つながり孤独

「おはよー。今何してる?」
「仕事の調子どう?」
「今日彼氏と喧嘩しちゃってさー」

SNSを開けば、たくさんの友達がいる。
フォロワーの数は1万人。
私は決して孤独なんかじゃない。
だけど何故か ふとした瞬間に
‟誰ともつながっていない” そんな寂しさに襲われる。

「心配してくれてありがとう。
うちはいつもの通り、元気だよ。
○○ちゃんが薦めてくれた漫画、
すっごく面白かった」

当り障りのない返信を打って
スマートフォンを閉じる。
いつも通り元気なんて、うそ。
仕事が上手くいかなくて、本当は
すごく落ち込んでる。

「私たち結婚しました~!!!
応援してくれたみんな、ありがとう☆」
「今日は東京の本社で研修!
大変なことだけど、がんばるぞ!!!」

SNSを開くと、ついキラキラした投稿ばかり
目についてしまう。
本当は見えないところで皆苦しんだり
悩んでいたりするかもしれない。
そんな考えも脳裏を過るのだけど
どうしても周りの人と
自分を比べて気持ちが沈んでしまう。

「仕事、全然上手くいかなかったよ。
たぶんこのままいくと会社クビ。
職場の人間関係にも馴染めなくて、
いつも一人でご飯食べてるよ」

自分の本音を誰にもさらけ出すことができない。
SNSに投稿するのは、無難な言葉だけ。
本当は凄く辛い。本音を打ち明けて話せる友人が欲しい。

私はいつも、ひとりぼっちだ。


<2018年7月25日 水曜日 NHK放送
「つながり孤独」若者の心を探って・・・>
をTVで拝見して書き上げた小説。
短大にいた時、意味もなく友人の数に
こだわっていたなあって
友人のFBを見て落ち込んでしまったり
共感できる部分が非常に多かったので、
もっと多くの方にこの問題を知ってもらいたいと考え、
小説を書きました。
最後まで読んで下さった方、本当にありがとう
(*^-^*)



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