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リサーチチームの組織力

Design Research Tokyoのイベントで「リサーチチームの組織力」をテーマにLTをさせていただきました。(DRTの方に作成いただいたtwitterカード、トップ画にお借りしました)DMMさん、LIFULLさん、そしてメルペイで3社3様のリサーチ組織のあり方を紹介しあい、UXリサーチ組織の有無、関わり方など様々でしたが悩みは似ていたり、現場で工夫されていることを教えていただいたりととても勉強になる場でした。

メルペイにはUXリサーチチームがあるので、私たちがどういう組織体で普段どんな風にリサーチをしているのかをお話しました。資料はこちらです。

会場から頂いた質問

個人的には質問タイムがとてもインタラクティブで面白かったので、いくつかピックアップして紹介します。

Q.UXリサーチャーの定義は?

少し前に自分なりの定義をnoteに書いたのですが、今改めて見てみると事業や仕事内容の変化に伴って自分の中での定義がまた進化している気もしました。最近は「組織を超える」とか「フラット」とかがキーワードのような気がしています。

Q.どうやって事業会社でリサーチを始めたらいい?

これ最近よくご相談いただきますが、一番はじめはプロにお願いするのが早いのではと思います。リサーチは実査だけでなく、リクルーティング、設計、分析などとにかく必要な業務が多いです。いきなり全てを自分たちでやるのは難しいので、外部の力を借りながら「なるほど、こういう風にやればいいのか!」と良い点を盗んでいくのがいいのではないでしょうか。(私も副業でもご相談受けているので、お気軽にDMください。)

小川さんもお話されていましたが、社内で小さくリサーチプロセスをまわしてみるのもオススメです。

Q.どうやってリサーチ結果を周囲に伝える?

ここは試行錯誤しているところで、エグゼクティブサマリをつくってみたり、全社で動画を紹介したりとプッシュ型で社内に向けて情報発信をしています。あと、前職のときから地道に工夫していることなのですが、調査対象者にキャッチコピーをつけるようにしています。「お?」と思うような、その人の価値観や生活が想像できるような、レポートを読んでみたいと思ってもらうにはどう表現すればいいか?実はレポートで一番頭を悩ますところかもしれません(笑)以前参加した海外のリサーチカンファレンスESOMARで、コカ・コーラ社ではリサーチ結果を伝える社内メールの開封率をABテストしているという事例紹介もありました。そんな風にグロースハックというか、UX改善プロセスと同じように考えるといいのかもしれませんね。

Q.定性の価値をどう伝えていく?

「でもそれってn=1でしょ?」「たまたまその人がそうだっただけじゃないの?」…定性リサーチに携わる人なら、何度もうなされるほど聞いてきた言葉ではないでしょうか(笑)本来定量と定性は役割も違い、組み合わせ協働することで事業インパクトが生み出せるものだと思います。ただ、そこにまだ理解が得られていない状況の場合、前職では相手の伝わる指標で提供価値を語ることを意識していました。例えばこちらは以前の登壇資料ですが、P16にあるようにQCDやABテストの勝率などで成果を伝えることで、上層部含めて理解が得られていったように思います。

メルペイではお客さまと向き合う大切さがかなり浸透しているので、とても仕事がしやすいと感じています。

最後に

これは裏話ですが、今回のイベントは主催者の企画プロセスもさすがリサーチャー!という感じで、事前リサーチが万全にされていました。あらかじめ用意いただいたドキュメントに各社の組織体、プロセス、今後の展開などの項目を埋めていき、それぞれの会社の特徴や差分をお互いに理解した上で、自社らしさにフォーカスして皆さんに紹介できたのではと思います。Design Research Tokyoの皆さん、ありがとうございました!

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