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「仕事を問い直す:複業をする理由とは」~鈴木 駿矢さん~

現在、静岡市内で株式会社オレンジハウスに勤めながら、
地元裾野市colony linkとして事業を行ういわゆる“複業”実践人である 鈴木 駿矢さん。
現在のプロフィールになるまでに、どんな経験をしてきたのか。そして、なぜ自分で事業を立ち上げたのかなど、気になるところを細部まで尋ねてみた。

(大庭)どういったキャリアを歩んできたのですか?


(駿矢さん)裾野の中学校を卒業して、沼津東高校に進み、静岡県立大学の経営情報学部に進みました。
その後に、サマソニ(サマーソニック)などの制作を手掛ける東京のイベント制作会社に就職したんだけど、結婚を機にイベント制作会社を辞めたって感じかな。
周くん、裾野出身だし、沼東(沼津東)だって聞いて、びっくりしちゃった(笑)

(大庭)私もです(笑)
まさか、駿矢さんが同じ裾野市で同じ高校、さらには私の大学の野球部の先輩と同級生と聞いたときに、共通項の多さにびっくりしましたね(笑)

先ほどお話に合った、イベント会社で働いていたときって、どんな感じだったのですか?

(駿矢さん)
イベント制作会社にかかわってたのは、大学3年のインターンの時からなんだよね。
貯金を崩しながら生活していたことを話すと、有償インターンとして働かせてもらったり。
大学を一時休学してインターンをし、復学してからも東京と静岡の二拠点生活をしていたりと何かと大変だった(笑)
実際、そのインターン先に就職したんだけど、40連勤だった時もあって、一人なら続けられるけど、家庭を持ちながら続けるのは難しいなと思って、転職しました

(大庭)40連勤…。それは辛い時期でしたね…
今の会社にはどんなきっかけで転職されたんですか?

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(駿矢さん)
大学時代からシェアハウス(コクーンベース)の立ち上げを手伝ってくれたのが今の会社なんです。
イベント制作会社で働きながら、シェアハウスを開設するっていうね。

もともと、結婚を機に静岡に戻ろうと思っていたんだけど、あまりツテがなくて。
そこで、オレンジハウスの社長に相談したところ、うち入る?という言葉があって入ることになったんです。

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(大庭)
すごい!それだけ、駿矢さんと社長さんの関係性がよかったということですね。あれ、シェアハウス(=コクーンベース)も運営されていて、複業とかは問題なかったのですか?

(駿矢さん)
僕もそれが気になって、コクーンベース含めcolony linkの事業を続けてもいいか尋ねました。
そうしたら、もちろん(続けていいよ)という回答があったんです。
今の会社は、挑戦することを応援してくれる社風だなぁと。
ちなみに、数字(営業成績)を達成すれば、子連れOK・出社しなくてもOK・いつ帰ってもOKという働き方なので、本当に助かっています。

(大庭)
従業員の挑戦を応援してくれる企業は、まだまだ少ないと思いますが、
その企業と出会えたのも何かの縁なのかもしれないですね。

実際に、オレンジハウスに入って住宅営業をしつつ、colony linkの事業としてイベント運営をしていったと思うのですが、住宅営業とイベント運営で共通しているなと感じたところはありますか?

(駿矢さん)私は両者をやっていくなかで、イベントづくりと家づくりは似ていると思いました。
イベントって、企画・打合せを何度も行って準備していき、当日にマックスを迎えます。つまり、終わりが来るってことです。

一方で、家は一生で一番お金を使う出来事(=イベント)。
完成した時(引き渡し)がピークで、ピークを無事に迎えるために、お客様をいかに満足させるのか。一般の人にとって、個人が一番出資するイベント=家を建てるということじゃないですか。最高の状態を迎えるために、どう仕上げていくのか。
そういった点で特に両者(住宅営業とイベント運営)は似ていると思っています。

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なぜ、Colony linkを立ち上げたのか尋ねていくと、
家族が自営業をしていたことが大きな影響だったという。

(駿矢さん)

「自営業」というのが当たり前だと思っていた。だから、自分で事業を起こしたかったんです
大学のゼミで様々な企業の社長さんと対話をしていく中で、
「人をつなげて面白くする。」ことがやりたくて、シェアハウスやイベントが得意分野だと気づき、イベントを通じて人をつなぐというところにしっくり来て、大学4年の時に大学へ休学届を提出すると同時に開業届を提出して、事業を立ち上げたんです。
ちなみに、高校時代もTシャツを売っていたりしてたんですよ。あまり利益にはなりませんでしたけどね(笑)


(大庭)Colony linkの名前の由来はありますか?


(駿矢さん)Colonyは、英語で”巣”という意味があります。
そこから巣同士をつなぐという意味から、Colony linkと名付けました
ちなみに、Colony linkの名刺には社会性を営む昆虫であるハチが描かれています。

Colony linkは、
① シェアハウス(=Cocoon base) 
② イベント
(Cocoon baseの住人が学びたいことに対して、講師を呼んでのプチ講演会など)
③ デザイン業
主に3つを事業としています。

シェアハウスに関しては、住人の多くが大学生ということで、
自身より若い世代との交流も生まれているとのことでした。

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次に、駿矢さんが「生きる」上で大事にしていることについて探っていきました。

これをやっていることで自分がワクワクするのか?

これを特に考えています。私がやっているイベントや本業の住宅営業の共通していることは、人を対象するものであるということ。お客さんの表情ですべてわかっちゃいますよね。
さらに、1人と1人が出会ったのであれば、1+1>2にならないとなぁと強く感じます

人と近い距離で仕事をすることが好きだからこそ、人と人が出会ったときに生み出されるものは大きいと考えています。

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ありがとうございます!今回の見本市が「問い直す」というテーマですが、今後、駿矢さんが問い直したいテーマはありますか?


(駿矢さん)

働き方もそうだけど、「大学生活」を問い直したいよね。
高校とかの部活では、組織論でいう「予期的社会化」にあたる「仮入部」がデザインされているけど、社会に出るにあたっては「予期的社会化」はデザインされていない。
これは、就活中にリアリティショックから来る就活鬱(うつ)の原因でもある。
※就活中のリアリティショック⇒自分の予想と、現実に大きな乖離があり、ストレスを感じてしまうこと。

この「予期的社会化」を解決するのは、大学生活だと思うんだよね。
だけど、“大学”では出来ないから、自分から自主的にやるしかないと思うんだよね。
大学生活で「予期的社会化」をデザイン出来たらいいなと思っています。

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❖編集後記
この記事の編集者と駿矢さんは、同じ静岡県裾野市出身で同じ高校という繋がりがあったこともあり、スムーズに話が進んでいきました。
私自身が大学生活でもっと今後について考えておけばよかった…という後悔を持ちながら今過ごしているので、「問い直したいテーマ」のお話の時には共感の連続でした。

複業をすることが今広がりつつありますが、
企業の容認や個人のメンタルヘルスの問題、さらには周囲の理解など様々な壁があります。
大企業や都市部の企業では、複業容認の流れが加速していますが、
静岡の企業でその流れが生まれているのかというと疑問符が浮かびます。

そもそも、複業ってどんな仕組み?自分は複業したいのか?というところから自分を見つめ直し、自分が本当にやりたいことや働きたい場所・一緒に働きたい人などを絞っていければ働くことに嫌な思いをすることもないのかと思います。
当日、「複業」について聞いてみたい人・駿矢さんの生き方に触れてみたい人はぜひブースに足を運んでくださいね!

インタビュアー:大庭 周(おおば しゅう)

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