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狭窄性腱鞘炎ドケルバン病を患った

みなさんは、腱鞘炎というものを患ったことはあるだろうか。
私は今、人生初の腱鞘炎との生活を絶賛実施中である。

このたび私が罹っている腱鞘炎は、ドケルバン病という狭窄性腱鞘炎である。

人生で何度も耳にしたことがある腱鞘炎。まさか自分の身に降りかかるとは……。


発覚

症状が出たのは、2023年8月。モントリオールに住んでいて、近場にカヤックをしに行った2日後だった。
右手首の親指側、骨がある部分がなんとなく痛い
カヤックは一人乗りで、否が応でも自分で漕がなければならず、おそらくろくにカヤック経験もない私が変なスタンスで漕いだからなのだろうし、自然と治るだろう、と思って特に気に留めずにいた。


ここ

しかし、それから数日経ったものの、待てど暮らせど痛みが消えることはなかった
しかもあろうことか、何なら痛みが強くなっていく気がする。

これは何やらおかしいのでは」、とようやく考えた私は、「手首 親指側が痛い」などのワードを使ってインターネットを検索し、ひとつのページに簡単に辿り着いた。

説明のページに載っていた「フィンケルシュタインテスト」という診断方法。
痛みがある手の親指をその他の指で包むようにして、小指側に手首を反らせるという感じのものだ。
行ってみると、とんでもない激痛が走った

専門家に診断されたものではないから、この時点での確信は出来なかったが、自分の中でこれを一旦受け止めることにした。
日々強くなっていく痛みが不安であると同時に、これが名のある病気でありそうだということに安堵もした。

モントリオールで病院にかかるのは時間もお金もかかるし、当時はあと2ヶ月以内に帰国する予定だった。
そのため、それまでどうにか耐えることにした。

症状

耐えることにした私に追い打ちをかけるように、毎日強くなっていく痛み。
これまで出来ていたことにも痛みを伴うようになり、「こんなのも出来なくなった」とか「早く病院で診てもらいたいのに、まだ耐えなければいけない」と考えて、結構辛かった。

ピーク時には、本当に何をするにも痛くてしょうがなかった
例をあげると、

  • 着替え

  • トイレ(服を下ろす動作、紙で拭く動作)

  • 起床時(筋肉が固まっていて?痛い)

  • 髪を結う

  • 食器洗い

  • 布団を掛ける

  • ハサミを使う

  • 洗濯物を洗濯機に投げ入れる

  • 洗濯物をバンバンする

  • 食事(箸などを持つ動作)

  • ペンを持って書く

  • 手を洗う、手を拭く

  • 瓶などの蓋を開ける

  • 重い物を持つ

その他、患部が捻られたり伸びたり、患部に力が入る動作で痛む。
これが思ったよりも生活中に溢れかえっていて、何をするにも「イテー!」と口にしていた気がする。

日本での通院までの気休めという気持ちで、Pharmaprixで買った手首のサポーターを着けて生活をしていた。

治療

2023年10月、帰国してすぐ通院することは叶わなかった。
住民票を抜いて出国したので、健康保険に加入していない状態だった。
それに、帰国と同時に国内数カ所を旅行してから地元北海道に帰る予定だったため、「日本にいるのに病院に行けない」という期間があった。
この期間が最ももどかしかった。

2週間後、北海道に戻り、すぐに整形外科を受診した。
問診を受け、レントゲンを撮られ、触診され、結果はやはりドケルバン病

医者との会話もそこそこに、即脇のベッドへと寝かせられ、手首に注射を打たれた
数分以内に患部を含む右手親指あたりまで痺れが広がり、麻痺しているおかげで少し痛みが和らいだ。

続けてそのままリハビリ室に移動し、患部周辺のマッサージや生活アドバイスなどを受ける。
「腱鞘炎は使いすぎにより起こるものだから、使わずにいれば治る」。
そういったものだそうだ。

ただし、手(しかも今回は利き手)を使わないで生活するのは現実的ではないため、左手で出来そうなことを見つけて右手首の負担を減らす、という方針になった。
また、経皮吸収型鎮痛剤のテープを患部に毎日貼って過ごしている。

原因

原因を聞いてみると、やはり使いすぎによるもの(特に親指)。
酷使が蓄積して発症したようで、カヤックだけが原因で起きたものではなさそうだった。

罹る前までは、「自分が右手を使いすぎている」などとは思いもしていなかったが、思い返してみると酷使していたのかもしれない。

例えば、仕事。2022年秋頃から2023年8月上旬までラーメン屋で働いていたため、日常的に丼や重い鍋を持ったり、麺の湯切りをしたり、仕込みで包丁を握ったりしていた。(発症が仕事を辞めてからで本当に良かった)

YouTubeへの投稿を始めたので、動画編集などのPC作業をする時間が増えた。
かぎ針や棒針での編み物もしていた。

渡航前もPC作業の仕事を長年していたため、比較してそれほど右手の酷使が増えたとも思えないのだが、まあ蓄積ということはこれも積もり積もって原因となったのだろう。

現状

発症から3ヶ月超、初めての通院から1ヶ月と少しが経過した。
今のところ、1〜2週間に一度通院しリハビリ治療を受けている。

日々のマッサージや右手への気遣いにより、ピーク時の頃よりはよっぽど痛みはマシになり、重い物を持つか患部が伸びた時以外はほどほどにやり過ごせるようになってきていた。
毎日起きた瞬間、手首が痛い状態でないのがとても嬉しかった。

そんな中、つい先日ぶり返した強い痛み。
原因はわかっている。調子に乗って動画編集を長時間行っていた。
やってしまった……。

青ざめて病院に行き、2度めの注射を打ってもらったところ。
反省し、ここ2日間は動画編集やゲームも諦め、安静にしている。

動画編集、ゲーム、編み物、ピアノなどなど……。
来月仕事に復帰するまでの、時間のあるうちにしたいと考えていたことが出来なくなってしまった。

右手の未来のため、今はひとまず大人しくすることにした。

本当ならこんな記事も書かずにいれば良いのかもしれない。
でもこれは、親指を使わずに書いています

北海道出身