一発逆転

27歳、独身、彼女なし、フリーター。
世間では、俺みたいな人間のことを「負け組」と言うらしい。
世間から何と言われようが、どうでも良い。
だけど、このまま歳を重ねるのもヤバイ気がする。

「宅建でも取って、正社員の職を目指そうかな」

真面目に勉強すれば、確実に取得することができる。
専門学校や大学に行かなくても、取得することができる。
正社員への就職も、今よりもっと有利に。
多くの魅力があるこの資格を、俺は独学で取得することにした。

「部屋にこもって何してるの?ゆうちゃん。
まさか、インターネットで変な言葉を検索してるんじゃあ
ないでしょうね」

後ろから聞こえてきたのは、今年で53歳になる
母の声。いつからすぐ近くにいたのだろう?
驚きで思わず目が丸くなる。

「人の部屋入る時は、ドアノックくらいしてくれよ」

良く言えば、世話好き。悪く言えば、過保護。
もう27歳なんだから、自由にさせてくれよ。
変な言葉って何だよ。別に検索してねえよ。
いや、時々は検索してるけど。

「ゆうちゃんの歳の頃はねえ、
お父さん、私と結婚して立派な家庭を築いてたわよ。
それなのに、あなたは定職にもつかず
昼間からブラブラと・・・」

ああ、また始まった。
逃げようかな。でも、ここで話聞いておかないと
もっと面倒なことになりそうだし。

(宅建って、数学が苦手な俺でも取れるのかなあ・・
独学じゃなくて、スクールに通った方が良いのかなあ)

母の説教など上の空で、俺は宅建のことを考えていた。
「この資格を取れば、500万円以上稼ぐのも夢ではない」
どこかのサイトに、そのようなことが書いてあった。
良いねえ、年収500万。年収150万円の、
貧しい今の生活から抜け出すことができる。

「ちゃんと人の話聞いてるの?ゆうちゃんってば」

考えを遮るように、ハッキリと母の声が聞こえてきた。
意味のない説教を聞かされるくらいなら、宅建の
勉強でもしてた方が増しだよなあ。

なんてことを思いながら、ゆっくりと密かに瞳を閉じた。


一発逆転を夢見て、宅建の資格取得を目指す

27歳独身男性の話。「2ちゃんねる」のスレ主の実体験を

湊かなえ風に書くはずが、ただの宅建取得を目指す

青年の話になってしまいましたorzごめんなさい・・・

宅建の宣伝小説ですかこれは?と突っ込みたくなってしまうのですが、

一生懸命書いたものなので皆さん良かったら読んで下さい。

スレ主さん宅建資格、勉強頑張ってね。応援してます。






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