見出し画像

ソラニンをみた3月23日

夜中はとにかく暑かった。太ももにまで汗をかいていたので、寝ぼけた頭で「明日はパジャマを取り替えよう」と誓った。

起きると、頭と喉が痛い。枕元に置いておいたアクエリアスを飲み、もぞもぞと服の中に体温計を入れて、熱を測ってみた。36.5度。平熱だ。ほっとしたような、けれど喉の痛みで落ち着かないような、そんな気分。シャワーで汗を流して部屋着に着替え、そのまま昨日の病院へ足を運んだ。「今熱が引いてるならインフルじゃないですよ」と言われたけれど、念のため検査をお願いした。

「ちょっと待ってください」と奥から綿棒のような検査薬を持ってきた先生は、席に座ることなく私の左鼻の奥に突っ込み、ぐりぐりと動かした。「10分くらいで結果が出るので、待っていてください」と表情を変えずに言う。私はありがとうございました、と言って診察室を去った。

結果、やはりインフルではなくて、ただの風邪だったようだ。ただの風邪で39度まで熱が出たことは、多分人生で初めてのような気がする。昨日もらった解熱剤を飲んだら頭痛はすぐに治り、「鼻と喉」というザ・風邪みたいな症状だけ残った。

帰り道、知り合いが「ソラニンの芽衣子が好き」と言っていたのを思い出した。宮崎あおいだからではなく、"芽衣子"の生き方が好きなのだという。今日はベッドに寝転がってソラニンの日だ。

「女のダサと格好良さが一緒になってる気がして好き」と知り合いは言う。うーんなるほど。けれどもっと詳しく知りたい。

私はというと、なんだか若いなぁというのが1番の感想だった。社会人って、君らが考えているより悪くないよ。責任が増える代わりに出来ることも増えてくる。学生の頃には違った良さがある。一方で、多分それに気づくのが難しい世の中なのかもしれないなぁとも思う。「社会人はつまらない」と話す大人が多くなってしまうと、これから経験する人たちはやはり不安になるはずだ。どんな大人を見て過ごすかは、すごく大事なんだろう。

次会った時には映画の感想を、もっと詳しく聞きたいな、と思った。1つの作品を見て、近しい人たちから解釈を聞くのは楽しい。その解釈を聞いて、自分はどう思ったかを考えてみたい。

ベッドの上で過ごす日も、そんなに悪くないかもしれない。


最後までありがとうございます!いただいたサポートは、元気がない時のご褒美代にします。