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関係性の中で振る舞いは変わる

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『ウサギとカメ』の童話は、きっと多くの人が知っていることでしょう。

じーちゃんばーちゃんの家には、たくさん絵本があって、小さい時は繰り返して読んでいました。


貫くカメと、過信するウサギ?


『ウサギとカメ』を読んでいた子どもの頃、双方をどんな人物と捉えていたんでしょう。


「子どもは小さな大人ではない」ですから、今の私に知る由もないです。きっとその時なりの捉え方があったでしょう。

知れるものなら知ってみたい。


同じ頂上まで競争したウサギとカメですが、できることに違いがありました。


ウサギは、そのカメの違いに気づいていて、振り返ってみたり、居眠りをしてみたりしています。


カメとの関係性の中で、振る舞いを変えたということなのでしょう。


何だか、「頂上」よりも「カメ」を気にしているようにみえます。



さて、このカメに対してですが、『人より時間のかかる』という点で、視覚障害のあるトモと、近しいものを感じます。


幸いトモは、移動についての困り事が少ないので、読み書きで例えると


「どんなに・・かめが・・いそいでも・・どうせ・・ばんま?ばんま・・あ、ばんまで・・かかる・・だろ」


『うさぎとかめ』の歌詞の一部ですが、機器を通しても、トモの読みはたどたどしい


読み書きに関しては、見える人と同じ頂上までいくには、『時間がかかる』


拡大読書機を使ったり、PC画面に首を伸ばしたりしても、頂上までは遠いものです(修士論文ははるかに遠かった)。


それに、同じ頂上に着いたとしても、その足跡は、障害物を避けてグネグネになっているかもしれませんね。



音声読み上げを使えば、足速なカメにはなれますが、


必要な部分だけを抽出して読んだり、文字の大きさや色を変えたり、といったことがあると、ウサギには到底追いつくことができません。



『ウサギとカメ』のお話では、『時間がかかる』カメに、ウサギは最後まで付き合っていましたね。


カメを横目に、「あー、カメってあんな感じなのな」とお構いなしに過ぎ去ることもなく


カメを軽く振り返って、「どれくらい遅いかなんて、君が言わなきゃ分かんないよ。」「これまでに速くなる努力はしてきたの?」 と言い捨てることもなく。



これまでにも、『人より時間のかかる』トモに付き合ってくれるくれる人は様々いて、


歩調を緩めて、「大丈夫か?それつまづくんだな。」 と言ってみたり、


ふと立ち止まって振り返り、「その先、障害物あるからなー。」 と言ってみたり、


「合目」で腰に手当てて、「来てんなー。こっち5分休憩してるから、そのペースでなー。」 と言ってみたり。



関係性の中で、振る舞いは変わる。



嫌味っぽくみえて懐っこいウサギ。今では、可愛く感じます。

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