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感情のラベリング

「引くわ!」と言われたら、「なんで~!」と笑いながら答える。

2人は笑顔になり、笑い声が広がる。その場はすごく楽しそうな雰囲気だ。けれど笑った顔をゆがめるかのごとく、ちくりと心にトゲが刺さった。

「疑問に感じたことや嫌だと思ったことは、"わからない"、"嫌だ"、"傷ついた"などでラベリングしていくのがいいらしい。その後はそれを信頼している人に話すことが一番で、それができないならノートに書いたり、"自分はこの時にこういう気持ちになるんだ"と整理しておくことが大事らしいんだよね」

ここ嫌だよな、とモヤっとしたことを友達に話した次の日、その子にこんなメッセージを送った。無意識にしまいこみがちな感情に、ちゃんとラベルをつけて話せたような気がしたからだ。

「分かり合えずに攻撃し合っている人を見ると、すごく嫌な気持ちになる」

メッセージを送った前日に私がラベリングしたのは、こんな内容だった。

「ノートに書くぐらいなら、連絡してきなよ」

3時間後に友達から返信が来た。それには特に返信をしなかったけれど、やっぱり今日も、ラベルを付けたい出来事がある。そのまま飲み込んで朝を迎えたら、大きなカタマリになって重力に加担しかねない。

メッセージで送った「信頼している人」は、最低でも3人必要なのだという。確かに毎日、他人のラベリングにマンツーマンで付き合うのは大変だろう。分散させたい気持ちはあるが、許可が出たのはまだ1人だけだ。

この感情はノート行きか、それとも話して空気にさせるか。あのとき感じたトゲをもう一度、考え直してみた。

いつものことにも関わらず、チクリと刺したトゲはいつまでたっても抜けないのだろう。多分きっと、あちこちトゲだらけになっているはずだ。ラベリングされずに残ったトゲたちが、今も体内をうようよ漂っているような気分になった。やっぱりこの後、10分だけ話を聞いてもらった方がいいのかもしれない。


去年の毎日note


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