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たびしゃしん――旅のメモ

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31か国の旅で見たもの・感じたこと、国内旅行について写真とともに紹介していきます。
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#日記

恐山で宿坊に泊まったら生き方を考える時間になった

令和初日は、恐山の宿坊から始まった。日本三大霊場の1つにも関わらず、ガイドブックにもあまり情報がなく、行ったことのある人も聞かない。同じ霊場の高野山とこんなにも差がついているのはなぜだろうか。 数年前から、釈迦生誕の地ネパール・ルンビニまで行ったり、曹洞宗の総本山永平寺で3泊4日の参禅研修に参加したりと、仏教の雰囲気を肌で感じることに興味をもっている。今回もちょっとした「仏教ファン」心に火がつき、気になっていた恐山に行くことにした。 恐山に何があるの? 恐山菩提寺という

「今到着しました」が英語で言えなかったカナダ留学初夜

大学1年生の春休み、カナダのトロントへ3週間の語学研修に行った。海外経験はほぼ皆無。けれど不思議と緊張は無かった。浪人時代は英語強化の予備校に通っていたし、大学受験を乗り越えたんだもの、それなりにできるだろうと得体の知れない余裕があったからだ。 搭乗予定の便は成田で出発が遅れ、現地には1時間遅刻で到着。エージェントで手配してくれた送迎ドライバーに連絡しなくちゃと、現地での連絡先が書いてある紙を取り出し電話をかけた。 だが、受話器から「Hello?」と英語が聞こえた瞬間に、

火葬場でのシャッター音が何気ない日常

ガンジス川の支流があるパシュパティナートは、川岸がヒンドゥー教徒の火葬場になっている。葬儀場?と思うけれど、ここは世界遺産に認定されたヒンドゥー教寺院。各国から来る観光客で賑わいを見せている。 午前9時前に到着した私は、ドブのような川で子どもが遊んでいるのを横目に裏道を1,2時間程度散歩し、川岸へ戻ってきた。 行きにはまばらだった人も戻ってくる頃には倍になり、特に密集している川岸の一部を橋から眺めると、人の間からふたつの足が見えた。 死体だ。 密集しているのは親族なのだ

苦行の後に見えたもの-ルンビニのお寺修行で感じたこと②-

ルンビニお寺修行の二日目は朝3:30から始まった。 起きてすぐに本堂の掃除を行い、4:30~5:30までは夕方のお勤めと同様に「南無妙法蓮華経」を唱えながら大太鼓をたたく。その後30分間お経を詠んだ後、一番不安に感じていた、4時間の行脚が始まった。 6:00頃日本寺を出発。最初の目的地は大きな菩提樹のある聖園だ。うちわ太鼓を叩きながら僧侶のビシュヌさんと「南無妙法蓮華経」を交互に唱え続ける。 出発して1時間ほどたった頃、「みほさんはラッキーですね」とビシュヌさんが話