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もしもあの時、彼からのメッセージが無かったら

If you go there can I ask a favor!?
I mean if you go to bhaktapur

Facebookでネパールの投稿をすると、ブラジル人の友人からメッセージが届いた。どうしたの?と聞くと、去年の冬に彼がボランティアをしていた筋ジストロフィーの子どもセンターへ、寄付をしてきてくれないかという。

「センター長の方はHimalさん。バクタプルの入口で、Himalさんに会いに来たと言えば彼が迎えに来てくれるよ」とメッセージを受け、カトマンズからバスで一時間程揺られ、Himalさんのいるバクタプルへ向かった。

まるでRPGゲームの主人公になった気分だ。使命を与えられ新しい街へ向かい、ミッションをクリアすべく冒険が始まる。

「ようこそ」と言って入口まで迎えに来てくれたHimalさんは、とても穏やかで、優しい声をしたおじちゃんだった。街の案内をしてもらいながら、友人が過ごしたセンターに向かう。

ネパールのカトマンズ盆地では3番目に大きな街で、世界遺産にも認定されている。古い街並みが魅力的だが、2015年の大震災による爪跡は今もまだ残っていた。

Himalさんのセンターに到着し、中を見学させてもらった。その日は日曜日で子ども達はいなかったが、部屋には子ども達が書いた絵や、遠足に行った時の写真が飾ってあり、車いすに乗った少年少女が20人程、楽しそうに写っている。

Himalさんの息子も筋ジストロフィーの障害を持っていて、誰かの手を借りないと、ベッドから降りることも難しいという。息子の障害が発端となり、Himalさんはこのセンターを設立したそうだ。

「こんな風に工作をして、みんなにものの名前を教えているんだよ」
そう言って見せてくれたのは、Himalさんが紙で作ったジャングル。

「これは? キリン。 これは? ライオン。 じゃあ、これは?」と、子どもたちに教えている時の様子を再現してくれた。

「友達から預かってきたよ」と言って、寄付金をHimalさんに渡すと、彼は優しくささやくような声で、ありがとう、と微笑んでくれた。

「ボランティアで来てくれた後も、彼は気にかけて連絡をくれるんだ。優しい人だね」と、友人のことを話してくれるHimalさんを見て、なんだか私のことをほめてもらえたような気持ちになり、嬉しくなった。

友人にお使いを頼まれなければ行くことのなかった場所。いつ、だれと、どこで出会うかは、偶然の繰り返しなんだろうなと思う。たまたまFacebookを見て、その偶然をくれた友人。

「お使いしてきたよ」と友人にメッセージをすると、「本当にありがとう!」と返信をくれた。

私の方こそ、ありがとう。

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