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死ぬ前にいける阿弥陀さま博覧会:九品仏

こんにちは!みほとけです!

今回行ってきたお寺は東京都世田谷区にある

「九品仏 浄真寺」(くほんぶつ じょうしんじ)さん

なんと、今回もここで働く僧侶の方の丁寧で熱血なご案内のもと
楽しくお寺体験をさせていただいたので、レポートします!

広〜いお寺には

3mくらいの仏像が9体います

9体の仏像とは死んだ後の階位が
上品・中品・下品 ✖︎ 上生・中生・下生 
→上品上生から下品下生までの9つあるという浄土宗の教えから

各位に1阿弥陀さま、いるってこと。
(9体の見分け方→ https://matome.naver.jp/odai/2141845424067611501/2141857059777618303 )


生前の行いで無くなったらどのあみだ様に出会えてどうやって極楽浄土に行けるかは変わってきますが、ここでは死ぬ前に全種類のあみだ様に会えるんです。


今のうちに死んだら出会いたいあみだ様に会って顔を覚えてもらうのもいいかもしれませんね。

「私のこと覚えといてね!迎えにきてね!よろしく!」

ってね。

さ、最寄駅は大井町線の九品仏駅。改札を抜けて左にあるて100秒ぐらいでつきます!めちゃ近い!


■入り口から死んじゃう

総門を入ります。

右手に閻魔堂(エンマどう)

えんま様が迎え入れてくれるんですね。
えんま様といえば、死んだ時に出会うことになる裁判官的おじさん。

入り口入っていきなりこれって、、、

そう、今総門をくぐったことは、「死んだ」ことを意味してました!
私は死んだんだぁ〜

参道が三途の川のような役割をしていて

だからまず、えんま様に対面するんです。

怒り肩で目をひん剥いて、真っ赤な顔してめちゃくちゃ怖い

でも、ここで懺悔してナムナムすると、不思議とえんま様は微笑んで見えてくるそうですよ。

(私はこのお方が怖すぎて、死ねないなと思いました。)

そんな入り口では、今、新・閻魔堂を建設中。

寺院建築の骨組みを今ならまじかで見ることができる!

そして、参道は左折して、山門へ。

ん?

左折?

お寺って、本堂に向けてまっすぐな参道があるのが大多数。

そこで、左折?、、、そう

■ぬぐいきれない、お城のあとっぽさ

ここは奥沢城という城だった土地らしいのです。

昔に、珂碩(かせき)聖人というお坊さんがお寺を作ろうとしました。
とても真面目に仏教の興進に励まれたお方です。
しかし、一人ではこんな大きいお寺作るおは困難。

その時、協力したのが珂憶(かおく)聖人さん。
なんか、めちゃお金集めや人集めが得意なお方だったらしいです。

だから、この城の跡地も徳川家から譲ってもらえたんだとか。
参道が左折するのは、お城の門を想像してもらえればわかるかなと。
敵に攻め入られないように門入ってすぐ90度に曲がりますもんね。
その名残ってことだ!

他にも、土地の形を見る人が見たら、お城に見えてくるでしょう。

珍しい、お城的な寺院なんです

ちなみに山門・梵鐘がこんなにかっちょいい

やばないか?
かっちょよすぎ、豪華すぎ。

江戸時代から今の姿が残ってるらしいです。

お寺が勝手に作れなくなってから、職人さんの腕を振るう場所が少なかったみたいで、カオクさんはそんな時にたくさんの職人さん(とお金)を集めて作り上げたらしいのです。すげえ。


「ものすごくいいパートナーというか、パトロンに出会えたね、カセキさん。」
と思う私たちでした。


■人を一番に迎え入れてくれるのは下品下生

総門をくぐると、まず、真っ先に迎え入れてくれるのは、、、

下品の阿弥陀さま3体がいる下品堂。

しかも、入ってきた門から一直線上に歩くと


下品の下生の阿弥陀さま


え!!一番メインっぽい上品堂の上品上生の阿弥陀様じゃないん?!

と思うみほとけ

しかし!そんなつけあがってはいけません!

人間、生きているだけで、どんな汚いことをしているんでしょうか

阿弥陀様に会えるだけでもものすごい奇跡みたいなこと


らしいです。(案内してくれた方の主張)

ーーー

と、その後九品仏縁起を見ると、下品下生に出会うのは「十悪罪を犯し当然地獄に堕するような悪業を重ねたものであるが、幸いにも教えを受け南無阿弥陀仏と唱えて十念を具足したものであります。」

って書いてあって、、、そんなに悪いこと、、、してる、、、か、、うん、そうよね、、、うん。

ーーー
■9対の仏像はまるで展覧会。

急に手書きの地図登場。

今まで言葉で全然伝わらなかったでしょう。
境内の配置はこうなっていました。

地図の上部にある
下 上 中
の四角は、それぞれのお堂です。そこお堂に3つづつ阿弥陀さまがいます!
(それぞれ、立ち上がったら5mある大きな仏像です!!)

3体づつ阿弥陀さまがいるのですが、
なんと、
お堂ごとに特徴が違うんですねえええええ

これは、仏像マニアというか
「違いを見つけにいこ」
と思ってみてないとなかなか見つかるものじゃないけど

逆に、世の仏像マニアたちはその研ぎ澄まされた目で

ピーーーーーーーン

と違いを見つけてしまうんですね。

まずは下品の阿弥陀さま

下品堂のあみだ様はものすごく人間っぽいリアルな肉付きな印象でした。
慶派ふう

ほら。


さ、お次は上品堂

ちょっと痩せた?表情もシャキッとしています。上品。
滑らかな線が印象的です

白毫が真っ白に光ってるの、この光沢、まじでLEDが、いや、法力が光り輝くんじゃないか?と思わせる、ヒカリモノの白毫でした。

この美しいブルーのヘアにも目がいきますね。
これ、ブッダが本当に髪の毛が青く光っていたという説があって
九品仏さんの阿弥陀さまの青髪は、ラピスラズリの鉱石で色付けしてるんだそう
だからこんなにチャッキチャキに輝いているんだね

ちなみに、上品上生の阿弥陀さまに迎えにきて欲しいなら、「至誠心・深心・回向発願心の三心を具足する」なければならないって。

・・・なんのこっちゃ。一回じゃ理解できません。

めっちゃいい行い、いい念仏、仏の教えに励んだかたってことでしょう。

お次は、中品堂

ピカピカ〜

祝・中品堂本座還着 と書いてありました。

そう、九品仏の阿弥陀さまは今300年ぶりの大修繕中

なんです!

20年かけて、一体づつ丁寧に作り変えています。

ちょうど修繕がおわたばかりの中品上生さん。

ピカピカの輝きと、歴史ありそうな古っぽさも両立しててすごいですよね。

修繕=新品にする  わけじゃないんです


なんと、全国の国宝を修繕する業者さんと同じところで修繕してもらってるらしいのです。こちらも後々は国宝になるんじゃないか?
という説がまことしやかにみほとけの脳内に浮かび上がってきました。

ピカピカ阿弥陀さまの後ろの光背

小さいブツブツが「化仏(ケブツ)」という小さい仏像がくっついています。仏像がたくさん。仏仏(ブツブツ)しています。

金ピカのブツと黒いブツ。2種類いますよね?

かけてしまってなかったものを金ピカに作り変えて、古くから残っているものはあえてそのままに。

このまだらさ、歴史が作った自然の紋様(パターン)
めっちゃオシャレ。

横からも見せてもらいました。
このもっちりとしたお尻

可愛いですね。

修繕の力もあってか、中品堂の阿弥陀さまは、キャラクター性が良いというか、お尻や目・口元がデフォルメされているような感じでした。

これら9体の阿弥陀さまは、いろんな仏師の人が力を合わせて作ってるみたいなんですが

このお寺を作った立役者、カオク上人さんも掘ったらしいです。

本当ならすごいことですね。人脈と人望があって、おカネ集めもできるし、仏像も作れるなんて。

長くなりましたが、ここには9体も阿弥陀さまがいるので、その違いをじっくり見るのはなかなか楽しいものでした。
推しメンを見つけに、行って見てはどうでしょう?

■本堂のお寺体験

上品堂の向かいには本堂があって、釈迦如来さんがいます

どん

なぜこの角度。

正面じゃないんかい。

と思いましたか?

私も思いました。(自分で撮っておきながら)

でも、見てください。この少年のような顔。
インド人っぽい、イケメンですよね。
若い。
頭のブツブツ(螺髪)も粒が大きくて、可愛らしい。

こんな可愛らしいハスの花に座ってるんです。

オシャレやなあ。

これは、このお釈迦さまを作るとき、仏教界では「チャイニーズ」がブームだったらしく

オシャレに敏感な江戸っ子お坊さんたちはこんな中華風の装飾とイケメンお釈迦さまをつくったらしいです。山崎賢人に似てないか?イケメン、本当。

で、これが4mくらい大きいから、さらにグッときます。包容力がものすごいいいい


他にも魅力的な仏像はたくさんいたのでまたの機会に紹介します!


■勧進

勧進(カンジン)→  https://kotobank.jp/word/%E5%8B%A7%E9%80%B2-48971

寺院修理のために募る寄付のことです。

寄付することが、徳を積むことになる修行の一つと言われます。

300年に1度の大修繕のために、九品仏さんでも勧進をやっているのですが

これがめっちゃいい。

「1口千円で」

「一筆、写経ができる」

「写経を納めると」

金ピカの御朱印がもらえる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


これ、すごくないですか????

1000円以上の体験、、、、


しかも、

実際に阿弥陀さまに貼る金箔が、千円でこの御朱印の紙のサイズらしい


つまり、自分で阿弥陀さまの金箔を購入したかのような感覚に


このチャンスを逃したら、金の御朱印なんて手に入らないかもしれないし

自分の買った金が阿弥陀さまに300年間残ると思うと

興奮するよね、、、


普通に参拝すると見逃しちゃうけど

テーマパーク性
9つの阿弥陀さまの微妙な違い・大修繕のリアル を見れる
写経体験

これが詰まっている九品仏さん

今とてもオススメです。

皆様も是非、世田谷の方に行かれる時は足を運んでみてね。


さぁさぁ

ちょーーーーーー長くなりましたが、みほとけの九品仏さんレポートはここまで。


本当はまだまだ書きたいことあるんだけどあまりにも多すぎるのでね

最後に九品仏のゆるキャラ

キュッポンくん とパシャり。

金ピカ感、青い髪の毛感、可愛いね。


この濃密な九品仏ツアーをご案内してくださったのは

ここで働くお坊さん、佐賀さんでした。
有難や、有難や。

(この佐賀さんの作務衣ムッチャクチャ可愛くないですか。佐賀さんデザインの九品仏オリジナルロング丈作務衣。おしゃれえ〜)

佐賀さんはここでは石庭の手入れの担当だそうで

今期の紋様は、大海原を自由気ままに浮遊する変幻自在の海洋生物「たこ八郎」をイメージされたそうです。ここだけの話。

どんなものかわぜひ、その目で確認してね。


長いけど、最後まで読んでくれてありがとうございました〜

では、これにて



お寺や仏像、お坊さんの魅力をお伝えする活力になります! お気持ちをチャリーンとしていただければ嬉しいです。