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情報や刺激のない世界?

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「情報の約8割以上は、視覚から得られている」と、よくいわれますよね。


数年前、急激な視力低下が生じた時、私のよく知るロービジョン者は、今まで得られていたはずの情報とか刺激を、掻っ攫われたような気持ちにいたんだろうなあと。


ただ、視覚のほとんどを失った彼が今でも、「情報とか刺激のほとんどない世界に生きている」と表現してしまうのは、妥当?


少なくとも彼の生活を内からみるようになって、彼が豊かな世界に生きてるなー、と実感することが多くなってきました。



先日、買い物のお話をしました。


見えている私が「またこの店に来たい」と思うまでの間には、外部の情報とか刺激がたくさん眼に飛び込んできている、と思います。


店内の雰囲気、商品の色、柄、形、鏡で合わせた姿、マネキンや展示の雑誌、値段…


こういったものが、彼の眼にはひょいひょい飛び込んできてはくれません。代わりに、


店内の音楽や、店員さんの好みやおすすめ、商品にまつわるエピソード、聞いた商品名の由来など


視覚でないところから、「これいいなー、これ知りたいなー」を選びとって「またこの店に来たい」に、繋げているように感じます。


見えている私には、視覚は圧倒的に優位ですし、目は見えていた方がいいというのが私の本音です。


ですが、そうでない彼も、「またこの店に来たい」になるための、情報や刺激の選びとり方は身につけられてるんじゃないかなと思うのです。


「情報の約8割以上は、視覚から得られている」といわれる。その中で、視覚を失ったとしても豊かに生きていけるように、どう選びとっていってるのか、もっとたくさん教えてもらおう。



追記)視力は見え方の一部しか反映しないという前置きをしますが、ロービジョン者の見え方は本当に多様で、彼のことをいくら書いても、他のロービジョン者に「当てはめる」ことは目指せません。
せめても、にはなりますが、見え方を代表するものとして(共有できるものとして)公にすると、彼の視力は0.01、中心暗点のため眼球をずらし、より見えるところを探し出すことを継続し、出るようになった視力で生活を送っています。

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