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草食系の強さが好き

人間は食べ物によって作られる。何を、どんなものを食べるかで、その人の性格も変化するーー。

数年前に、マクロビや野菜メインの料理教室をしていた友人からそんな話を聞いた。ベジ関係の料理教室を開きたいと思う人はたくさんいるけれど、いわゆる"草食系”な彼女たちは利益の追求をあまり求めない。逆に、女性経営者を目指す人々の集まりに行くと、食事会は決まって肉料理になるという。

「"健康にいいから"と言って子どもにも野菜中心の料理を食べさせ続けると、競争心を失った弱い子になってしまうから、特に男の子はちゃんとお肉も食べさせた方がいいと思うの」

ベジ教室を開く傍ら、お肉もしっかり食べる友人の話を聞いて、「バランスよく食べることが、バランスよく育つことにつながるんだろうな」なんて思っていた。そして、多分それは間違っていない。

コンビニ弁当が続くとメンタルに影響が出るし、瑞々しい野菜を食べると体が喜んでいるような感覚になる。農作物を育てて食べる人間と、狩りに出て、命がけで勝ち取った動物の命を食べる人間では、食べる時の気持ちも違うはず。

とくにベジタリアンやヴィーガンになる人は、動物愛護の観点から入る人も多い。「自分以外の生き物を傷つけたくない」と思う気持ちから、植物だけを食べたいと思うようになる。

しかし、果たしてそれは「競争心がない」こと、「弱い」ことにつながるだろうか。

ベジ、ヴィーガンを選んだ人は、肉を食べる選択肢をあえて外した人たちだ。"食べられない"わけではないから、もちろん過去は食べていた経験もある人が多い。さらに"嫌いで食べない"わけでもないので、人によっては「好きだったけど、食べるのをやめた」という人だっている。そこまでして「食べない」選択肢を選ぶことは、「弱さ」があってはできない。

「傷つけたくない」と考える人たちだから、もちろん誰かと争うことはしない人が多い。けれど彼ら・彼女らは、自分自身と戦っているような気がしてならない。意思をもって、どこまで貫けるか。他者ではなく、自分が決めた約束事に対する、自己との競争なのだ。

誰かの指示でベジ・ヴィーガンになってしまった人は、その「選択」をしないまま野菜だけを食べ続けるので、確かに"強さ"は無くなってしまうように思う。けれどそれは野菜だけでなく、「選ばない人生」そのものが強さを奪う要素になっている。

他者には優しく、自己と戦うベジ・ヴィーガン。出会ってきた人を思い浮かべると、その"強さ"こそが彼ら・彼女らなのだろうなと思う。


今週末は横浜でヴィーガン祭があるそうです。行きたかった。


去年の毎日note


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