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サポートの量と質を高める

✳︎
白杖もたないの?」


もたない。」


4年続いたこの会話、先日変化しました。



さて、発症率の極めて稀「レーベル病」ですが、出会った発症者の数も、気づけば二桁になりました。


共通しているのは、10代〜20代で発症しているということ(私の経験の話で、この年代に限りません)。


この時期には、その人に起きた「悲劇」など何も待ってくれることなく、人生における節目が迫ってきます。



トモは、「レーベル病」を理由に26歳で、就いたばかりの職場を離れました。そして、これからどうするかを絞り出します。


自分が何者になったかも、どう生きていけるかも分からないままに、時間、日常が、止まってくれません。


テレビがついているだけでも、冷蔵庫を開けるだけでも、友達の仕事話を聞くだけでも、フツフツとして、発狂しそうになります。



「泣いて治るんだったら、泣けよ!」



「俺は違う、みてろよ」



当初は、悪態をつき、肩肘を張ることで、自分の環境を安定させてきたようです。



白杖は、この安定のためには邪魔だったのかも知れません。



プラスして、「中心暗点」という視野の欠け方。



文字の読み書きが著しく難しくなる一方で、歩けてしまうし走れてしまう。(トモの歩行にとっても白杖が邪魔になるのも然りでした)


トモにとって、歩くこと走ることは「できること」。


「できること」 だから 「もたない」。



変化があったのは、再就職後。


「ロービジョン者として働く」中で、読み書きの落ち込みが足を引っ張る。


連日悩み続けたある日に、台風で交通機関が乱れた。


駅の人混みで状況が、わからない。


タイムリーな情報が、入手できない。


たとえ、歩けても走れても、移動が「できない」。



そんな経験をしたのちに、弟くんから


「やっぱりこういう時には、お前のことが心配になる。」


そう言われてきたそうで。



トモは、「弟に言われた。だから、明日から白杖、鞄に入れる。」


と、何とまあスッキリした言い振りで、白杖とともに過ごすことを決めました。(びっくり)



できるけど、できない場面がある。


歩けても走れても「移動」するには、情報やサポートが必要。


サポートの量と質が高まる率を、自分で上げること


そうすることで大事な人を安心させること


それができる術が腑に落ちて、納得したようです。


靴箱の上で埃かぶってたシンボル用の白杖。これからたくさん出歩けるようですね。


いつも見守ってくれる方々へ、報告したいがためのお話でした。

#ロービジョン #視覚障害 #弱視 #白杖 #サポートの質と量 #大事な人を安心させる #レーベル病 #中心暗点

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