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#3 イチ


新しい職場に勤め始めて、
あっという間に1ヶ月が経過した。

優しい先輩、上司に恵まれたお陰で
何とかやれているし、少しずつだが独り立ちもしている。
マイペースで自由な雰囲気があるので
仕事がやりやすく、とても有り難い。

一見、華やかそうな所に飛び込んでみたけれども、
実際はシンプルなデスクワーク。
ひたすらメール、メール、たまに電話、FAX。
みたいな日々。
オフィスも驚くほどシーンとしている。
それでも居心地が良く感じるせいか
1分前行動しかできなかった私が
今では1番乗りで出社している。


1つ、大きく変わったことといえば、
生の音楽に触れる機会がかなり増えた。

学生の頃は毎週末ライブハウスに通っていたが、
社会人になってからは不思議と機会も減り、
気づけば「今年ライブハウス行ったっけ…?」と
思い出せなくなってしまっていた。

私のアイドルブームが再熱したことも要因だが、
学生時代にいろいろと燃え尽きてしまったことが
1番の要因だったと、今なら思える。

暫くライブハウスから離れたいと、
無意識に考えていたのだろう。



それでもやっぱり、
私の青春のすべてが詰まった場所は
紛れもなくライブハウスだった。

ここから夢が始まり、
いろんな角度で景色を見て、
夢を膨らませていった。


いかに自分の存在証明をするかで
必死だった、無我夢中だった
あの頃の自分。

恥を恐れず、身勝手で
迷惑をかけてばかりだったので
黒歴史のような時代ではあるが、
この四半世紀の中で
あの頃の自分が、
1番ダサかったけど、
1番かっこよかったなと、今では思う。

社会人になってからは、
そんな生き方を「みっともない」と感じる
意識が芽生えてしまい、すべてを抑圧していた。
普通であろう、と努力をしたこともあったが、
あまり上手くいかなかった。

いろいろ失敗した結果、
「またあの頃のような、ばきばきアイデンティティの自分に戻りたい!」と
強く思うようになった。

昔の自分に憧れ、愛おしいと思う日が来るなんてなあ
と驚きつつ、やはりあの時の自分は面白かったと、
胸を張れた。


もう一度、原点に戻って
これからの人生を明るく
切り拓いていこうと思います。

さあ、次は何をしようかなあ。

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