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深い読み込みから魅せる世界 高畑勲展に行く

宮崎駿と共に制作し、「アルプスの少女ハイジ」、「火垂るの墓」、「平成狸合戦ぽんぽこ」など数多くのアニメーション作品を監督した高畑勲の展示会が現在東京国立近代美術館で現在開催中だったので行ってきました。

この企画展では最初に生涯を振り返りそれぞれの時代での代表作を絵コンテや脚本の資料とともに探ってみるという形式でした。

特に印象に残ったのがまだ紙の時代だったにもかかわらず存在したテンションチャートと呼ばれる登場人物それぞれのテンションの状態をグラフ化した図でした。この図があることにより制作に関わる全員が登場人物の今の感情をきちんと把握することができるというとても画期的なものだったように思います。

そして彼の一番の特徴はなんといっても原作の読み込みから発揮される強い作品に対する方向性、そして日常です。「アルプスの少女ハイジ」では初の海外ロケハンを実施したことや「おもいでぽろぽろ」「となりの山田くん」などでは背景を始めとした日常の描写にとても日常感を感じるというかアニメという媒体でここまで繊細な表現を演出できるのは本当すごいように感じました。

「となりの山田くん」から最後の作品となる「かぐや姫のものがたり」の公開まで14年かかるなど深い作品や演出を追求するゆえに多くの弊害はありました。しかしその弊害をくつがえす作品や多くの可能性を特に晩年2作にはみることができます。

リアリズムからアニメーション独自の表現を追求していくという流れを作った一人のアニメーション演出家の生涯を多くの作品から見ることができてとても良かった一日でした。

高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの
会期:2019年7月2日(火)~10月6日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
展覧会公式HP:https://takahata-ten.jp/

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