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「本の言うことを聞くライター」と申します ~専門性がないライターの生存戦略~

ライターの世界に足を踏み入れたのはもう10年近く前のこと。

思い返せば、書き始めたのは乳飲み子を抱えている時期でした。抱っこ紐から首がコロンと落ちてしまうのでは!?と思うほどに脱力して熟睡する我が子を胸に、キーボードを叩く日々。

それも、今は昔。子も成長して、私も「THE WEBライター」から取材やインタビューを軸にしたライターへと変化しつつあります。

――が。どれだけ地球が回っても変わることのない私の悩み……それは「専門性がない!!!」。

この記事は、そんな私が(ひとまず)初めて自分の肩書らしきものを見つけるまでのお話です。


そもそも私、「専門性」を避けて生きてきた

「私、それらしい専門性がないんです~」と口にすると、「専門性がないのではなく、気づいていないだけだ」って、よく言われませんか?あるいは、「これまでの道のりにヒントが隠れている」とも。

もちろん、私も素直に振り返ってみたことがあります。ところが。

✅大学:理工学部管理工学科卒を投げうって文系就職
✅営業:新卒1年目の研修で経験しただけ
✅広告制作Dir:鳴かず飛ばず(?)、期間も1年半
✅人事:5年半経験したものの、人に頼るのがうますぎて1ミリも知識がストックされていない(昔からテスト終了の瞬間に知識が霧になるタイプ)
✅資格:運転免許+αだけ

――ね、紐解いたところで、世間相場より秀でたものが見つからない。

だったらここから専門性を作るべく、「グルメ!」とか「美容!」とか自主企画を立ち上げるなり営業するなりして実績を……と思ったこともあったのですけれど……たとえ仮にでも腹を決められるほど心躍るジャンルもない。

その理由が、つい最近はっきりわかりました。ここから少し、そもそもの話。

私、小学生のころから「熱しやすく冷めやすい」体質でした。好きな人はころころ変わるし(幼心に「私、結婚とか向いてないんだろうな」って思ってた)、あれこれ手を付けるけれど3日坊主。「1つに決める」ってことが喜びになりにくい資質を自覚していたんです。

年齢を重ねても、そんな自分に変化はありませんでした。

大学受験で「医学部」が候補になった時。「いくら職業選択に自由があったって、この道に踏み出したら医療職に進むのが既定路線じゃん?在学中の6年間で違うことやりたくなったらどうするの?」という思いが拭えなくて、気持ちをそちらに振り切ることができなかった。

理工学部を卒業するとき、あえて文系就職したのも「専門職につきたくない」と思ったから。

そうやって未来の自由をたくさん残して、その瞬間の「ワクワク」で次の道を選び取りたいと思って生きてきた。言うなれば、「専門性を避けてきた」人生だったんですよね。そりゃ、過去の自分から「専門性」を掘り起こすなんて、無駄な行為だわ。

だったらせめて、「代名詞」がほしい

――これが私の生き方だ。専門性はあきらよう(キッパリ)。

とはいえ、それでも思うのです。

「私はここにいるよ~~!」って叫びたい。
私らしいチャンスにつなげたい。
書きたいものを書いていきたい。

たとえば、広い砂漠のど真ん中。私のことなんか誰も知らない環境で、もしも身ぐるみはがされて記憶も消されたら。私が何者かって証明する手立てはないし、誰にもわかってもらえない。それって、すごく心許なくて自分の存在そのものが揺らぐこと。

そして、ライターとしての今の私は、限りなくそれに近い。「矢島美穂と言えば」の代名詞が欲しい。顔つきをハッキリさせて、胸を張って自分を名乗りたい。

「経験」ではなく「資質」に目を向ける

そこで閃いた!「過去の経験」ではなく、自分の「資質」に目を向けたらいいんじゃないか、と。知識や知見に頼るのではなく、自分の動き方や頭の使い方に勝ち筋を見出す、そんなイメージ。

突然ですが、「ストレングスファインダー」ってご存知ですか?米国ギャラップ社によるオンライン「才能診断」ツールのこと。定義された34の才能(=強みの元)が、質問への答えの結果によって個別にランキングされます。

私は3~4年前に受験して、専門コーチによる強みコーチングを受けながら自己理解を深めたことも。

そんな経験にも背中を押され、今回自分の肩書を考える入り口として、この「ストレングスファインダー」からキーワードを拾うのがいい方法では、と思いついたわけです。

そこで改めて見返した私の上位資質はこんな感じ。

1.収集心
2.達成欲
3.社交性
4.活発性
5.最上志向

この結果はまさにこれまでの私の「ウキウキ行動パターン」(ネーミングが昭和)と符合していて、何の疑問もない!

・その時々で興味ある情報を積極的に集め(収集心×社交性×活発性)
・ひとまず行動に移し(達成欲×活発性)
・知り得た知見や情報を誰かに渡して大喜び(活発性×社交性)

なかでも「活発性」が効いている気がする……。

そういえば、これまで私と関わった人からは「歩く行動力」「扉を開く天才」「切り込み隊長」と呼ばれてきました。もちろん、そこにはお世辞や大人なりの思いやりも含まれていたことでしょう。

それでも。そのパフォーマンスに感謝されたことがとても多い。「活発性」は単なる特徴ではなく、人の役に立つための才能として使えるかも!

◎「他人のコンテンツ」×「活発性」で勝負する

が、思い出してほしい。私には「専門性=コンテンツ」がない。ないんですよ……。

でも!!「積極性」に活路を見出し、勢いづいた私は考えた。
パンがないならケーキを食べればいいじゃない!
自分にコンテンツがないなら、他人のを使えばいいじゃない!

……書籍だ!

「道を1本に絞らないことが幸せ」の私にとっても、書籍なら幅広いジャンルがある。自分の興味に合わせて、次の1冊を選べばいい。

書籍 × 活発性 = やってみた系ライター

――これ、ありかも。

宣言|「本の言うことを聞くライター」を名乗ります

こんな下心決意とともにスタートしたのが、自主企画「片付け下手が本の言うことを聞いてみたらシリーズ」。

東大卒の整理収納アドバイザー・米田まりなさんの著書の言う通りにお片付けをしていくプロセスを綴ったところ、これまで更新した4記事中2記事をnote公式の「今日の注目記事」にピックアップいただきました(神さま、仏さま、公式さま、ありがとうございます……!)。

▼ちなみに、著者・米田さんのこちらの記事、めちゃめちゃ面白いです!
ジブリの家の散らかりはプロが空間をデザインしたものとか、目から鱗!

ありがたいことに、「美穂さんのお片付けシリーズを見て、私も始めました」という声もあちこちからいただきました。独りよがりではなく、読者さんの役にも立てること。そして何より、自分も楽しい。

「自分の中に専門性もコンテンツもない」と認めるのが怖いまま、7年近くも過ぎてしまった。けれど、それを認めた瞬間に、自分の視点がくるりと違う方を向いて、新しい道があることに気づけました。私にとって必要だったのは、「深掘り」ではなく「視点を変える」ことだったんだなぁ。

――というわけで。

はじめまして、「本の言うことを聞くライター」の矢島美穂と申します。

活発性に支えられ高頻度だったnoteの更新も、「本の言うことを聞く」となると少し時間が必要です。更新頻度は落ちるかもしれません。その分、質が高い「言うことを聞いてみた」をお届けできるように丁寧にがんばりますね。

これから、どうぞお見知りおきを。


▼マガジン「本の言うことを聞いてみた」、ぜひご覧ください!

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