ALICIA

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福原みほです。
音楽ライターではないですが、音楽が大好きです。
歌うのも聴くのも。
ファーストアルバムから大好きなアリシアキーズのニューアルバムについて私なりのライナーノーツを書いてみました。
このアルバムが好きな人も、まだ聴いてない人もぜひ読んでみてください。

1.Truth without love
アリシアという自分の名前をアルバムに七枚目にしてつけた彼女。
最近の彼女は悟っている。
若返っている。
自分の真の姿を見つけたとインタビューでも語っていた。
誰かが喜ぶための自分を生きるのではなく、自分自身に重きをおいている。
母親、妻、音楽家、司会者、女性、アメリカ人、色々な役割を果たしながら、空間の中で見えてきたアリシアという人の答え。
彼女はアルバムの1曲目に必ずこういうインタールードを入れてくるが、今回はアルバム、そしてアリシアの名言、悟りがこの1曲目に。
「Truth without love is lie.」
クレジットに旦那でプロデューサーのSWIZZの名前が。
かっこいい!
愛でできたアリシア。


2.Time machine
この曲は去年の11月にリリースされた曲。
かなり新しい方向で攻めてきたな、とアルバムを匂わす発言もあったので、次はどこへ?と感じさせられた一曲だった。
アルバムのアクセルに持ってこい。
プロデユーサーにはジャスティンティンバレークやリルウェインも手がけるKeys Rob Knox。


3.Authors of Forever
この路線は彼女にしては新しい。
プロデユーサーはアイルランド出身でアーティスト活動もしてるJohn McDaid 。
今作ではUnderdogも手掛けている。
この爽やかなトラックもさらりと歌いこなす、シンガーソングライターイメージが強い彼女だけど、シンガーとしてもキャラクターが凄い一曲。


4.Wasted energy
今までのアリシアの歌の録音とは全然違う形で、加工もかなりされたボーカルとバックグラウンドとのバランスがとっても好きだ。
ダブはやはり彼女も好きなジャンルであるし、アリシアの父はジャマイカ系の血を引いてるので、こういったリズムに歌やソウルがピントが合うのに心底納得がいく。
Diamond Platnumzはタンザニアを拠点に活動してるアーティストで、プロデユーサーはP2J、彼は最近ではビヨンセのビジュアルアルバム”Black is King”の中の”Brown Skin Girl”も手掛けている今注目のプロデユーサー。
このダブとも似ているアフリカンリズム主体のトレンドはまだまだ続きそうだ。
(エドシーランやドレイクなどもかなり研究している分野。)


5.Underdog
2020年に入ってすぐにシングルでリリースされたこの曲はたちまちヒット作品になった。(うちの娘も大好きな一曲=キャッチーなメロデイー )
シングルのカバーも新しいビジュアル感で出てきて、ハッとさせられ、フューチャリスティック感もあって好きだった。
アリシアにしては耳馴染みのないメロディとトラックで、製作陣を調べたら、エドシーランがライターとして入っていて納得。
彼が歌ってるのも想像できる。
プロデユーサーはアイルランドのアーティスト活動もしてるJohn McDaid 。
ピンクやエドシーランに曲を提供しているのでも有名。
何回聴いてもいい曲です。
歌詞の世界は今の混沌とした世界で生きてる人たちへ、彼女もシングルマザーの家庭で育てられたバックグラウンドが垣間見える。


6.3 hour drive (with Sampha)
イントロのトラックから3時間のドライブに連れて行かれそうな導入。
楽曲制作は本人とサンファ、そしてここ数年ではサムスミスの”Stay with me”なのでヒットを飛ばしてるイギリス出身のプロデユーサーのJimmy Napesが作曲をしているところ。リリースになったばかりのnetflix のソングライターにフォーカスする"Song exploder"でこの曲の背景が放送された。アリシアからサンファへのオファーで実現したセッション、彼は母親を亡くしたばかりでその喪失感と共に共作した。サビの"You give me life" このラインから出来ていったそう。

あなたがくれた命を無駄にしない。

今のこの世界でとても響くメッセージなきょく。

7.Me x 7
リアーナのアンブレラも手掛けたプロデユーサーであるChristopher Alan "Tricky" Stewart 。
フューチャリングのラッパーは25歳の新星、Tierra Helena Whack。
派手なトラックではなく、この淡々といく感じも今のアリシアの今のムードなのだろう。
新人アーティストの起用もなかなか面白い。

8.Show me love with Miguel
この作品もシングルリリースされた一曲。
ミゲルを評価するアーティストは実はたくさんいる。
業界で、アーティストから評価対象になるのは、本当にいい人で才能があるか、才能の塊かどっちかだと思う。
今作でのアリシアとの相性も抜群。
私的には、この曲はセカンドのメロデイー につながるものが感じられて、今までのアリシアの築いてきたこの00年代のR&Bの面影がフワッと香って好きです。
プロデユーサーはMorgan Matthews。
テキサスをベースに活動する彼はまだまだ無名のプロデユーサーだが、今回きっとアリシアが気にいってこうして一曲になったんだろう。
今後の活躍も楽しみです。
シングルリリースでチャーとの上位にいかずプロデユーサーの彼は落ち込んだそう。

9.So done
このルーズなリズムとイメージはカリード得意な感じですが、アリシアにもこのテイストは今までの作品でもみられる。
ポップを狙ったり、あえてドラマティクな盛り上げを作らず、この淡々といくクールなR&Bも彼女にはあう。
プロデユーサーはスウェーデン出身のLudwig Göransson。
トラビススコットやチャンスザラッパーも手掛けている。
しかし、カリードの歌が本当にいい。。。

10.Gramacy park
Nprの”Tiny Desk”にアリシアが出て驚いてみたが、この曲が一番好きでアルバムの発売を楽しみにしていた。
アコギのサウンドも彼女の音楽には本当によくあう。
3rdくらいからロックテイストもよく取り入れていたけれど、何もアイデアを持たずにただスタジオに行って作曲するのも好きだそう。
プロデユーサーはイギリス出身のJimmy Napes、最近ではトリーケリーのアルバムも全面プロデュースしたり、サムスミス、デイスクロジャー、メアリーj、テイラースウィフトも手掛けている。
アリシアとはHereの”hallelujah”もプロデュースを手掛けている。

11.Love looks better
これはレーベル的にはシングルだっただろうと思われる。
テイサースウィフトさもあり今っぽい。
クレジットを見ると、ワンリパブリックのボーカルであるRyan Tedderも作曲に関わっている、そしてテイラーも手掛けるNoel Zancanellaも。
そう言われるとすごく納得できるw
こういう曲もアリシアの声に合うのかとびっくり。
彼女はインタビューで、レーベル側がこれがシングルだとか何とか言って彼女を納得させようとしたりしても、自分のムードがとにかく大事と。
”More Myself”という自伝を発売したけれど、どれだけ自分が世界が周りの意見に振り回されてるか、ということをこのタームですごく考えたそう。
彼女のリーダーシップは今大変なことになっている。(!)


12. You save me feat. Snoh Aalegra
Swizzとの姿が浮かぶ、浮かぶ。(ニヤリ)
彼にに捧げた曲だとすぐわかった。
彼と出会ってからのアリシアは完全に変わった。
ビジュアル、言動、活動の幅も今までのアリシアではなくいつもエンターテイメントを軸に動いている。
彼の影響が大きいだろう、どんな男なのか知りたい。(笑)
今作で注目すべきは初めて名前を見た。Snoh Aalegraはスウェーデン出身のシンガー、9歳から作曲もしている。
この人の声は特別でいろんなジェンダーを超える倍音(倍音も)を持っている。
2014年位コモンがアルバムで彼女を起用したところから一気に注目された。
彼女もまたプリンスに注目されコンタクトを受けてた一人だった。(アリシアもプリンスの大ファン。)
2017年にダニエルシーザーのツアーサポートも務めた。
最近ではNpr”Tiny Desk”にも出演しアルバムもリリースしている。
今後大注目のアーティスト。
私は実は前に見ていた、シャーデーのカバーでした!しかし美人さん💘

13.Jill Scott feat Jill Scott
アリシアが大ファンであるジルに作った一曲。曲ができた時にすぐに彼女に送ってオファーしたそう。
エンジニアが忘れないように仮のデモの段階でジルスコットというタイトルをつけたまま本作のタイトルになった。
プロデユーサーはDJ業もやるDeleno Matthews。
ジルのクレイジーなコーラスラインに私はノックアウトされた。


13.Perfect way to die
タイトルを見て色々考えさせられる一曲。
一番最高の形で死ぬというのは人間誰しも目指したいところであるかと。
スピリットが美しく燃え尽きて、最期の時にいい人生だった、そう言って逝きたいものです。
アルバムが出る直前にビデオとともにリリースされていた一曲。
今年は彼女は本当なら3月にこのアルバムをリリースし夏にはツアーをしていたはず。
コロナ渦やアメリカ国内においては注目されている選挙や”BLM”の問題もあり、世界には地球温暖化や問題は山積み、混沌とした世界、銃、デモンストレーション、色々な思いがめぐる一曲。
アルバムの締めにドラマっティクさが増す。
プロデューサーはアラバマ出身のSebastian Kole。

14.Good Job
前曲の”Perfect way to die”からの流れは泣いてしまう。
イントロから涙うるうる。
このコロナの時期に止まらずに働き続け世界を救う医療従事者の方にも向けてるだろう。
自粛が始まった後割とすぐにビデオとシングルでリリースされた曲。
アルバムを締めくくるのに素晴らしいストーリー。


アリシアさん、素敵な作品をありがとう。
落ち込んでる世界の悲しさを暖かく包んでくれるような作品。
そして自身の名前を遂につけたアリシア、本人が言うように今までで最高の作品であり、自分自身である。
内面をどこまでも見つめ紡がれたメロデイー と歌詞に酔いしれる。
皆さんももう一度大切に聴いてみてください。


それではまた。




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