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スターズオンアース、ジオグリフ、そしてイクイノックスまで故障発生…超高速馬場がもたらした最悪の結末なのか。『超高速馬場は安全』とかいうウソがまかり通る理由を解説

予想やPOGの話もしたかったけど、今回はコレ。

ダービーが終わると、また新しい1年が始まるのが競馬の面白いところ。
んが、ですね。ダービー週からもう既にご存じの通り、有力馬の相次ぐ離脱…今日は超高速馬場と故障馬の関係性について色々言いたいですねぇ。

これに関しては、昔から…

1.超高速馬場は脚の負担がかかるからとっととやめろ!!派

2.超高速馬場で故障率が減ってるんだから文句言うな!!派

の2大派閥が存在します。ご存じの通り、オイラは特定の血統しか来られないうえにトラックバイアスも生み出す公平性の欠片もない超高速馬場が大嫌いなんですけど、この故障問題に関しては完全に中庸の立場ですね。
ようは、真ん中くらい?

例えば、現場からの声からだと超高速馬場って負担が大きいのは既に確定的なんです。前も言いましたけど、馬場が高速化されすぎた影響で1回あたりのレースでの疲労が大きくなって昔と比較してレース数をこなすことができなくなったのは、そこそこ競馬歴が長いファンですらもう周知の事実だからです。というか、馬産の人達ですらそう証言してますからね。疲労がデカイって。
でも、厄介なのがこれを科学的に証明できない点なんですよね。ちゃんと統計とったりできないから、本当に超高速馬場だけの影響で負担が大きくなっているのかわからないわけですよ。

かといって、超高速馬場で故障率が減ってるって主張が正しいかっていうと、全然そんなことはないわけです。これも理由は簡単で、提示されてるデータが統計的には全く信憑性がないからです。
そもそも統計の取り方がおかしいっていうのが大きいですけど、それ以前に育成技術や医療技術の発達は考慮しないの?っていう疑問が出てこない時点で信憑性ゼロですよね。

例えば、メチャクチャわかりやすいのが競馬界って『育成技術や医療技術が発達したから海外でも勝てるようになった!!』って主張する人達がいるじゃないですか? オイラは全然そんなことないと思っていますけど、こういう主張するってことは当然…

高速馬場での故障率低下は、近年の育成技術や医療技術の向上とは無関係である

っていうデータを出さないといけないわけですよ。
ないですよね。そんなデータ。これまでの馬産の努力をみんな無かったことにするの?ってオイラなんかは率直に思いますけどね。
冗談だろっていう。

だから、育成技術が発達してるって言ってるのに高速馬場は故障率を下げたとか言ってる人って完全に矛盾してるんです。自分で矛盾してること言ってるってことに気づいてないんですよね。

まだあります。実は、こういった馬場やコースに関連する故障率というか、予後不良率の研究って海外でも行われています。で、こういった海外のデータを流用して…

人工馬場の故障率は低くて、ダートの故障率は高い! だから日本の芝は優秀で安全!!

とか言う自称競馬のプロを語るメディアの人も時々いるんですけど、これは完全にウソですね。

例えば、面白い記事では海外でNegligible Effect on Breakdowns From Tight Turnsっていう論文というか、記事があるんですけど、これは競馬では急なカーブやコースは故障率に影響を与えないですよーって話です。
海外の競馬場(アメリカとか)って、メチャクチャ急カーブが多い競馬場があって、その負荷がサラブレッドに負担を与えるんじゃないか?って話が出てるわけです。
面白いのがこの論文と一緒に芝・人工馬場のデータも出されている点です。で、この人工馬場のデータが実は『高速馬場の安全性の裏付け』として利用されていることが時々あるんです。

でも、これ論文には続きがあってw 『この論文の研究データはダートに限るもので、コーナー半径が小さい芝・人工馬場は関係ないよ』って言ってるんですよね。ようは、芝・人工馬場で同じようなコース形態で走らせたら負担が大きい可能性を否定できないよ、って言ってるんです。だから、このデータ流用してる人ってこの部分知らないんです。何で知らないかって言うと、小さく注釈で書かれているからw だから、普通にウソなんですよね。高速馬場・あるいは人工馬場が安全だとかいうデータではないんです。
いや、これダートでの予後不良率の研究だよってオチですね。

実際に、アメリカの研究でも予後不良率って年々低下しているって発表しているのですけど、育成・あるいは医療技術の発展を無視できないって結論づけているところが大半です。馬場とか関係ないんですよね。

というか、そういう人たちの主張で言うなら整備されている芝の方が安全なわけじゃないですか。でも、現実的に力が必要で疲労が起きやすいダートの方が脚とられて危ないはずなのに、アメリカでも故障率は落ちてるんですよね。だから、関連性とかないんです。そもそも、アメリカはダートの方が主力なんだから故障馬が多いのも当たり前だろって話でね。
芝の国じゃないし。

結局、非科学的に超高速馬場は安全だとかわけわからんこと言って他の要素を排除して必要以上に関連性を持たせようとしているのは日本くらいなわけです。なんでそんな必死やねんって感じですよね。
特に、競馬メディアを語る皆さんね。

まだまだあります。以前に、『統計的に根幹・非根幹とかただのオカルトだよ』って話をしたじゃないですか?↓ あの続きですね。

日本の高速馬場でのデータもこれと完全に同じで、ただのオカルトの域を出ていないんですよね。なんでそんなこと言えるのかというと、↑のときと同じで自分たちにとって都合のよいデータしか出していないからです。

↑の記事でも書きましたけど、統計学を学ぶときに真っ先に教えてもらえることっていう話で、ある事象の話をしました。これ、わかりますか?
実は、血液型診断と占いなんです。

大学で統計学や心理学を学ぶとき、血液型診断と占いが科学的な観点から信憑性が極めて低いっていう勉強を必ず行います
血液型診断に関しては、趣味嗜好の問題なのでオイラは信じたい人は全然それで良いと思うのですけど、統計的には全然信用できないものとしてほぼ確定的になっています。理由は簡単で、サンプルを揃えられないからです。

日本の血液型って、A型・O型・B型・AB型4:3:2:1で分布していると考えられています。なので、環境を整えて同世代の人達が血液型でどういった性格の違いが生まれるのかを調べるのが現実的に出来ない状況なんです。本当に性格の違いがあったとしても、科学的に証明できない状態なので血液型と性格は無関係って判断になります。

これと関連して、血液型診断の有効性を判断する基準として多くの人が騙される要因として、実はこの客観的なパーセンテージの落とし穴が挙げられます。

例えば、同世代のA型の子どもを8人集められたとしても、分布的にAB型の子どもは2人しか集められないってわかりますよね?
A型の子どもが、血液型の性質を判断するために半分の人が同じ行動をすればよいと考えたときに、このうちの4人がA型らしい行動を起こさないといけません
ところが、AB型の場合は2人しかいないので片方の1人がAB型らしい行動をすると50%の確率で整合性が存在すると判断されるんです。つまり、片方は4人で整合性が初めて取れるのに、もう片方はわずか1人で事足りる研究結果になります。
これ、一昔前までマジでこんな感じでやってたんです。

じゃあ、サンプルを揃えられないAB型の子ども達はどうするのかっていうと、年齢層が異なる別の集団から何人か連れてくるんです。つまり、A型の子ども達は同じ世代で集まって行動しているのに、AB型の子ども達はバラバラの年齢層で実験を行っていくことになります。当たり前ですけど、子どもなんて成長期迎えると考え方や感じ方なんて全然違うじゃないですか?w 体の強さも違いますし、免疫力も違います
いやもうメチャクチャやん、って思うじゃないですか? でも、何度も言いますけどマジでこれやってましたからね。で、今に至ります。

全く同じように、占いもこれに近いです。例えば…

占いは統計学だ!!

って主張する謎の勢力って一定数いるじゃないですか? 全然間違ってるとか言わないし思わないですけど、でも証明もできないんですよね。上記でも述べた通りそもそもサンプルをきちんと揃えられていない時点で正しい統計ってとれないからです。だから、占いを提供する人達は統計学ってことでゴリ押しするんですw これはちょっと面白いですけどね。

占いの場合はもっとわかりやすくて、心理学的な方面からも既に占いの知識がないある学者さんが90%以上の確率で相手の性質を見抜くっていう実験に成功しています。しかも、半世紀も前にです。つまり、既に反証ができているんですよねこの手の研究は。
これは知っている人も多いですけど、こういうのをバーナム効果って言います。

統計にしろ占いにしろ、最もらしい当たり障りのない結果を見せてそれを伝えることで、9割以上の人がそれを信じちゃうっていう心理学的な実験が既に半世紀も前に成功してるんです。その人にとって都合の良いデータだけを見せるわけですね。
で、そこに自分が考えていることや感じていることと少しでも共感できることがあると、それを信じちゃうんです人間って。そういう意味じゃ、本当に怖いですよね。

これを前提に、高速馬場の話に戻します。
この話をしていて、『はっ(; ・`д・´)!?』と気づいた人もしかしたらいるかもしれませんけど、あなたはメチャクチャ頭が良いですw 上記の話を前提とすると、真っ先に出さなくちゃいけないデータってあると思いません?
そう、年齢と脚質分布です。

高速馬場下で最も問題になっていることはなんですか? 内枠の馬、あるいは逃げたり先行した馬がメチャクチャ残ること、そして年齢ごとの体質的な強さですよね。
各個体がどういった脚質でレースをすれば、体に対して大きな負担がかかるのかを立証できれば、さらに故障率を低下させられます。例えば、大逃げとかかましてるサラブレッドとかってメチャクチャ負担が大きそうじゃないですか? スタートからゴールまでずっと全力で走ってるわけですし。

ですからサラブレッドという個体、つまり年齢・脚質ごとの高速馬場での影響を本当に統計で取れるなら、当然…

個体ごとの脚質分布で高速馬場がレースの結果にどういう影響を与えたのか?

ということもわかってるわけじゃないですか? だって、故障率という結果に影響を与える要素の統計がとれたって主張しているわけですから。既にそれだけのサンプルがあるって主張しているのと同義なわけです。
そのデータを参考にしたら、昨今主張されている高速馬場への謂れのない見解にも大手を振って反論できるはずです。つまり…

高速馬場下では逃げ・先行あるいは内枠の馬が有利であるという主張はデタラメである

と、胸を張って言えますよね。データを出す方にとってもメリットしかありません。文字通り、公正競馬をきちんと確保できているって証明できるわけですし。

って言ってたら、既にもう答えがわかっていると思いますがw オイラは性格がマジで腐ってて終わってるので最後まで言いますけど。
この脚質分布のデータ、高速馬場の故障率の低下を主張しているJRA側は何と言っていると思います?

サンプルが少ないから出せない

って言ってるんです。


もう1回言いましょうか?

『サンプルが少ないから出せない』

って言ってるんです。


もう1回言いましょうか?w

『サンプルが少ないから出せない』

って言ってるんです。


いや、統計取れてないやんって話でね。どんだけ自分達にとって都合の良いデータだけ引っ張ってきたんだ?って話にそりゃなるわけで。まぁ、データ出すの怖いんだろうなぁってオイラは邪推していますけどw 今、ターゲットとかのソフトウェアでどれだけ内有利逃げ・先行有利なのか誰でも調べられますからね。故障率とはわけが違うくらい反論の嵐になるでしょうし。
だから、高速馬場での故障率での統計データに関する反論としては…

年齢と脚質分布のデータを出してください

で終わりです。

という話でした。ここでやっぱり重要なのが、毎度毎度言っていますけど別にオイラが言っている主張が正しいってわけじゃないという点ですね。毎回偉そうに能書き垂れていますけどw

もしかしたら、今後本当にメチャクチャ超具体的でわかりやすいデータがJRA側が出してくるかもしれないですから。そうなったときには、全力で土下座する準備はできてるw
どちらにしても、やっぱり今のところ両方の主張ともに薄いなぁっていうのがオイラの考えですかね。本当にそうなら、もっとちゃんと研究してデータ出して欲しいって心の底から思いますし。

超高速馬場大嫌いですけど、こと故障うんぬんに関してはこうやって話し合って議論するってメチャクチャ大事だと思うんですよね。片方の考えに依存して思考停止したら、それこそ走ってるサラブレッドの生命に関わりますからね。より良い方向でこれからも競馬が開催されたらなぁ…っていうのが素直な感想です。こんだけ有力馬が故障すると悲しいですもんね。

ちゅーことで、今回の話…信じるか信じないかはあなた次第!

…最近、都市伝説系のテレビが少なくなって寂しい(/・ω・)/


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