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パンプスを履いたっていい。フェミニズムの真意を知り脱”フェミニズム疲れ”


「わたしはフェミニストだ」と誰かに話したことはありますか?私は実際に身近な人へそう話したことがあります。

SNSの普及により女性の尊重を求める声が身近になりました。”フェミニズム”という言葉も世の中に浸透し、”フェミニスト”を名乗る人も増えています。
フェミニズムとは男女という性別二元制による差別や「女性だから」という理由で仕事や生活において障害をもたらされることに反対する思想です。フェミニストとはこの思想に賛同し主張する人を指します。「わたしもそう思う! 」とSNSやニュースサイトなどで情報収集をするようになった方もいるかもしれません。ですが、知識が豊富で自己主張の強いフェミニストの情報や意見に触れ、もしかしたら「わたしはフェミニストではないかも」「なんだか疲れてしまう」と少なからず”フェミニズム疲れ”をしている方もいるようです。

今回は、フェミニズムの真意を紐解き、フェミニストとはなにかについて考えます。


フェミニズムが広がるきっかけ。#MeToo・#KuToo運動そして上野千鶴子氏の東大スピーチ


Twitterで話題になった”#MeToo運動”は、ある米国ハリウッドプロデューサーのセクシャルハラスメントに女優たちが抗議したことから派生したもので、それに賛同する形でTwitterのユーザーが一般社会での被害を「わたしも(Metoo)」 とハッシュタグをつけて告白するようになったことから広まった言葉です。セクシャルハラスメントについて声を上げる女性が次々と現れ、セクシャルハラスメントや女性に対する意識に変化をもたらしたムーブメントとなりました。その後、現れたのが”#KuToo運動”で、グラビア女優で、ライターの石川優実さんのTwitterでの投稿からはじまりました。職場や就活においてパンプスを着用するよう指定されることについて異議を唱えたもので、多くの人がその投稿を拡散し、話題になりました。これらの、#MeToo・#KuToo運動に共感し女性が働きやすい社会に一歩近づいたと悦喜した方もいるはずです。

そしてフェミニスト・社会学者の上野千鶴子氏の東京大学入学式の祝辞が話題になったことで、フェミニズムという言葉が著聞されるのに拍車がかかりました。東大の女性新入生の比率が2割を超えないことや東大内や社会で実際にみられる女性差別に触れ、女性が努力で報われない状況に疑問を投げかける祝辞を述べたのです。賛否両論ありましたが、日本の性差別について多くの人が考えを巡らせるきっかけとなりました。


賛同できる!だけどわたしはフェミニストじゃない?

このように、いまではフェミニズムが身近なものになりました。ですがその一方、フェミニズムに関する知識やSNSで女性差別に対して強い反対をする情報や意見を受け「わたしはそこまで思わないから」や「フェミニズムに関してしっかり勉強してるわけではないから」そして「わたしには男性に対抗する能力がないから」という理由で、自分はフェミニストではないのではないかと考える人がいるようです。

仕事をする上でセクシャルハラスメントを受けたことがない人や、パンプスを履いて仕事をすることに苦痛や疑問を抱かない人もいます。また、フェミニズムを女性の自己利益の主張なのではないかと考えたり、フェミニズムは仕事をし男性と対等な評価を得たいと感じるような活躍をしている女性が主張するものだと考える人もいるようです。フェミニズムが広がることは、男女平等な世界に近づくいいきっかけとなりましたが、世間が取り上げ話題にするのは少なからず過激で自己主張の強い意見であることが見受けられます。その考えに当てはまらないことからフェミニストを名乗ることに躊躇してしまう女性も多く見られるのが現状です。

フェミニズムとはなんだろう。本当の意味を理解してますか?

フェミニズムが取り上げられる中で、フェミニズムを知っていることが前提であるような情報が多くありますが、それはすべてフェミニズムの真意を捉えているものでしょうか?フェミニズムの意味は先に紹介した通りですが、イギリス人のTeo Mechea氏のフェミストとはなにかを説明したイラストにはこうあります。

「男の人も、もちろん女の人も、フェミニズムとは男女平等であり、多様性を受け入れること。反対に、ありのままでいることや、化粧をしたり、素顔のままでいること。おしゃれが好きでファッショナブルな服を着たり、質素でいることは、フェミニストには関係ありません。何を身につけるかの選択が、あなたをフェミニストにさせることはないのです」

Teo氏はフェミニストをこのようにいっています。この文章を読んだとき、フェミニズムはとても単純なことに思えるはずです。#KuTooを例にあげると、パンプスを着用することに反対であるという解釈をしている人が見受けられますが、真意は”女性が何を身につけるかは自由である”ということを主張しているのです。

時折り、フェミニズムが女性の権利を訴えたり女性の不満を解消したりするものだという間違った解釈が広がって、”女性が男性に主張する女性だけのもの”というイメージになっていることがあります。ですが、フェミニズムを主張することは多様性を受け入れようとすること。性別による”らしさ”ではなく、あなた”らしさ”を主張するものなのです。


人と比べる必要はない。フェミニズムはあなたがつくるもの。

フェミニストを名乗れない人の多くはフェミニズムの真意をよく知らないままフェミニストの意見や考え方に触れ、それらと自分を比べることでフェミニズムから離れています。ですがそれは違うことがわかったはずです。

パンプスを履くとスイッチが入るという人や男性に対する女性ならではのサポートを得意にする人もいます。フェミニストとは、男女という壁を作らずに個人を認め尊重することです。他のフェミニストと比べる必要はありません。あなた自身が判断し、多様性について理解を深め受け入れることが、あなたはフェミニストである証なのです。


出典
#KuTooって知ってますか ?https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190319/amp/k10011853271000.html

フェミニストは「賢い都会の女性」という風潮への違和感
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66408

今さら聞けない「フェミニスト」。あなたは説明できますか?
https://tabi-labo.com/281625/meaning-of-feminists

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