなったことは昔聞いたことがある。そしてすぐ後にその弟も亡くなったと。
素麺の箱のような、ちいさなちいさな棺だったんだ、とつぶやくように言っていた。

父が書いた投稿によると、昭和20年の2月のことだったそうだ。
父が小学校に入学する直前のことだったと。

その6か月後父は被爆し、日本は終戦を迎える。
その年のことを父はほとんど話したことがなかった。

「お母さん、あなたを追うようにすぐそばへ行った息子がわかりましたか。」
投稿の締めくくりにこう書かれていた。

父の四十九日の法要で、父の母への想いを綴った文を読むのは何のめぐりあわせなんだろうな。。。
お父さんもそっちに行っちゃったねえ。

私はあまりスピリチュアルな感覚は持っていないのだけれど、人はみんな借りていた身体を返して、どこか大きなところへ戻っていくのかもしれない。

そんな場所で、会いたくて会えなかった人にまた巡り合えていたらいいな。

母との写真が白黒の一枚だけというのも、思いを綴るのが新聞の投書欄というのも、いまどきじゃないけれど。

そんな遠い場所にいった近しい人を思う気持ちはきっと変わらないね。

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