見出し画像

劇場版『若おかみは小学生!』を全女子小学生に見てほしい

トゥイッターのタイムラインの女子小学生たちからもわりと絶賛ぎみなので今更僕が何か書くまでもないような気もしなくもないが、劇場版若おかみは小学生!があまりによかったのでみんな見て。
原作未読でTVアニメ版も見ていない?劇場版単独で最初から最後まできっちり完結している話なので問題ない、見ろ。

若おかみは小学生!は両親を交通事故で亡くした小学6年生の少女おっこが、花の湯温泉にある春の屋という旅館を営む祖母に引き取られ、なぜか春の屋に棲みついている幽霊のウリ坊にそそのかされなし崩し的に若おかみになる宣言をしてしまい、温泉街のひとびとやお客、幽霊とふれあいながら成長していく女子小学生(概念)向け超王道ストーリーだ。猥雑はない。

なお、この記事には映画の予告以上のネタバレは基本的にないように配慮しつつ書くつもりだからそのへんはあんしんして読んでほしい。

始まりはトゥイッターで「若おかみは小学生!でも実は ヴェノム」とか「若おかみ と大人になった プレデター」とかいう文字列を見て、よっしゃ自分も半券芸でもやるかぐへへくらいのつもりだったのがまさかのドはまりである。
他の映画を見に行ったときに流れていた予告をみて「キャラデザはキモ・オタク向けじゃないけれど、なんか異様に作画に力が入ってないか?」といったひっかかりもあったので見る映画リストに入れておいたのはわりとファインプレーだった。偉いぞ僕。

原作は未読でつい先日まで放送されていたTVアニメ版も見ていなかった状態で、事前に知っていた情報は「両親を亡くした子が旅館の若おかみになる」ということのみ。なんか昔そんな名前のアニメなかったっけ?リメイク?とか思ったがそれはママは小学4年生だ。サンライズ!
ところで原作は2003年からのシリーズなのだが、トゥイッターで「小学生のころ読んでいた!」とかそういうのを見かけるたびに特大ダメージが心にグサグサくるからやめて。

とまあ、ロクに事前知識もなく「小学生が若おかみになってなんか迷惑な客とかの問題解決していくやつなんだろ」とか雑に思って見に行ったわけだ。

見に行ったのは爆発的な話題になる前だったのもあり劇場内はわりと空席がある感じで、家族連れとキモ・オタクが半々くらいの内訳だったと思う。
上映前に妖怪ウォッチの予告で隣の友人が「えっ、本編始まった???」とか混乱していたが、照明ついたままだし映画泥棒も流れてなかったので僕はだまされなかった。

で、本編だ。
まず美術がやばい。予告映像でもわかるが背景や撮影のクオリティが尋常でない。季節の変化による空気感の表現なんかは図抜けている。
そしてトゥイッターでもよく言われているがメガネ(というかレンズ)描写が気が狂っているのではというレベルのこだわりようだ。たいていのアニメでは省略されるメガネの影やレンズによる屈折がきっちり描かれていたりアンダーリム率0だったり、あたまおかしいんじゃないのか(誉めてます)。

※10/8追記 アンダーリム率0とか言ってましたが、おっこのクラスメイトのおさげの子がアンダーリムでした。テキトーいってごめんなさい。

メガネ以外でもガラスやら幽霊やらでも屈折表現ガチガチにやっているし、ほんとなんなんですかね!?
そして食べ物がめっちゃおいしそう。そのうえ劇中で登場する「これ絶対食べたいやつじゃん」というやつのレシピがパンフレットに載っているのでみんなも劇場のおねーさんに「小学生のパンフください!」って言うべき。言った。

あとキャラクターの心情描写が本当に素晴らしい。心情の変化が外見にも細かく出ていたりして芸が細かいことに関心するし、いつの間にか見ているだけのこっちまで動悸が激しくなったりして自分が完全におっこに感情移入してしまっていたりと、感情の流入が激しい。
「ここで泣け!」みたいな感じではない場面でもなんか目から涙が流れていることすらあるので、ハンカチだとかタオルの類はいつでも使えるようにしておくといいと思う。
これは細かく書いてしまうとネタバレになってしまうのでかなりぼかすが、両親の死に対するおっこの心情描写があまりに生々しくてつらい。カギ爪の男をぶっ殺せばスカッとするとかそういう話でもないのでこのあたりは本当につらい。

世には「子供向けにしてはハードすぎる」などという意見もあるが、昔から子供は人間爆弾とかアスカでシコるとかそういうのを見て育っているんだぞ。あまり子供を馬鹿にしないほうがいい。

個別のキャラクターについては書き始めると止まらないしネタバレの嵐になるので今回は控えたいが、ピンふりこと秋野真月さんがパーフェクト女子小学生的振る舞いでつよさを見せつけたあとにちょびっと年相応なムーブしているところがめっちゃかわいいからよく見ておいて。TV版とか見ておくとしぐさの意味とかよくわかるのでよりグッドだねぇ!

女子小学生てきにはMOTHERシリーズでおなじみの鈴木慶一氏が音楽担当なところもポイント高い。エンディングまで耐えられずに泣く。エンディングでも泣く。

あと「人間万事塞翁が馬」にひっかけたのジンカンバンジージャンプとかいう実質仮面ライダーの挿入歌(作曲が鳴瀬シュウヘイなのでピンとくる女子小学生は多いはずだ)も最高なのでみんなで音源売ってくれって言いふらそうな。

映画を見たあとの感情については、このpostにすべてが詰まっているのでこれ以上書くことはない。

このあとまっすぐ家に帰ってを見たが、劇場版とは少々方向性が違う感じである意味相互補完的なつくりになっているのでみんなも見るべきだと思う。2期はよ。

あと、話題をうけて原作のセールも始まったようなのでこの機会にみんな買え。

最後に、
ロードバイクが一瞬出てきたので若おかみは小学生!は実質茄子。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?